扶養控除等(異動)申告書の受理と内容の確認

※ 「年末調整のしかた」は7ページからご覧ください。

※ 記載のしかたについては記載例又は動画をご覧ください。

 給与所得者は「扶養控除等申告書」を、その年の最初の給与の支払を受ける日の前日までに提出することになっています。
 なお、控除対象扶養親族であった人の就職、結婚などにより控除対象扶養親族の数が減少した場合など、年の中途で「扶養控除等申告書」の記載内容に変更があった場合には、その都度、「異動申告書」を提出することになっています。
 年末調整においては、扶養控除等申告書の情報から、扶養控除等の額(扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除)を確認することとなりますので、まだ申告書が提出されていない場合や、控除対象扶養親族等に異動があって「異動申告書」の提出がされていない場合は、早急に提出をしてもらいましょう。

 給与所得者から提出された扶養控除等申告書から、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除に該当する人がいるかどうかを確認します。

※ 控除対象扶養親族、特定扶養親族、老人扶養親族、同居老親等、障害者(特別障害者)、同居特別障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生、国外居住親族などの用語の説明については「各種控除額の確認」をご覧ください。

【設例】

〔扶養控除等申告書〕

※ 記載のしかたの詳細については記載例又は動画をご覧ください。

 この場合、一般の控除対象扶養親族が3人で、特定扶養親族と一般の障害者と同居老親等に当たる人がいるため、年末調整のしかたの64ページにある、「令和4年分の扶養控除額及び障害者等の控除額の合計額の早見表」に当てはめると、扶養控除額及び障害者等の控除額の合計額は186万円になります。

※ 一郎くんは国外居住親族に該当するため、親族関係書類及び送金関係書類を提出又は提示する必要があります。

※ 「扶養控除及び障害者等の控除額の合計額」の計算を簡単に行うことができる「年末調整計算シート」(Excel)はこちらからダウンロードできます。

◎  控除額の合計額は、「@」欄及び「A」欄により求めた金額の合計額となります(この合計額を、源泉徴収簿の「年末調整」欄の「扶養控除額及び障害者等の控除額の合計額Q」欄に記載します。)。

◎ 「@」欄の控除対象扶養親族の数には、控除対象配偶者(15ページ参照)の数は含みません。

◎ 同一生計配偶者(10ページ参照)に係る障害者控除は、「A」欄に含めて計算します。

◎  配偶者控除額及び配偶者特別控除額については、「令和4年分 給与所得者の配偶者控除等申告書」により求め、源泉徴収簿の「年末調整」欄の「配偶者(特別)控除額P」欄に記載します。

◎  基礎控除額については、「令和4年分 給与所得者の基礎控除申告書」により求め、源泉徴収簿の「年末調整」欄の「基礎控除額R」欄に記載します。

(注)「A」欄のイからトまでの控除額は次のようになっています。

  1. (1) 「イ」欄の750,000円・・・・・障害者控除額(同居特別障害者)の750,000円
  2. (2) 「ロ」欄の400,000円・・・・・障害者控除額(特別障害者)の400,000円
  3. (3) 「ハ」欄の270,000円・・・・・障害者控除額(一般の障害者)、寡婦控除額又は勤労学生控除額の270,000円
  4. (4) 「ニ」欄の350,000円・・・・・ひとり親控除額の350,000円
  5. (5) 「ホ」欄の200,000円・・・・・控除対象扶養親族が同居老親等に該当する場合の扶養控除額の割増額200,000円(580,000円−380,000円)
  6. (6) 「ヘ」欄の250,000円・・・・・控除対象扶養親族が特定扶養親族に該当する場合の扶養控除額の割増額250,000円(630,000円−380,000円)
  7. (7) 「ト」欄の100,000円・・・・・控除対象扶養親族が同居老親等以外の老人扶養親族に該当する場合の扶養控除額の割増額100,000円(480,000円−380,000円)

求めた控除額186万円は源泉徴収簿の18欄に記載します。

〔源泉徴収簿〕

<参考:扶養控除等の額>

○ チェック項目
□ 扶養控除等申告書を提出できる人で、提出漏れとなっている人はいませんか。

□ 本年中に控除対象扶養親族等に異動があった人について、扶養控除等異動申告書が提出されていますか。

□ 控除対象扶養親族、障害者控除の対象となる同一生計配偶者の合計所得金額は48万円以下となっていますか。

□ 特定扶養親族、老人扶養親族等の判定は正しく行われていますか。

□ 控除対象扶養親族の年齢は16歳以上(平成19年1月1日以前生)となっていますか。

□ 控除対象扶養親族、障害者控除の対象となる同一生計配偶者が所得者本人と別居している場合、その所得者が控除対象扶養親族等に常に生活費等の送金を行うなど、生計を一にする事実がありますか。

□ 寡婦、ひとり親の判定は正しく行われていますか。

□ 控除対象者が国外居住親族である場合、親族関係書類及び送金関係書類の提出又は提示を受けましたか。

基礎控除申告書の受理と内容の確認

※ 「年末調整のしかた」は14ページからご覧ください。

※ 記載のしかたについては記載例又は動画をご覧ください。

 「基礎控除」とは、所得者の合計所得金額が2,500万円以下である場合に、その所得者の合計所得金額に応じて最大48万円が控除される控除です(令和元年分までは一律38万円の控除額でした。)。
 年末調整において「基礎控除」を適用するためには、給与所得者から「基礎控除申告書」を必ず提出していただく必要があります。

「基礎控除申告書」の提出漏れに注意してください!

〔基礎控除申告書〕

【設例】

※ 記載のしかたの詳細については記載例又は動画をご覧ください。

 この場合、「基礎控除の額」欄に48万円と記載されていますので、源泉徴収簿の19欄には基礎控除の額48万円を転記します。

〔源泉徴収簿〕

○ チェック項目
□ 基礎控除の適用を受ける人から基礎控除額が記載された申告書の提出を受けましたか。

配偶者控除等申告書の受理と内容の確認

※ 「年末調整のしかた」は15ページからご覧ください。

※ 記載のしかたについては記載例又は動画をご覧ください。

 「配偶者控除」とは、給与所得者本人の合計所得金額が1,000万円以下で、その給与所得者本人と生計を一にする配偶者の合計所得金額が48万円以下である場合に受けられる控除です。
 「配偶者控除」は、給与所得者本人の合計所得金額に応じて38万円を限度として控除されます。

 なお、配偶者が70歳以上の場合は、「老人控除対象配偶者」となり、48万円を限度として控除されます。

 「配偶者特別控除」とは、給与所得者本人の合計所得金額が1,000万円以下で、その給与所得者本人と生計を一にする配偶者の合計所得金額が48万円を超え、133万円以下である場合に受けられる控除です。
 「配偶者特別控除」は、給与所得者本人の合計所得金額と配偶者の合計所得金額に応じて38万円を限度として控除されます。
 年末調整において「配偶者控除」又は「配偶者特別控除」を適用するためには、給与所得者から「配偶者控除等申告書」を必ず提出していただく必要があります。

〔配偶者控除等申告書〕

【設例】

※ 記載のしかたの詳細については記載例又は動画をご覧ください。

 この場合、「配偶者控除の額」欄に38万円と記載されており、「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額」欄には40万円と記載されていますので、源泉徴収簿の17欄には配偶者控除の額38万円を転記し、「配偶者の合計所得金額」欄には40万円と転記します。

〔源泉徴収簿〕

○ チェック項目
□ 所得者本人の合計所得金額は、1,000万円以下ですか。

□ 配偶者の合計所得金額だけでなく、所得者の合計所得金額に応じて配偶者控除額、配偶者特別控除額の計算が正しく行われていますか。

□ 配偶者控除額、配偶者特別控除額を源泉徴収簿の「年末調整」欄の「配偶者(特別)控除額17」欄に正しく記入しましたか。

□ 配偶者が国外居住親族である場合、親族関係書類及び送金関係書類の提出又は提示を受けましたか(扶養控除等申告書を提出する際に、親族関係書類を提出又は提示している場合は、親族関係書類の提出又は提示は不要です。)。

所得金額調整控除申告書の受理と内容の確認

※ 「年末調整のしかた」は17ページからご覧ください。

※ 記載のしかたについては記載例又は動画をご覧ください。

 「所得金額調整控除」とは、年末調整の対象となる給与の収入金額が850万円を超える人が、23歳未満の扶養親族を有する場合や、所得者本人が特別障害者である場合、又は扶養親族や同一生計配偶者が特別障害者である場合に適用される控除です。年末調整において「所得金額調整控除」を適用するためには、給与所得者から「所得金額調整控除申告書」を必ず提出していただく必要があります。
 控除額は給与の支払者が次の計算式により計算し、15万円を限度として給与所得の金額から控除します。

〔所得金額調整控除申告書〕

【設例】

※ 記載のしかたの詳細については記載例又は動画をご覧ください。

 この場合、年末調整の対象となる給与の収入金額が897万円(※)ですので、850万円を超えており、「要件」欄の「扶養親族が年齢23歳未満」にチェックがされ、「扶養親族等」欄には二郎くんの氏名などが記載されていますので、所得金額調整控除の適用を受けることができます。
 所得金額調整控除額は、年末調整の対象となる給与の総額を計算した後に計算しますので、「所得金額調整控除申告書」を確認し、控除の適用がある場合は源泉徴収簿に所得金額調整控除の適用がある旨を記載しておくと便利です。
 所得金額調整控除の適用がある場合は、所得金額調整控除額を源泉徴収簿の10欄で計算します。

※ 上記の設例では、一か所から給与の支払を受けていることを前提としています。基礎控除申告書の給与所得の欄は、年末調整の対象とならない他の支払者からの給与についても記載することとされていますのでご注意ください。

〔源泉徴収簿〕

○ チェック項目
□ 年末調整の対象となる給与の収入金額が850万円を超える人から、正しく記載された申告書の提出を受けていますか。

保険料控除申告書の受理と内容の確認

※ 「年末調整のしかた」は18ページからご覧ください。

※ 記載のしかたについては記載例又は動画をご覧ください。

 生命保険料や地震保険料については「保険料控除申告書」に基づいて控除を行います。また、社会保険料や小規模企業共済等掛金のうち、毎月の給与から差し引かれていない保険料等で、給与所得者本人が直接支払った保険料等についても、「保険料控除申告書」に基づいて控除を行います。

○ 生命保険料控除
  支払った保険料が、

  • 一般の生命保険料(新契約・旧契約)
  • 個人年金保険料 (新契約・旧契約)
  • 介護医療保険料

 のいずれに該当するかは、生命保険会社などが発行した証明書類で確認することができます。

※ 新契約と旧契約の双方に加入している場合は、旧契約の支払保険料等の金額によって控除額の計算方法が変わります。

  • 旧契約の保険料が6万円超の場合:旧契約の支払保険料等の金額に基づいて計算した控除額(最高5万円)
  • 旧契約の保険料が6万円以下の場合:新契約と旧契約両方で計算した場合の控除額(最高4万円)

 また、一般の生命保険料の控除額、個人年金保険料の控除額及び介護医療保険料の控除額の合計が12万円を超えたとしても、生命保険料控除額は最高12万円となります。

〔証明書類〕

 「保険料控除申告書」を提出する際は、旧契約の一般の生命保険料で一つの契約の保険料の金額が9,000円以下であるものを除き、証明書類の添付等が必要となりますので注意してください。

○ 地震保険料控除

 地震保険料に係る控除額は最高5万円です。
 旧長期損害保険料に係る控除額は、最高1万5,000円です。
 一つの契約に基づく保険料や掛金が、地震保険料と旧長期損害保険料のいずれにも該当する場合には、いずれか一方を選択して地震保険料控除の計算を行います。

 また、地震保険料控除額は、地震保険料の控除額と、旧長期損害保険料の控除額とを合わせて、最高5万円となります。

〔証明書類〕

 「保険料控除申告書」を提出する際は、支払った保険料の額に関係なく、保険料を支払ったことの証明書類が必要です。

○ 社会保険料控除及び小規模企業共済等掛金控除

 毎月の給与から差し引かれていない保険料等で本人が直接支払った保険料等についても、その全額を控除することができます。

〔証明書類〕

 本人が直接支払った保険料等で次のもの

  • 社会保険料控除
  • 国民年金及び国民年金基金に係る保険料・掛金

  • 小規模企業共済等掛金
  • 全ての掛金

※ 証明書類の提出又は提示について ※

 保険料控除申告書に記載すべき事項を電子データにより給与の支払者に提供する場合には、この保険料控除申告書に添付すべき証明書類の提出又は提示に代えて、その証明書類に記載されるべき事項を保険料控除申告書に記載すべき事項と併せて電子データにより給与の支払者に提供することができます。

https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho_01.htm

【設例】

〔保険料控除申告書〕

※ 記載のしかたの詳細については記載例又は動画をご覧ください。

 この場合、生命保険料控除の「生命保険料控除額計(イロハ)」欄に12万円と記載されていますので、この金額を源泉徴収簿のN欄に転記します。
 次に「地震保険料控除額」欄に5万円と記載されており、「旧長期損害保険料の金額の合計額」欄には1万4,800円と記載されていますので、源泉徴収簿の16欄には地震保険料控除額5万円を転記し、「旧長期損害保険料支払額」欄には1万4,800円を転記します。

〔源泉徴収簿〕

○ チェック項目

〔生命保険料控除〕

□ 保険金又は年金の受取人は、生命保険料控除の対象となる一定の範囲内の人となっていますか。

□ 申告された保険料は、所得者本人が支払ったものですか。

□ 分配を受けた剰余金や割戻しを受けた割戻金は、支払った保険料の額から差し引かれていますか。

□ 新生命保険料、旧生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料、旧個人年金保険料の区分を適正にし、控除額の計算が正しくされていますか。

□ 保険料を支払ったことが分かる証明書類がありますか。

  • 旧生命保険料…一契約の支払保険料が9,000円 超のもの
  • 旧生命保険料以外のもの…全ての支払保険料

〔地震保険料控除〕

□ 所得者本人又は本人と生計を一にする親族が所有して常時居住している家屋やこれらの人が所有している生活に通常必要な家財を保険の目的としていますか。

□ 地震保険料と旧長期損害保険料の区分が正しくされていますか。

□ 保険料を支払ったことが分かる証明書類がありますか。

〔社会保険料控除〕

□ 申告された保険料は、社会保険料控除の対象となるものですか。

□ 所得者本人又は所得者と生計を一にする親族が負担することになっている社会保険料で所得者本人が支払ったものですか。

  • 年金から特別徴収された介護保険の保険料や後期高齢者医療制度の保険料は、年金の受給者自身が支払ったものであるため、年金の受給者に社会保険料控除が適用されます。

□ 国民年金の保険料又は国民年金基金の掛金について、支払ったことが分かる証明書類がありますか。

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書の受理と内容の確認

※ 「年末調整のしかた」は26ページからご覧ください。

※ 記載のしかたについては記載例又は動画をご覧ください。

 住宅借入金等特別控除とは、住宅借入金等の年末残高に応じて、一定額を税額から直接差し引くことができる控除です。
 最初の年分は給与所得者本人が確定申告により適用を受ける必要がありますが、2年目以降は年末調整の際に適用を受けることができますので、年末調整の時までに「住宅借入金等特別控除申告書」の提出を受けてください。なお、「住宅借入金等特別控除申告書」は、控除を受けることとなる各年分のものを一括して税務署から給与所得者本人に送付しています。

【設例 平成30年以前に居住を開始した人】

〔(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書〕

※ 記載のしかたの詳細については記載例をご覧ください。

※ 令和元年以降に居住を開始した人は、「住宅借入金等特別控除申告書」の様式が異なりますので、記載例又は動画をご覧ください。

 この場合、「住宅借入金等特別控除額」欄に12万6,500円と記載されていますので、この金額を源泉徴収簿の23欄に転記します。

〔源泉徴収簿〕

○ チェック項目
□ 住宅の取得等をした人と申告者(所得者本人)が同一人ですか。

□ 居住の用に供した後、本年12月31日まで引き続き居住していますか。

□ 借入れ等をしている者と申告者(所得者本人)が同一人ですか。

□ 控除額の計算は正しく行われていますか。

□ (特定増改築等)住宅借入金等特別控除は、算出所得税額の金額を限度としていますか。

□ (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額が算出所得税額を超える場合、給与所得の源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除可能額」欄に当該控除額を記入しましたか。

給与と徴収税額の集計

※ 「年末調整のしかた」は32ページからご覧ください。

※ 動画はこちらからご覧ください。

 各種控除額の確認が終了すると、次は年間の給与総額について納めなければならない税額、年税額を計算します。
 ここでは、年税額の計算手順について、源泉徴収簿にしたがって確認していきます。

 まず、給与と徴収税額を集計します。
 1年間の給与と毎月の給与から差し引かれた源泉徴収税額や社会保険料等を集計します。

【設例】

〔源泉徴収簿〕

※ 本年最後に支払う給与(12月賞与)についての税額計算を省略して年末調整を行う場合

 この場合、年間の給与と賞与を合わせた総額は897万円、源泉徴収税額は20万3,394円、給与から差し引かれた社会保険料等は135万4,887円となります。

集計に当たってのポイント

○ 未払となっている給与であっても、本年中に支給日が到来して支払が確定したものについては集計の対象に加えます。

○ 年の中途で再就職した人については、前の勤務先の給与、その給与から差し引かれた源泉徴収税額や社会保険料も一緒に集計する必要があります。

 その他の集計に当たっての注意事項について、詳しくは「年末調整のしかた」(32ページ)をご覧ください。

給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)の計算

※ 「年末調整のしかた」は33ページからご覧ください。

※ 動画はこちらからご覧ください。

 1年間の給与などの集計を行ったら、次は、「給与所得控除後の給与等の金額」を計算します。
 求めた給与の総額を年末調整のしかたの51ページにある「令和4年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」に当てはめ、給与所得控除後の給与等の金額を求めます。

 所得金額調整控除額がある場合は、この給与所得控除後の給与等の金額から、所得金額調整控除額を差し引いた金額がその人の給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)になり、所得金額調整控除額がない場合には、源泉徴収簿の9欄の「給与所得控除後の給与等の金額」がそのまま11欄の「給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)」になります。

※ 「給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)」の計算を簡単に行うことができる「年末調整計算シート」(Excel)はこちらからダウンロードできます。

【設例】

〔源泉徴収簿〕

 この場合、給与等の総額が897万円ですので、この表に従って計算すると、給与所得控除後の給与等の金額は、702万円となります。
 また、所得金額調整控除の適用がありますので、所得金額調整控除額4万7,000円を控除した697万3,000円が給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)となります。

課税給与所得金額と算出所得税額の計算

※ 「年末調整のしかた」は35ページからご覧ください。

※ 動画はこちらからご覧ください。

 「給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)」を求めたら、次は、「課税給与所得金額」について、源泉徴収簿を使用して計算します。
 源泉徴収簿の12欄から19欄の控除額を合計し、この合計額を「所得控除額の合計額20」欄に記入します。

〔源泉徴収簿〕

 「給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)11」欄の金額から「所得控除額の合計額20」欄の金額を控除した残りの金額を「差引課税給与所得金額21」欄に記入します。
 この課税給与所得金額に1,000円未満の端数があるときは、その1,000円未満の端数を切り捨てます。

【設例】

〔源泉徴収簿〕

 この場合、12欄から19欄までの欄に転記した控除額を集計すると所得控除額の合計額は、424万4,887円となります。

 次に、「差引課税給与所得金額」と「算出所得税額」を計算します。
 まず、差引課税給与所得金額を求め、「差引課税給与所得金額21」欄の金額(課税給与所得金額)に応じ、「令和4年分の年末調整のための算出所得税額の速算表」(60ページ参照)の「税額」欄に示されている算式に従って所得税額(以下「算出所得税額」といいます。)を計算します。

※ 「課税給与所得金額と算出所得税額」の計算を簡単に行うことができる「年末調整計算シート」(Excel)はこちらからダウンロードできます。

【設例】

〔源泉徴収簿〕

 この場合、給与所得控除後の給与等の金額(調整控除後)の697万3,000円から、所得控除額の合計額424万4,887円を差し引き、1,000円未満を切り捨てた272万8,000円が、差引課税給与所得金額になります。
 次に、差引課税給与所得金額272万8,000円を、速算表に当てはめて計算すると、算出所得税額は17万5,300円となります。
 求めた算出所得税額を「算出所得税額22」欄に記入します。

年調年税額の計算

※ 「年末調整のしかた」は36ページからご覧ください。

※ 動画はこちらからご覧ください。

 算出所得税額を求めたら、次は、「年調年税額」を計算します。
 まず、年調所得税額を求めます。(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額がある場合は、先ほど求めた算出所得税額から、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額を差し引いた金額が、その人の年調所得税額になり、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額がない場合には、算出所得税額がそのまま年調所得税額になります。
 次に、年調所得税額に102.1%を乗じて、復興特別所得税額を含む年調年税額を算出します。
 年調年税額に100円未満の端数がある場合には、これを切り捨てます。

【設例】

 この場合、算出所得税額17万5,300円から、住宅借入金等特別控除額12万6,500円を差し引くと、年調所得税額は4万8,800円となります。
 さらに、ここから復興特別所得税を含む年調年税額を算出しますので、この4万8,800円に102.1%を乗じ、100円未満の端数を切り捨てた4万9,800円が、年調年税額となります。

※ 「年調年税額」の計算を簡単に行うことができる「年末調整計算シート」(Excel)はこちらからダウンロードできます。

過不足額の精算

※ 「年末調整のしかた」は37ページからご覧ください。

※ 動画はこちらからご覧ください。

 年調年税額を求めたら、最後は過不足額の精算を行います。
 年調年税額と、毎月の給与から源泉徴収した税額の合計額を比べ、過不足額を精算します。
 源泉徴収した税額の合計額が年調年税額よりも多いときは、その差額分だけ納め過ぎていたことになりますから、その差額(過納額)は、その過納となった人に還付します。

 これに対し、源泉徴収した税額の合計額が年調年税額よりも少ないときは、その差額だけ納め足りないことになりますから、その差額(不足額)はその不足となった人から徴収します。

【設例】

 この場合、源泉徴収税額は20万3,394円で、年調年税額は4万9,800円ですから、源泉徴収税額の方が多いことになります。
 源泉徴収税額の方が年調年税額より多いときは、その差額を納めすぎていたことになりますので、差額の15万3,594円は本人に還付することになります。

(参考)
年末調整による過不足額の精算方法には、
イ本年最後に支払う給与(賞与を含みます。)についての税額計算を省略し、その給与に対する徴収税額はないものとして精算する方法(設例)と、
ロ本年最後に支払う給与についても、通常の月分の給与としての税額計算を行った上で精算する方法とがあります。

過納額の還付

※ 「年末調整のしかた」は37ページからご覧ください。

〇 源泉徴収義務者(給与の支払者)から還付する場合

  • 1 過不足額を計算した結果、過納額が生じた場合には、年末調整を行った月分(通常は12月分。納期の特例の承認を受けている場合には、本年7月から12月までの分。)として納付する「給与、退職手当及び弁護士、司法書士、税理士等に支払われた報酬・料金に対する源泉徴収税額」のうちから差し引き、過納となった人に還付します。
  • 2 年末調整を行った月分の源泉徴収税額のみでは還付しきれないときは、その後に納付する「給与、退職手当及び弁護士、司法書士、税理士等に支払われる報酬・料金に対する源泉徴収税額」から差し引き順次還付します。
  • 3 超過額を源泉徴収税額へ充当した場合や過納額を還付した場合には、その内容を源泉徴収簿の該当欄(2731)に記入します。

〇 税務署から還付する場合(給与の支払者が還付できない場合)

1 次の場合のように、「給与、退職手当及び弁護士、司法書士、税理士等に支払われた報酬・料金に対する源泉徴収税額」がないか、あってもごくわずかであるため、過納額の還付をすることができないときは、税務署から

  • 源泉徴収義務者に一括して還付
  • 又は

  • 過納となった各人に直接還付
  • することになります。

  • 1 解散、廃業などにより給与の支払者でなくなったため、過納額の還付ができなくなった場合
  • 2 徴収して納付する税額が全くなくなったため、過納額の還付ができなくなった場合
  • 3 納付する源泉徴収税額に比べて過納額が多額であるため、還付することとなった日の翌月から2か月を経過しても還付しきれないと見込まれる場合

2 上記1の1から3までのいずれかに該当する場合には、源泉徴収義務者は、各人の過納額や還付を受けようとする金額の明細を記載した「源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額還付請求書 兼 残存過納額明細書」を作成し、各人の「源泉徴収簿」の写しと過納額の請求及び受領に関する委任状とをこれに添付して、源泉徴収義務者の所轄税務署に提出してください。
 なお、過納額を令和5年に繰り越して還付しているときは、令和5年分の源泉徴収簿の写しも併せて提出してください。
 また、退職した人などで、前記の委任状の提出ができない人の分については、税務署から過納となった人に直接還付することになりますので、「源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額還付請求書 兼 残存過納額明細書」は用紙を別にして作成してください。

(注) 「源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額還付請求書 兼 残存過納額明細書」、「源泉徴収簿」の写し及び委任状については、e−Taxで送信することができます。

不足額の徴収、納付

※ 「年末調整のしかた」は38ページ及び44ページをご覧ください。

〇不足額の徴収

 不足額は、年末調整をする月分の給与から徴収し、なお不足額が残るときは、その後に支払う給与から順次徴収します。
 年末調整をする月分の給与から不足額を徴収すると、その月の税引手取給与(賞与がある場合には、その税引手取額を含みます。)が、本年1月から年末調整を行った月の前月までの税引手取給与の平均月額の70%未満となるような人については、「年末調整による不足額徴収繰延承認申請書」を作成して源泉徴収義務者の所轄税務署に提出し、その承認を受けて、不足額を翌年1月と2月に繰り延べて徴収することができます。

(注) この場合の不足額は、年末調整をする月分の給与(賞与)に対する税額計算を省略しないで通常どおり徴収税額を計算し、その上で年末調整をしてもなお不足となる税額ですから、その月の給与に対する通常の税額については徴収繰延べは認められません。
 したがって、徴収繰延べを受けようとする人については、年末調整をする月分の給与(賞与)についても通常の税額計算をした上で年末調整を行わなければなりません。

〇税額の納付と所得税徴収高計算書(納付書)の記載

 不足額の精算が終わりましたら、その内容を年末調整をした月分の「所得税徴収高計算書」(納付書)に記載し、徴収税額を納付します。

 記載方法については、記載のしかたをご覧ください。

 なお、精算の結果、納付すべき税額がなくなった場合でも、納付税額0円の「所得税徴収高計算書」を所轄の税務署に提出する必要がありますので、ご注意ください。

 また、源泉所得税の納付や納付税額0円の「所得税徴収高計算書」の提出について、e−Taxダイレクト納付の利用をすれば、自宅やオフィス、税理士事務所などから簡単に行うことができますので、是非ご利用ください。

<令和4年分の年末調整に係る源泉所得税及び復興特別所得税の納期限>
納期の特例の承認を受けていない場合 令和5年1月10日(火)
納期の特例の承認を受けている場合 令和5年1月20日(金)