江戸時代、江戸幕府や、藩主・旗本などの領主は、農民には年貢、商工業者には運上・冥加と呼ばれる税を課していました。
 明治時代に入り、明治6年(1873)から政府は年貢から地租への税制の大きな転換(地租改正)を図ります。他方、運上・冥加は、当初江戸時代の制度を継承し、国・地方とも課税を行いましたが、明治8年に雑税整理が行われ、明治11年の地方税規則制定により、地方税としての営業税・雑種税となりました。
 その後、拡大する国の財源を確保するため、地方の営業税の対象とされていた多くの事業を対象とする国税としての営業税が明治29年創設されました。大正15年(1926)には、営業税は営業収益税に改められ、すでに国税の中心となっていた所得税(明治20年創設)を補完するなど時代によって変化しました。
 今回の特別展示では、「営業税が国税であった時代」と題して、国税としての営業税が登場した明治中期から、戦後に地方へ移譲されるまでの半世紀にわたる税制や執行体制の変遷を紹介します。

営業税の流れ

営業税・営業収益税の税収額の推移

  明治30年度(1897) 構成比 昭和2年度(1927) 構成比 昭和16年度(1941) 構成比
第1位 地租 37,965(千円) 37.6% 酒税 242,037(千円) 24.7% 所得税 1,401,363(千円) 31.0%
第2位 酒税 31,105(千円) 30.8% 所得税 215,070(千円) 21.9% 臨時利得税 997,905(千円) 22.1%
第3位 煙草税 4,935(千円) 4.9% 砂糖消費税 79,286(千円) 8.1% 法人税 530,782(千円) 11.8%
営業税・営業収益税 営業税 4,416(千円) 4.4% 営業収益税 48,050(千円) 4.9% 営業税 87,185(千円) 1.9%
国税の総収入 1 100,884(千円) 100.0% 2 980,124(千円) 100.0% 3 4,515,596(千円) 100.0%

※関税などを除く

【営業税の摘要】

  • 1 明治29年に営業税の大部分が国税に移される。
  • 2 大正15年(1926)の税制改正で営業収益税となる。
  • 3 昭和15年の税制改正で地方営業税とともに営業税となる。この時営業税は、同年に創設された地方分与税制度により、地租・家屋税とともに道府県に分与(還付)されることとなった。※営業税は、昭和22年の税制改正で地方に移され、翌年に現在の事業税に受け継がれた。

目次

営業税が国税であった時代

  1. 国の営業税の創設
  2. 営業税(国税)の執行体制
  3. 営業収益税の時代
  4. 営業税、地方財源となる