日野 雅彦
税務大学校
研究部教育官
青色申告制度には青色普及率の推移から次の問題を指摘することができる。
第一に、所得税の青色申告制度の見直しの問題である。所得税の青色普及率は約40年もの間50%台での横ばい推移となっている。青色申告こそが適正申告を実践する理想的な申告方法だとすればこの普及停滞は看過できないと考えられるからである。
第二に、法人税の青色申告制度の存在意義の問題である。青色申告制度が記帳慣行定着のための過渡的制度であるとするならば、90%程度に達した今日の青色普及率は法人税の青色申告制度の役割の終焉を告げるものと考えられ、一般的な記帳義務制度(以下「一般記帳制度」という。)に切り替えるべきと考えられるからである。
以上の問題意識に基づき、本研究は、青色申告制度の意義と今後の在り方を検討する。
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