地図からたどる絵はがきのコーナー

大田原税務署(栃木県)


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 絵はがきの表面の様式から、明治40(1907)年から大正7(1918)年の作成と推定されます。展示でも解説していますが、右側に那須郡役所、左側に大田原税務署の門標が掲げられています。この絵はがきは明治40年に使用されていますので、それ以前に作成されていることがわかります。
 その後、大田原署は、大正3(1914)年に大田原区裁判所(大正2年4月廃止)の庁舎に移転したことが、「下野新聞」の記事で確認できます。ただ、同署は大正6(1917)年8月に再度移転することになります。これは、同年7月に大田原区裁判所が復活し、元の庁舎に戻ることになったためと考えられます。
 なお、那須郡役所の庁舎は、明治20(1887)年に大田原町の人々が敷地を買い上げて建築費とともに県に献納して建設され、戦後まで県の出先機関として使用されています(『大田原市史』後編)。同書には、この絵はがきとは異なる、郡役所と税務署が併置されている写真が掲載されています。