【答え】

2 茶

【解説】

茶は、生糸ともに明治日本の重要な輸出商品の一つでした。茶は、紅茶に加工されるのではなく、緑茶のまま主にアメリカへ輸出されました。当時のアメリカでは、コーヒーの代用品として緑茶が飲用されていたためです。当初は将来有望な課税物品とみなされていたのですが、重要な輸出商品であるため、明治7年に内務省勧業寮農政課に製茶掛が設置され、勧業奨励に重点が置かれるようになり、「物品税」は課税されませんでした。
一方で、煙草については、重要な輸出商品ではなかったためか、明治8年に煙草税則が公布され、翌年より施行されました。なお、材木も「物品税」は課税されませんでした。
また、酒は明治6年時点で酒税が課税されており、地租改正条例第6章の中には含まれていませんでしたが、地租とともに明治日本の重要な税目となりました。塩は明治38年の専売制度への移行期間に、塩税が課税されました。
ちなみに、地租の税率は、明治10年に2.5%まで引き下げられました。対清関係の緊張などから明治政府の財政需要は拡大し、地租税率のさらなる引き下げや地価の見直しが難しい状況となり、地租改正条例第6章などの廃止が問題となりました。そこで、明治政府は明治17年に地租条例を公布し、地租改正条例などは廃止されました。これにより、地租は地価の2.5%に固定されました。

(研究調査員 今村千文)