(回答)

  1. 物納劣後財産とは、物納に充てることのできる順位が後れるものとして取り扱う財産であり、具体的には相続税法施行令第19条に掲げられる財産をいいます。
     これらの財産は、財産の使用収益等に一定の制約が課されているものなど、他の財産に比べて物納許可後の財産の売却等がしにくいと考えられることから、他に物納に充てるべき適当な価額の財産がある場合はこれを物納に充てることができないこととされています(相続税法41条4項)。
     したがって、他に物納に充てるべき適当な価額の財産があると認められるにもかかわらず、物納劣後財産が物納申請されてきた場合には、この物納申請は却下されることになります(相続税法42条2項)。
  2. ただし、(1)物納申請者において物納劣後財産を物納に充てることについてやむを得ない事情があると税務署長が判断した場合や、(2)相続財産の中で物納申請の際に現に有するもののうちに物納に充てることのできる適当な価額の財産がない場合については、他に物納に充てるべき適当な財産がある場合であっても、物納劣後財産を物納に充てることができることとされています。
     この場合には、物納申請書の提出に当たって別紙「物納劣後財産を物納に充てる理由書」を併せて提出し、その理由等を明らかにする必要があります。
     また、相続財産の中で物納申請の際に現に有するもののうちに物納劣後財産に該当するもの以外の財産がない場合も当然に物納劣後財産を物納に充てることができることとなります(相続税法41条4項)。
  3. 物納劣後財産を物納に充てることができる場合であっても、その財産が管理処分不適格財産に該当する場合は、物納が認められません(相続税法施行令19条)。