(回答)

  1. 物納申請書に添付して提出された物納手続関係書類の内容に不備又は不足書類があった場合や、物納手続関係書類の全部又は一部の提出がされず、かつ、物納手続関係書類提出期限延長届出書の提出もない場合には、税務署長から物納手続関係書類の訂正又は提出を求める旨の「補完通知書」が送付されます(相続税法42条8項、9項)。
     この通知書を受け取った日の翌日から起算して20日以内(これを「補完期限」といいます。)に、物納手続関係書類を訂正又は提出する必要があります。 この補完期限までに物納手続関係書類の訂正又は提出がなければ、物納申請は取り下げられたものとみなされます(相続税法42条10項)。
  2. 上記1の補完期限までに、物納手続関係書類を訂正又は提出できない場合には、「物納手続関係書類補完期限延長届出書」を提出することにより、補完期限を延長することができます(相続税法42条11項)。
     この補完期限の延長に当たっては、訂正等が求められた書類の訂正内容等を踏まえて、ご自身で補完期限の延長期間を検討した上、最長3か月の範囲内で延長する期限を決定し、届出書に記載してください。
  3. また、この延長した補完期限までに物納手続関係書類の訂正等ができない場合は、再度「物納手続関係書類補完期限延長届出書」を提出することにより、物納手続関係書類の補完期限を再延長することができます。この場合の延長できる期間も3か月を限度とします。
     このように「物納手続関係書類補完期限延長届出書」を提出することにより、1回について3か月以内を限度として、物納手続関係書類の補完期限を申請者が補完通知書を受けた日の翌日から起算して1年を超えない範囲まで延長することができますので、この期間内に物納手続関係書類を訂正等することができます(相続税法42条12項、13項)。
  4. ただし、延長した補完期限において書類の訂正等が全く行われず、補完期限の延長届出書の提出もない場合や、最終の延長した補完期限において書類の訂正等が未了である場合には、物納申請は却下されることになりますので、留意が必要です。
  5. なお、申請者において書類の補完等を行った期間(補完通知を受けた日の翌日から補完期限(延長された場合は延長後の補完期限)まで)については、利子税(年4.4%)がかかります(相続税法53条1項、2項)。

※ 利子税の割合は、基準時点の公定歩合が年0.4%である場合に適用される割合を示しています。