令和6年分の年末調整では、年末調整時点の定額減税額(年調減税額)を算出し、年間の所得税額から年調減税額の控除(年調減税事務)を行う必要があります。定額減税の概要については「定額減税特設サイト」の「定額減税について」を、年調減税事務の概要や流れについては「令和6年分年末調整についてのお知らせ」の3ページをご確認ください。

年調減税事務を行う際には「年末調整計算シート」や「令和6年分年末調整計算表」をご使用いただくと便利です!
 国税庁では、定額減税の計算に対応した「年末調整計算シート」及び「令和6年分年末調整計算表 」(以下「年調計算表」といいます。)を作成しています。

扶養控除等(異動)申告書の受理と内容の確認

※ 「年末調整のしかた」は8ページからご覧ください。

※ 記載のしかたについては記載例又は動画(※準備中)をご覧ください。

 給与所得者は「扶養控除等申告書」を、その年の最初の給与の支払を受ける日の前日までに提出することになっています。
 なお、控除対象扶養親族であった人の就職、結婚などにより控除対象扶養親族の数が減少した場合など、年の中途で「扶養控除等申告書」の記載内容に変更があった場合には、その都度、「異動申告書」を提出することになっています。
 年末調整においては、扶養控除等申告書の情報から、扶養控除等の額(扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除)及び年調減税額の計算に含める扶養親族の人数を確認することとなりますので、まだ申告書が提出されていない場合や、控除対象扶養親族等に異動があって「異動申告書」の提出がされていない場合は、早急に提出をしてもらいましょう。

 まず、給与所得者から提出された扶養控除等申告書から、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除に該当する人がいるかどうかを確認します。

※ 控除対象扶養親族、特定扶養親族、老人扶養親族、同居老親等、障害者(特別障害者)、同居特別障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生、国外居住親族などの用語の説明については「各種控除額の確認」をご覧ください。

【設例】

〔扶養控除等申告書〕

※ 記載のしかたの詳細については記載例又は動画(※準備中)をご覧ください。

 この場合、一般の控除対象扶養親族が3人で、特定扶養親族と一般の障害者と同居老親等に当たる人がいるため、年末調整のしかたの64ページにある、「令和6年分の扶養控除額及び障害者等の控除額の合計額の早見表」に当てはめると、扶養控除額及び障害者等の控除額の合計額は186万円になります。

※ 一郎くんは国外居住親族に該当するため、親族関係書類及び送金関係書類を提出又は提示する必要があります。

※ 「扶養控除及び障害者等の控除額の合計額」の計算を簡単に行うことができる「年末調整計算シート」(Excel)はこちらからダウンロードできます。

求めた控除額186万円は年調計算表の18欄に記載します。

 その後、年調減税額について確認します。
 給与所得者の合計所得金額が1,805万円以下である場合に年調減税の対象となります。
 この設例の場合、山川太郎さんの合計所得金額は、「基礎控除申告書」から6,973,000円となることが確認できますので、山川太郎さんは年調減税の対象となります。
 また、控除対象扶養親族が3人、16歳未満の年少扶養親族が1人となりますが、一郎くんは、国外居住親族(非居住者)に該当するため、年調減税額の計算に含めることはできません。
 したがって、太郎さんの年調減税額の計算に含めることができる扶養親族は、隆雄さん、二郎くん、三郎くんの3人となりますので、年調計算表の「【定額減税額の計算】」の「扶養親族定額減税対象」欄に3人と記載します。

※ 明子さんを年調減税額の計算に含める場合は、「配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書」の提出が必要となります。明子さんに係る定額減税については、「配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書の受理と内容の確認」で説明します。

〔年調計算表〕

<参考:扶養控除等の額>

○ チェック項目
□ 扶養控除等申告書を提出できる人で、提出漏れとなっている人はいませんか。

□ 本年中に控除対象扶養親族等に異動があった人について、扶養控除等異動申告書が提出されていますか。

□ 控除対象扶養親族、障害者控除の対象となる同一生計配偶者の合計所得金額は48万円以下となっていますか。

□ 特定扶養親族、老人扶養親族等の判定は正しく行われていますか。

□ 控除対象扶養親族の年齢は16歳以上(平成21年1月1日以前生)となっていますか。

□ 控除対象扶養親族、障害者控除の対象となる同一生計配偶者が所得者本人と別居している場合、その所得者が控除対象扶養親族等に常に生活費等の送金を行うなど、生計を一にする事実がありますか。

□ 寡婦、ひとり親の判定は正しく行われていますか。

□ 控除対象者が国外居住親族である場合、親族関係書類(一定の場合には親族関係書類に加えて留学ビザ等書類)及び送金関係書類又は38万円送金書類の提出又は提示を受けましたか。

□ 年調減税額の計算に含める扶養親族について、正しく申告されていますか。

基礎控除申告書の受理と内容の確認

※ 「年末調整のしかた」は17ページからご覧ください。

※ 記載のしかたについては記載例又は動画(※準備中)をご覧ください。

 「基礎控除」とは、所得者の合計所得金額が2,500万円以下である場合に、その所得者の合計所得金額に応じて最大48万円が控除されるものです。
 年末調整において「基礎控除」を適用するためには、給与所得者から「基礎控除申告書」を必ず提出していただく必要があります。
 また、年調減税の対象の判断に当たっては、給与所得者の合計所得金額を確認する必要がありますが、給与所得以外の所得を含めた合計所得金額は、この「基礎控除申告書」から確認することができます。

(注) 1 年調減税の対象の判断に当たり、「基礎控除申告書」の提出がない場合(住宅借入金等特別控除申告書の提出により所得金額を把握できる場合を除きます。)には、メール、口頭など適宜の方法により、給与所得者から合計所得金額の通知を受ける必要があります。
 2 給与所得者の合計所得金額が1,805万円以下である場合は年調減税の対象となります。

「基礎控除申告書」の提出漏れに注意してください!

〔基礎控除申告書〕

【設例】

※ 記載のしかたの詳細については記載例又は動画(※準備中)をご覧ください。

 この場合、「基礎控除の額」欄に48万円と記載されていますので、年調計算表の19欄には基礎控除の額48万円を転記します。

 また、「判定」欄の「A」に該当し、「本人定額減税対象」欄にチェックが付けられていますので、年調計算表の「【定額減税額の計算】」の「本人定額減税対象」欄にチェックを付けます。

〔年調計算表〕

○ チェック項目
□ 基礎控除の適用を受ける人から基礎控除額が記載された基礎控除申告書の提出を受けましたか。
□ 年調減税の対象の判断に当たって、給与所得者の合計所得金額を基礎控除申告書等から確認しましたか。

配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書の受理と内容の確認

※ 「年末調整のしかた」は18ページからご覧ください。

※ 記載のしかたについては記載例又は動画(※準備中)をご覧ください。

 「配偶者控除」とは、給与所得者本人の合計所得金額が1,000万円以下で、その給与所得者本人と生計を一にする配偶者の合計所得金額が48万円以下である場合に受けられる控除です。
 「配偶者控除」は、給与所得者本人の合計所得金額に応じて38万円を限度として控除されます。

 なお、配偶者が70歳以上の場合は、「老人控除対象配偶者」となり、48万円を限度として控除されます。

 「配偶者特別控除」とは、給与所得者本人の合計所得金額が1,000万円以下で、その給与所得者本人と生計を一にする配偶者の合計所得金額が48万円を超え、133万円以下である場合に受けられる控除です。
 「配偶者特別控除」は、給与所得者本人の合計所得金額と配偶者の合計所得金額に応じて38万円を限度として控除されます。
 年末調整において「配偶者控除」又は「配偶者特別控除」及び同一生計配偶者に係る定額減税を受けるためには、給与所得者から「配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書」を必ず提出していただく必要があります。

〔配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書〕

【設例】

※ 記載のしかたの詳細については記載例又は動画(※準備中)をご覧ください。

 この場合、「配偶者控除の額」欄に38万円と記載されており、「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額」欄には40万円と記載されていますので、年調計算表の17欄には配偶者控除の額38万円を転記し、「配偶者の合計所得金額」欄には40万円と転記します。

※ 給与所得者の合計所得金額の見積額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除又は配偶者特別控除を受けることができません。

 また、「基礎控除申告書」の「本人定額減税対象」欄にチェックが付けられており、 この申告書の「判定」欄の「②」及び「配偶者定額減税対象」欄にチェックが付けられていますので、年調計算表の「【定額減税額の計算】」の「配偶者定額減税対象」欄にチェックを付けます。

※ 定額減税を受けることができるのは、合計所得金額の見積額が1,805万円以下である居住者の配偶者のうち、合計所得金額が48万円以下の居住者である同一生計配偶者となります。

〔年調計算表〕

○ チェック項目
□ 配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受ける場合、所得者本人の合計所得金額は、1,000万円以下ですか。

□ 配偶者の合計所得金額だけでなく、所得者の合計所得金額に応じて配偶者控除額、配偶者特別控除額の計算が正しく行われていますか。

□ 配偶者が国外居住親族である場合、親族関係書類及び送金関係書類の提出又は提示を受けましたか(扶養控除等申告書を提出する際に、親族関係書類を提出又は提示している場合は、親族関係書類の提出又は提示は不要です。)。

□ 年調減税額の計算に含める同一生計配偶者について、正しく申告されていますか。

所得金額調整控除申告書の受理と内容の確認

※ 「年末調整のしかた」は20ページからご覧ください。

※ 記載のしかたについては記載例又は動画(※準備中)をご覧ください。

 「所得金額調整控除」とは、年末調整の対象となる給与の収入金額が850万円を超える人が、23歳未満の扶養親族を有する場合や、所得者本人が特別障害者である場合、又は扶養親族や同一生計配偶者が特別障害者である場合に適用される控除です。年末調整において「所得金額調整控除」を適用するためには、給与所得者から「所得金額調整控除申告書」を必ず提出していただく必要があります。
 控除額は給与の支払者が次の計算式により計算し、15万円を限度として給与所得の金額から控除します。

〔所得金額調整控除申告書〕

【設例】

※ 記載のしかたの詳細については記載例又は動画(※準備中)をご覧ください。

 この場合、年末調整の対象となる給与の収入金額が897万円(※)ですので、850万円を超えており、「要件」欄の「扶養親族が年齢23歳未満」にチェックがされ、「扶養親族等」欄には二郎くんの氏名などが記載されていますので、所得金額調整控除の適用を受けることができます。
 所得金額調整控除額は、年末調整の対象となる給与の総額を計算した後に計算しますので、「所得金額調整控除申告書」を確認し、控除の適用がある場合は年調計算表に所得金額調整控除の適用がある旨を記載しておくと便利です。
 所得金額調整控除の適用がある場合は、所得金額調整控除額を年調計算表の10欄で計算します。

※ 上記の設例では、一か所から給与の支払を受けていることを前提としています。基礎控除申告書の給与所得の欄は、年末調整の対象とならない他の支払者からの給与についても記載することとされていますのでご注意ください。

〔年調計算表〕

○ チェック項目
□ 年末調整の対象となる給与の収入金額が850万円を超える人から、正しく記載された申告書の提出を受けていますか。

保険料控除申告書の受理と内容の確認

※ 「年末調整のしかた」は21ページからご覧ください。

※ 記載のしかたについては記載例又は動画(※準備中)をご覧ください。

 生命保険料や地震保険料については「保険料控除申告書」に基づいて控除を行います。また、社会保険料や小規模企業共済等掛金のうち、毎月の給与から差し引かれていない保険料等で、給与所得者本人が直接支払った保険料等についても、「保険料控除申告書」に基づいて控除を行います。

○ 生命保険料控除
  支払った保険料が、

  • 一般の生命保険料(新契約・旧契約)
  • 個人年金保険料 (新契約・旧契約)
  • 介護医療保険料

 のいずれに該当するかは、生命保険会社などが発行した証明書類で確認することができます。

※ 新契約と旧契約の双方に加入している場合は、旧契約の支払保険料等の金額によって控除額の計算方法が変わります。

  • 旧契約の保険料が6万円超の場合:旧契約の支払保険料等の金額に基づいて計算した控除額(最高5万円)
  • 旧契約の保険料が6万円以下の場合:新契約と旧契約両方で計算した場合の控除額(最高4万円)

 また、一般の生命保険料の控除額、個人年金保険料の控除額及び介護医療保険料の控除額の合計が12万円を超えたとしても、生命保険料控除額は最高12万円となります。

〔証明書類〕

 「保険料控除申告書」を提出する際は、旧契約の一般の生命保険料で一つの契約の保険料の金額が9,000円以下であるものを除き、証明書類の添付等が必要となりますので注意してください。

○ 地震保険料控除

 地震保険料に係る控除額は最高5万円です。
 旧長期損害保険料に係る控除額は、最高1万5,000円です。
 一つの契約に基づく保険料や掛金が、地震保険料と旧長期損害保険料のいずれにも該当する場合には、いずれか一方を選択して地震保険料控除の計算を行います。

 また、地震保険料控除額は、地震保険料の控除額と、旧長期損害保険料の控除額とを合わせて、最高5万円となります。

〔証明書類〕

 「保険料控除申告書」を提出する際は、支払った保険料の額に関係なく、保険料を支払ったことの証明書類が必要です。

○ 社会保険料控除及び小規模企業共済等掛金控除

 毎月の給与から差し引かれていない保険料等で本人が直接支払った保険料等についても、その全額を控除することができます。

〔証明書類〕

 本人が直接支払った保険料等で次のもの

  • 社会保険料控除
  • 国民年金及び国民年金基金に係る保険料・掛金

  • 小規模企業共済等掛金
  • 全ての掛金

※ 証明書類の提出又は提示について ※

 保険料控除申告書に記載すべき事項を電子データにより給与の支払者に提供する場合には、この保険料控除申告書に添付すべき証明書類の提出又は提示に代えて、その証明書類に記載されるべき事項を保険料控除申告書に記載すべき事項と併せて電子データにより給与の支払者に提供することができます。

https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho_01.htm

【設例】

〔保険料控除申告書〕

※ 記載のしかたの詳細については記載例又は動画(※準備中)をご覧ください。

 この場合、生命保険料控除の「生命保険料控除額計(イロハ)」欄に12万円と記載されていますので、この金額を年調計算表のN欄に転記します。
 次に「地震保険料控除額」欄に5万円と記載されており、「旧長期損害保険料の金額の合計額」欄には1万4,800円と記載されていますので、年調計算表の16欄には地震保険料控除額5万円を転記し、「旧長期損害保険料支払額」欄には1万4,800円を転記します。

〔年調計算表〕

○ チェック項目

〔生命保険料控除〕

□ 保険金又は年金の受取人は、生命保険料控除の対象となる一定の範囲内の人となっていますか。

□ 申告された保険料は、所得者本人が支払ったものですか。

□ 分配を受けた剰余金や割戻しを受けた割戻金は、支払った保険料の額から差し引かれていますか。

□ 新生命保険料、旧生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料、旧個人年金保険料の区分を適正にし、控除額の計算が正しくされていますか。

□ 保険料を支払ったことが分かる証明書類がありますか。

  • 旧生命保険料…一契約の支払保険料が9,000円超のもの
  • 旧生命保険料以外のもの…全ての支払保険料

〔地震保険料控除〕

□ 所得者本人又は本人と生計を一にする親族が所有して常時居住している家屋やこれらの人が所有している生活に通常必要な家財を保険の目的としていますか。

□ 地震保険料と旧長期損害保険料の区分が正しくされていますか。

□ 保険料を支払ったことが分かる証明書類がありますか。

〔社会保険料控除〕

□ 申告された保険料は、社会保険料控除の対象となるものですか。

□ 所得者本人又は所得者と生計を一にする親族が負担することになっている社会保険料で所得者本人が支払ったものですか。

  • 年金から特別徴収された介護保険の保険料や後期高齢者医療制度の保険料は、年金の受給者自身が支払ったものであるため、年金の受給者に社会保険料控除が適用されます。

□ 国民年金の保険料又は国民年金基金の掛金について、支払ったことが分かる証明書類がありますか。

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書の受理と内容の確認

※ 「年末調整のしかた」は29ページからご覧ください。

※ 記載のしかたについては記載例又は動画(※準備中)をご覧ください。

 住宅借入金等特別控除とは、住宅借入金等の年末残高に応じて、一定額を税額から直接差し引くことができる控除です。
 最初の年分は給与所得者本人が確定申告により適用を受ける必要がありますが、2年目以降は年末調整の際に適用を受けることができますので、年末調整の時までに「住宅借入金等特別控除申告書」の提出を受けてください。なお、「住宅借入金等特別控除申告書」は、控除を受けることとなる各年分のものを一括して税務署から給与所得者本人に送付しています。

【設例 平成30年以前に居住を開始した人】

〔(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書〕

※ 記載のしかたの詳細については記載例をご覧ください。

※ 令和元年以降に居住を開始した人は、「住宅借入金等特別控除申告書」の様式が異なりますので、記載例又は動画(※準備中)をご覧ください。

 この場合、「住宅借入金等特別控除額」欄に12万6,500円と記載されていますので、この金額を年調計算表の23欄に転記します。

〔年調計算表〕

○ チェック項目
□ 住宅の取得等をした人と申告者(所得者本人)が同一人ですか。

□ 居住の用に供した後、本年12月31日まで引き続き居住していますか。

□ 借入れ等をしている者と申告者(所得者本人)が同一人ですか。

□ 控除額の計算は正しく行われていますか。

□ (特定増改築等)住宅借入金等特別控除は、算出所得税額の金額を限度としていますか。

□ (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額が算出所得税額を超える場合、給与所得の源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除可能額」欄に当該控除額を記入しましたか。

給与と徴収税額の集計

※ 「年末調整のしかた」は34ページからご覧ください。

※ 動画はこちら(※準備中)からご覧ください。

 各種控除額の確認が終了すると、次は年間の給与総額について納めなければならない税額、年税額を計算します。
 ここでは、年税額の計算手順について、源泉徴収簿及び年調計算表にしたがって確認していきます。

 まず、給与と徴収税額を集計します。
 1年間の給与と毎月の給与から差し引かれた源泉徴収税額(令和6年6月以後支払の給与については定額減税(月次減税)した後の税額)や社会保険料等を集計します。

【設例】

〔源泉徴収簿及び年調計算表〕

※ 本年最後に支払う給与(12月賞与)についての税額計算を省略して年末調整を行う場合

 この場合、年間の給与と賞与を合わせた総額は897万円、源泉徴収税額は5万700円、給与から差し引かれた社会保険料等は138万6,102円となります。

集計に当たってのポイント

○ 未払となっている給与であっても、本年中に支給日が到来して支払が確定したものについては集計の対象に加えます。

○ 年の中途で再就職した人については、前の勤務先の給与、その給与から差し引かれた源泉徴収税額や社会保険料も一緒に集計する必要があります。

○ 源泉徴収税額の集計をする際は、月次減税後の税額を集計します。

 その他の集計に当たっての注意事項について、詳しくは「年末調整のしかた」(34ページ)をご覧ください。

給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)の計算

※ 「年末調整のしかた」は35ページからご覧ください。

※ 動画はこちら(※準備中)からご覧ください。

 1年間の給与などの集計を行ったら、次は、「給与所得控除後の給与等の金額」を計算します。
 求めた給与の総額を年末調整のしかたの51ページにある「令和6年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」に当てはめ、給与所得控除後の給与等の金額を求めます。

 所得金額調整控除額がある場合は、この給与所得控除後の給与等の金額から、所得金額調整控除額を差し引いた金額がその人の給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)になり、所得金額調整控除額がない場合には、年調計算表の9欄の「給与所得控除後の給与等の金額」がそのまま11欄の「給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)」になります。

※ 「給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)」の計算を簡単に行うことができる「年末調整計算シート」(Excel)はこちらからダウンロードできます。

【設例】

〔年調計算表〕

 この場合、給与等の総額が897万円ですので、この表に従って計算すると、給与所得控除後の給与等の金額は、702万円となります。
 また、所得金額調整控除の適用がありますので、所得金額調整控除額4万7,000円を控除した697万3,000円が給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)となります。

課税給与所得金額と算出所得税額の計算

※ 「年末調整のしかた」は37ページからご覧ください。

※ 動画はこちら(※準備中)からご覧ください。

 「給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)」を求めたら、次は、「課税給与所得金額」について、年調計算表を使用して計算します。
 年調計算表の12欄から19欄の控除額を合計し、この合計額を「所得控除額の合計額20」欄に記入します。

〔年調計算表〕

 「給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)11」欄の金額から「所得控除額の合計額20」欄の金額を控除した残りの金額を「差引課税給与所得金額21」欄に記入します。
 この課税給与所得金額に1,000円未満の端数があるときは、その1,000円未満の端数を切り捨てます。

【設例】

〔年調計算表〕

 この場合、12欄から19欄までの欄に転記した控除額を集計すると所得控除額の合計額は、427万6,102円となります。

 次に、「差引課税給与所得金額」と「算出所得税額」を計算します。
 まず、差引課税給与所得金額を求め、「差引課税給与所得金額21」欄の金額(課税給与所得金額)に応じ、「令和6年分の年末調整のための算出所得税額の速算表」(60ページ参照)の「税額」欄に示されている算式に従って所得税額(以下「算出所得税額」といいます。)を計算します。

※ 「課税給与所得金額と算出所得税額」の計算を簡単に行うことができる「年末調整計算シート」(Excel)はこちらからダウンロードできます。

【設例】

〔年調計算表〕

 この場合、給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)の697万3,000円から、所得控除額の合計額427万6,102円を差し引き、1,000円未満を切り捨てた269万6,000円が、差引課税給与所得金額になります。
 次に、差引課税給与所得金額269万6,000円を、速算表に当てはめて計算すると、算出所得税額は17万2,100円となります。
 求めた算出所得税額を「算出所得税額22」欄に記入します。

年調年税額の計算

※ 「年末調整のしかた」は38ページからご覧ください。

※ 動画はこちら(※準備中)からご覧ください。

 算出所得税額を求めたら、次は、「年調年税額」を計算します。
 まず、年調所得税額を求めます。(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額がある場合は、先ほど求めた算出所得税額から、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額を差し引いた後、次のとおり年調減税額の控除を行います。

「年調減税額」の控除を忘れずに行ってください!
  1. 1 年末調整の際に定額減税の対象となる人

      年末調整の対象となる人が、原則として、年調所得税額((特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合には、その控除後の金額をいいます。)から年調減税額を控除する対象者となります。

     ※ 基礎控除等申告書等により把握した給与所得以外の所得を含めた合計所得金額が1,805万円を超えると見込まれる方は、年調減税を受けることができません。

  2. 2 年調減税額の計算

      給与所得者から提出された扶養控除等申告書、配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書に記載された、年末調整を行う時の現況における扶養親族及び同一生計配偶者の人数(いずれも居住者に限ります。)を確認し、年調減税額を次のとおり計算します。

  3.  年調減税額 = 本人分3万円 + 同一生計配偶者と扶養親族1人につき3万円

  4. 3 年調減税額の控除

      年調所得税額から上記2の年調減税額を差し引きます。

     ※ 年調減税額の控除は年調所得税額を限度に行います。

 その後、年調減税額控除後の年調所得税額に102.1%を乗じて、復興特別所得税額を含む年調年税額を算出します。
年調年税額に100円未満の端数がある場合には、これを切り捨てます。

【設例】

 この場合、算出所得税額17万2,100円から、住宅借入金等特別控除額12万6,500円を差し引くと、年調所得税額は4万5,600円となります。
 年調所得税額から年調減税額を控除しますが、この設例の場合、年調所得税額4万5,600円よりも年調減税額15万円の方が大きいため、年調減税額控除後の年調所得税額及び年調年税額は0円となります。
 なお、年調減税額15万円のうち控除しきれない部分の金額10万4,400円は控除外額となります。

※ 「年調年税額」の計算を簡単に行うことができる「年末調整計算シート」(Excel)はこちらからダウンロードできます。

過不足額の精算

※ 「年末調整のしかた」は39ページからご覧ください。

※ 動画はこちら(※準備中)からご覧ください。

 年調年税額を求めたら、最後は過不足額の精算を行います。
 年調年税額と、毎月の給与から実際に源泉徴収した税額の合計額を比べ、過不足額を精算します。
 源泉徴収した税額の合計額が年調年税額よりも多いときは、その差額分だけ納め過ぎていたことになりますから、その差額(過納額)は、その過納となった人に還付します。

 これに対し、源泉徴収した税額の合計額が年調年税額よりも少ないときは、その差額だけ納め足りないことになりますから、その差額(不足額)はその不足となった人から徴収します。

【設例】

 この場合、源泉徴収税額は5万700円で、年調年税額は0円ですから、源泉徴収税額の方が多いことになります。
 源泉徴収税額の方が年調年税額より多いときは、その差額を納めすぎていたことになりますので、差額の5万700円は本人に還付することになります。

(参考)
年末調整による過不足額の精算方法には、
イ本年最後に支払う給与(賞与を含みます。)についての税額計算を省略し、その給与に対する徴収税額はないものとして精算する方法(設例)と、
ロ本年最後に支払う給与についても、通常の月分の給与としての税額計算を行った上で精算する方法(設例)とがあります。

過納額の還付

※ 「年末調整のしかた」は39ページからご覧ください。

〇 源泉徴収義務者(給与の支払者)から還付する場合

  • 1 過不足額を計算した結果、過納額が生じた場合には、年末調整を行った月分(通常は12月分。納期の特例の承認を受けている場合には、本年7月から12月までの分。)として納付する「給与、退職手当及び弁護士、司法書士、税理士等に支払われた報酬・料金に対する源泉徴収税額」のうちから差し引き、過納となった人に還付します。
  • 2 年末調整を行った月分の源泉徴収税額のみでは還付しきれないときは、その後に納付する「給与、退職手当及び弁護士、司法書士、税理士等に支払われる報酬・料金に対する源泉徴収税額」から差し引き順次還付します。
  • 3 超過額を源泉徴収税額へ充当した場合や過納額を還付した場合には、その内容を年調計算表の該当欄(2731)に記入します。

〇 税務署から還付する場合(給与の支払者が還付できない場合)

1 次の場合のように、「給与、退職手当及び弁護士、司法書士、税理士等に支払われた報酬・料金に対する源泉徴収税額」がないか、あってもごくわずかであるため、過納額の還付をすることができないときは、税務署から

  • 源泉徴収義務者に一括して還付
  • 又は

  • 過納となった各人に直接還付
  • することになります。

  • 1 解散、廃業などにより給与の支払者でなくなったため、過納額の還付ができなくなった場合
  • 2 徴収して納付する税額が全くなくなったため、過納額の還付ができなくなった場合
  • 3 納付する源泉徴収税額に比べて過納額が多額であるため、還付することとなった日の翌月から2か月を経過しても還付しきれないと見込まれる場合

2 上記1の1から3までのいずれかに該当する場合には、源泉徴収義務者は、各人の過納額や還付を受けようとする金額の明細を記載した「源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額還付請求書 兼 残存過納額明細書」を作成し、各人の「源泉徴収簿」及び「年調計算表」の写しと過納額の請求及び受領に関する委任状とをこれに添付して、源泉徴収義務者の所轄税務署に提出してください。
 なお、過納額を令和7年に繰り越して還付しているときは、令和7年分の源泉徴収簿の写しも併せて提出してください。
 また、退職した人などで、前記の委任状の提出ができない人の分については、税務署から過納となった人に直接還付することになりますので、「源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額還付請求書 兼 残存過納額明細書」は用紙を別にして作成してください。

(注) 「源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額還付請求書 兼 残存過納額明細書」、「源泉徴収簿」及び「年調計算表」の写し及び並びに委任状については、e−Taxで送信することができます。

不足額の徴収、納付

※ 「年末調整のしかた」は40ページ及び47ページをご覧ください。

〇不足額の徴収

 不足額は、年末調整をする月分の給与から徴収し、なお不足額が残るときは、その後に支払う給与から順次徴収します。
 年末調整をする月分の給与から不足額を徴収すると、その月の税引手取給与(賞与がある場合には、その税引手取額を含みます。)が、本年1月から年末調整を行った月の前月までの税引手取給与の平均月額の70%未満となるような人については、「年末調整による不足額徴収繰延承認申請書」を作成して源泉徴収義務者の所轄税務署に提出し、その承認を受けて、不足額を翌年1月と2月に繰り延べて徴収することができます。

(注) この場合の不足額は、年末調整をする月分の給与(賞与)に対する税額計算を省略しないで通常どおり徴収税額を計算し、その上で年末調整をしてもなお不足となる税額ですから、その月の給与に対する通常の税額については徴収繰延べは認められません。
 したがって、徴収繰延べを受けようとする人については、年末調整をする月分の給与(賞与)についても通常の税額計算をした上で年末調整を行わなければなりません。

〇税額の納付と所得税徴収高計算書(納付書)の記載

 不足額の精算が終わりましたら、その内容を年末調整をした月分の「所得税徴収高計算書」(納付書)に記載し、徴収税額を納付します。

 記載方法については、記載のしかたをご覧ください。

 なお、精算の結果、納付すべき税額がなくなった場合でも、納付税額0円の「所得税徴収高計算書」を所轄の税務署に提出する必要がありますので、ご注意ください。

※ 税務署では令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行わないこととしており、納付税額がない「所得税徴収高計算書」の写しについても同様の取扱いとなります。
 詳細は「令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて」をご覧ください。

 また、源泉所得税の納付や納付税額0円の「所得税徴収高計算書」の提出について、e−Taxダイレクト納付の利用をすれば、自宅やオフィス、税理士事務所などから簡単に行うことができますので、是非ご利用ください。

<令和6年分の年末調整に係る源泉所得税及び復興特別所得税の納期限>
納期の特例の承認を受けていない場合 令和7年1月10日(金)
納期の特例の承認を受けている場合 令和7年1月20日(月)

給与所得の源泉徴収票の作成

※「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引(以下、「手引」といいます。)」は3ページからご覧ください。

 給与の支払者は、受給者(従業員)の各人別に「給与所得の源泉徴収票」(以下、「源泉徴収票」といいます。)を作成する必要があります。この「源泉徴収票」の作成に当たっては、年末調整の際に作成した年調計算表や受給者(従業員)から提出を受けた「保険料控除申告書」などの各種申告書を基に、必要な事項を記載します。
 「源泉徴収票」は、e-TaxやeLTAXでも作成いただけます。
 e-TaxやeLTAXを利用いただくと、自宅やオフィスから、パソコンの画面案内に沿って必要事項を入力するだけで、作成から送信まで手続ができますので、大変便利です。
 なお、e-TaxやeLTAXを初めて利用するには事前の手続きが必要です。初めて利用する方は、以下のリンクを参照いただき、必要な手続を行ってください。

 e-Tax又はeLTAXで源泉徴収票の作成・送信を行う場合は、以下のリンク先で作成要領を案内していますので、そちらをご確認ください。

 また、eLTAXを利用すると税務署及び市区町村へ提出する必要がある以下の書類を、一括して作成・送信が可能ですので、是非ご利用を検討ください(参考:給与・公的年金等の支払報告書及び源泉徴収票のeLTAXでの一括作成・提出(電子的提出の一元化)について)。

〇 税務署
 ・ 給与所得の源泉徴収票
 ・ 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表 
〇 市区町村
 ・ 給与支払報告書
 ・ 給与支払報告書(総括表)

 e-Tax(※)で給与所得の源泉徴収票を提出することで、従業員の方が所得税の確定申告を国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で作成する際に、マイナポータルと連携することにより、給与所得の源泉徴収票(令和5年分以後の年分に限ります。)の情報が確定申告書の該当項目に自動で入力されるようになります。
 詳しくは、特設ページをご参照ください。

※クラウド等及びeLTAXの「電子的提出一元化機能」を利用して所得税の源泉徴収票を提出した場合も、自動入力の対象になります。

 以下では、上記で年末調整を行った「山川太郎」の事例を基に、源泉徴収票を作成する場合の作成要領をご案内します。

【作成要領】

1  源泉徴収簿及び年調計算表の記載内容から、源泉徴収票に必要事項を記載します。

源泉徴収簿及び年調計算表の(aq)欄の金額等を、源泉徴収票の同じ記号の欄に、以下の要領で記載してください。

〔源泉徴収簿及び年調計算表〕

〇 注意事項

・源泉徴収票の「社会保険料等の金額」(g)については、年調計算表のgの金額の合計額(1,386,102+0+0)を記載します。

・源泉徴収票の「基礎控除の額」(m)については、年調計算表の基礎控除額(m)が48万円の場合、記載は不要です。

・源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除の額」(p)については、年調計算表のpの金額を記載します。ただし、年調計算表で「op」の場合、oを源泉徴収票のpに記載してください。
 この場合、年調計算表のpを源泉徴収票のoに記載してください。

2 「(摘要)」欄に定額減税に関する事項を記載します。
rt欄の金額等を、源泉徴収票の同じ記号の欄に、以下の要領で記載してください。

  • 年末調整をした給与等の場合
    令和6年分所得税の定額減税に関する事項を次のように記載してください。
内容 記載方法
実際に控除した年調減税額 源泉徴収時所得税減税控除済額 ×××円
年調減税額のうち年調所得税額から控除しきれなかった金額 控除外額 ×××円
(注)控除しきれなかった金額がない場合は「控除外額0円」
合計所得金額が1,000万円超の方で、同一生計配偶者を年調減税額の計算に含めた場合 非控除対象配偶者減税有
(注)同一生計配偶者が障害者、特別障害者又は同居特別障害者に該当する場合「減税有」の追記で差し支えありません。
  • 年末調整をしない給与等の場合
    令和6年分所得税の定額減税に関する事項の記載は不要です。

「山川太郎」の年調減税額は、本人分の30,000円と、同一生計配偶者と扶養親族分の120,000円の合計150,000円です。
年調減税額を年調所得税額と比較すると、年調所得税額の45,600円の方が少ないため、源泉徴収票の「(摘要)」欄には、「源泉徴収時所得税減税控除済額 45,600円 控除外額 104,400円」と記載します。

〇 注意事項

・源泉徴収票の「(摘要)」欄に記載する「源泉徴収時所得税減税控除済額」(r)については、年調計算表の「年調所得税額」(r)の金額と「-2年調減税額」(s)の金額が「rs」の場合、sの金額を源泉徴収票のrに記載してください。

3 保険料控除申告書のuy欄の金額を源泉徴収票に転記します。

〔保険料控除申告書〕

〇 注意事項

・記載漏れが多い項目ですので、年調計算表の「生命保険料の控除額」欄に控除額の記載がある場合、必ず「保険料控除申告書」のuy欄から各種保険料の金額を源泉徴収票に転記してください。

4 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」を基に源泉徴収票に必要事項を記載します。

なお、源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除区分」欄(z)には、摘要を受けている(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の区分を次のように記載します。

区分 控除申告書・証明書の表示 記載方法
一般の住宅借入金等特別控除の場合(増改築等を含む。) (元号●年中居住者用)
一般の住宅借入金等特別控除の場合(増改築等を含む。)で住宅が特例居住用家屋に該当するとき (元号●年中居住者・特例居住用家屋用) 住(特家)
認定住宅(等)の新築(取得)等に係る住宅借入金等特別控除の場合 (元号●年中居住者・認定住宅(等)用)
認定住宅等の新築等に係る住宅借入金等特別控除の場合で住宅が特例認定住宅等に該当するとき (元号●年中居住者・認定住宅等(特例認定住宅等)用) 認(特家)
特定増改築等住宅借入金等特別控除の場合 (元号●年中居住者・特定増改築等住宅借入金等特別控除用)
東日本大震災によって自己の居住の用に供していた家屋が居住の用に供することができなくなった場合で、平成23年から令和7年12月31日までの間に新築や購入、増改築等をした家屋に係る住宅借入金等について震災特例法第13条の2第1項「住宅の再取得等に係る住宅借入金等特別控除」の規定の適用を選択した場合 (元号●年中居住者・震災再取得等用)
震災再取得等の適用を選択した場合で住宅が特例居住用家屋に該当するとき (元号●年中居住者・震災再取得等(特例居住用家屋)用) 震(特家)

上記の区分のほか、この控除に係る住宅の新築、取得又は増改築等が

  • ・「特定取得」(特別特定取得以外)に該当する場合には「(特)」
  • ・「特別特定取得」に該当する場合(「特例取得」及び「特別特例取得」を含みます。)には「(特特)」
  • ・「特例特別特例取得」に該当する場合には「(特特特)」

と併記してください。

なお、居住開始が令和5年1月1日以後の場合は、「(特)」、「(特特)」及び「(特特特)」の区分の対象となりませんので併記は不要です。控除証明書への表示もありませんのでご留意ください。

〔(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書〕

〇 注意事項

・「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」は居住開始年により様式が異なります。
 「控除申告書・証明書の区分表示」箇所については、手引の7ページをご覧ください。

5 「配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書」に記載の配偶者の氏名及び個人番号を源泉徴収票に転記します。

〔配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書〕

〇 注意事項

・受給者に交付する源泉徴収票には、個人番号は記載しません。

6 「扶養控除等申告書」に記載の控除対象扶養親族、16歳未満の扶養親族の氏名及び個人番号、受給者(従業員)の住所、氏名、個人番号及び生年月日を源泉徴収票に転記します。

なお、控除対象扶養親族が非居住者である場合には、区分の欄の内容に応じて、次のとおり記載してください。

控除対象扶養親族の分類 記載方法
居住者 00
非居住者(30歳未満又は70歳以上) 01
非居住者(30歳以上70歳未満、留学生※2) 02
非居住者(30歳以上70歳未満、障害者) 03
非居住者(30歳以上70歳未満、38万円以上送金※3) 04

※1 給与所得の源泉徴収票を書面で税務署へ提出する場合は、空欄としてください。

※2 「留学生」とは、留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者をいいます。

※3 「38万円以上送金」とは、扶養控除の適用を受けようとする居住者からその年において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている者をいいます。

※4 30歳以上70歳未満の非居住者が上記02〜04の複数に該当する場合は、いずれかひとつを記載してください。

「山川一郎」については、非居住者(30歳未満又は70歳以上)に該当するため、「区分」欄に「01」を記載します。

〔扶養控除等申告書〕

〇 注意事項

・受給者に交付する源泉徴収票には、個人番号は記載しません。

7 15の記載終了後、源泉徴収票の「支払者」欄に給与の支払者の住所等を記載します。

 以上で「山川太郎」の源泉徴収票が作成できました。
 その他、各項目の記載内容の詳細等については、手引の3ページから10ページに記載がありますので、そちらをご確認ください。

給与所得者への源泉徴収票の交付

 源泉徴収票を作成後、令和7年1月31日までに、全ての受給者に源泉徴収票を交付します(年の中途で退職した方の場合は、退職の日以後1月以内に交付が必要です)。
 全ての受給者には、国内に住所又は1年以上居所を有する居住者である外国人従業員も含まれますので、その外国人従業員にも必ず源泉徴収票を交付してください。
 なお、源泉徴収票は、書面による交付のほか、電磁的方法による提供(電子交付)も可能です。
 詳しくは、「給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A」をご確認ください。

市区町村へ給与支払報告書及び給与支払報告書(総括表)の提出

 市区町村へ提出する「給与支払報告書」は、すべての受給者(従業員)について作成し、受給者(従業員)の令和7年1月1日現在の住所地の市区町村へ、令和7年1月31日までに提出する必要があります。
 給与支払報告書を市区町村に提出する際は、「給与支払報告書(総括表)」を併せて提出します。
 詳しくは、以下の総務省ホームページや各市区町村のホームページをご確認ください。
・ 地方税分野の主な申告手続等における様式(総務省ホームページ) 

税務署へ給与の源泉徴収票及び給与の源泉徴収票等の法定調書合計表の提出

※手引は3ページ31ページから32ページをご覧ください。

 以下の提出範囲に該当する受給者(従業員等)については、源泉徴収票を本人に交付するほか、令和7年1月31日までに、所轄税務署にも源泉徴収票を提出する必要があります。

【給与所得の源泉徴収票の提出範囲】

受給者の区分 提出範囲
年末調整をしたもの

(1) 法人(人格のない社団等を含みます。)の役員(取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事、清算人、相談役、顧問等である方)及び現に役員をしていなくても令和6年中に役員であった方

令和6年中の給与等の支払金額が
150万円を超えるもの

(2) 弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、弁理士、海事代理士、建築士等(所得税法第204条第1項第2号に規定する方)

※ これらの方に給与等として支払っている場合の提出範囲であり、これらの方に報酬等として支払う場合には、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出対象となります。

令和6年中の給与等の支払金額が
250万円を超えるもの

(3) 上記(1)及び(2)以外の方

令和6年中の給与等の支払金額が
500万円を超えるもの
年末調整をしなかったもの

(4) 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出した方

イ 令和6年中に退職した方、災害により被害を受けたため、令和6年中の給与所得に対する源泉所得税及び復興特別所得税の徴収の猶予又は還付を受けた方

令和6年中の給与等の支払金額が
250万円を超えるもの
ただし、法人の役員の場合には
50万円を超えるもの

ロ 主たる給与等の金額が2,000万円を超えるため、年末調整をしなかった方

全部

(5) 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しなかった方
(月額表又は日額表の乙欄若しくは丙欄適用者等)

令和6年中の給与等の支払金額が
50万円を超えるもの

 源泉徴収票を税務署に提出する場合は、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」(以下、「合計表」といいます。)を併せて提出します。
 提出すべき源泉徴収票等が山川太郎の源泉徴収票のみであり、他に給与等の支払がない場合については、以下のとおり記載します。

〇 注意事項

・個人の方が、合計表を税務署の窓口で提出する場合は、マイナンバーカードなどの本人確認書類の提示又は写しの添付が必要となりますので、ご注意ください。

・手書きで合計表を作成される場合には、この合計表は機械で読み取りますので、黒のボールペンで記載してください。

・税務署へ提出する法定調書がない場合は、合計表の「(摘要)」欄に「該当なし」と記載の上、提出をお願いします。
 なお、e-Taxのメッセージボックス及びマイナポータルに「法定調書提出期限のお知らせ」(以下「お知らせ」といいます。)が届いている方で、お知らせを通じて「提出義務なし」と回答した場合には、上記の合計表の提出は必要ありません(お知らせは11月下旬から12月上旬頃に送信されます。)。

・マス目が設けられている欄を記載する際には、マス目の中に丁寧に記載してください。

(注) この欄には、記号・文字(「¥」など)を記載しないでください。