【答え】

3.計量のときに斗枡から溢れた分の延米(のべまい)

【解説】

年貢米は、斗枡で計って米俵に詰めましたが、計量時に斗枡に山盛りにしたので、容量は区々になりました。
 そこで、元和2(1616)年に幕府は、年貢米俵の容量を定め、年貢本体の米3斗5升と延米2升を合わせ、米3斗7升の俵に統一しました。同時に、山盛り計量を止め、斗掻で斗桝の縁に合わせました。山盛り計量を止め、定量の延米2升を加えることにしたのです。
 1の欠米は、年貢米の輸送や保管中に、水ぬれ、湿気、虫食い等による欠損を補充する名目で課されました。そして、欠米は、年貢米1石(10斗)あたり3升と公定されました。
 2の口米は、代官所の経費として管内村々に課されたものです。関東では、年貢米3斗7升につき口米1升余り、関西では年貢米1石につき口米3升という規準でした。享保10(1725)年には、幕府が代官所の経費を直接支出するようになりますが、口米は廃止されず、その後も幕府の蔵に納めることになりました。
 このほかにも、検査で抜き出した米を補填するもの(刺米(さしまい))や計量後の様々な理由による目減り分を補填するもの(合米(ごうまい))など、いろいろな名目の付加税がありました。

(研究調査員 舟橋明宏)