藤山 直樹
税務大学校
研究部教授
所得税法は、所得の種類を10種類に分類しており、譲渡所得はその一つにあたる。令和4年分の確定申告状況によると、申告所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」という)の申告人員は2,295万人であるのに対し、土地等の譲渡所得の申告人員は55万2千人、株式等の譲渡所得の申告人員は108万3千人である。また、所得金額でみると所得税等の所得金額は46兆3,072億円であり、そのうち、土地等の譲渡所得金額は5兆4,392億円、株式等の譲渡所得金額は4兆630億円である。特に、所得金額について、所得税等に対する土地等の譲渡所得と株式等の譲渡所得の合計との割合は、約20.5%とウエートが高く、また、譲渡所得は「理論上も実務上も最も問題が多く、また訴訟の数も最も多い所得類型である。」との指摘もある。
ところで、持分に応ずる共有物の分割をしたときは、共有者相互間において、共有物の各部分につき、その有する持分の交換又は売買が行われること(最高裁昭和42年8月25日判決)とされている一方で、所得税基本通達(以下「所基通という」)により、「土地の譲渡はなかったものとして取り扱う。」とされる。ただし、共有物分割について、過不足の調整を伴う、現物分割が行われる場合の譲渡所得の課税関係については、必ずしも明確ではない。
この点を題材として、「資産の譲渡」について考察を行う。
(1)譲渡所得とは
イ 沿革
譲渡所得は、資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得とする、いわゆるキャピタル・ゲインについて課税するものである。このキャピタル・ゲインが所得税法の課税対象として全面的に取り入れられたのは、昭和21年とされ、その後、シャウプ勧告により、みなし譲渡課税が制定されるなど、譲渡所得はアメリカ法の影響を大きく受けるものであるとされる。
しかしながら、その後の改正により、みなし譲渡課税についてはその適用範囲が縮小されることになり、このことが、譲渡所得の理解を複雑にしているといえる。
ロ 所得税法の規定
(イ) 譲渡所得
所得税法33条(譲渡所得)は「譲渡所得とは、資産の譲渡による所得をいう」と規定する。
資産とは、「譲渡性のある財産権をすべて含む観念」であり、「キャピタル・ゲインを生ずべき資産が『譲渡所得の基因となる資産』となる」とされる。
譲渡とは、「有償であると無償であるとを問わず所有権その他の権利の移転を広く含む観念で、売買や交換はもとより、競売、公売、収用、物納、現物出資等による資産の移転が、それに含まれる。」とされる。
また、最高裁は「『資産の譲渡』とは、有償無償を問わず資産を移転させるいっさいの行為をいうもの」と判示している。
(ロ) 収入金額
収入金額については、所得税法36条(収入金額)で規定されるが、収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、金銭に限らず金銭以外の物又は権利その他経済的な利益を含むこと及び所得の年度帰属については、広義の発生主義であるいわゆる「権利確定主義」を原則とすることを明らかにしているとされる。
(ハ) みなし譲渡課税
所得税法59条(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)は、みなし譲渡課税について規定する。
東京地裁は「資産の帰属に変動を生ずるもののうち現実の収入を生じない贈与等については、右譲渡による収入すべき金額につき、贈与等の譲渡所得の基因となる資産の移転の事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額をもって、当該資産の譲渡があったものとみなして、譲渡収入金額を擬制することとしたのがみなし譲渡所得課税」であると判示している。
ハ 増加益清算説
譲渡所得課税の趣旨について、最高裁は一貫して「譲渡所得に対する課税は、・・・資産の値上りによりその資産の所得者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に、これを清算して課税する趣旨のものと解すべき」であるとして、増加益清算説の立場を採っている。また、学説においても通説とされている。
(2)課税の繰延べ
固定資産の交換については、所得税法58条(固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例)(以下「交換特例」という)で規定されるが、この規定が課税の繰延べを認めているのは、「固定資産が交換されても、同一の用途に供される場合には、投資が継続して行われており、あえて課税するに及ばないという考え方が採用されているから」とされる。
また、大阪高裁は「経済的には資産の移転がなかったと同様の状態が継続しているものとみられるため、課税の機会とみるのが適当ではないということがある。また、担税力の観点からみても、交換によってキャピタル・ゲインに相当する金銭を取得したわけではない当事者に譲渡益について課税することは、酷な結果をもたらすこともありうる」と判示している。
所得税法及び租税特別措置法で規定されている課税の繰延べについては、投資の継続性や担税力への配慮が根拠の一つとして、加えて、租税特別措置法においては、収用等事業や土地利用政策上の手法の一つとして円滑な事業等の実施を促進する面があるとされる。
(3)共有物分割とは
イ 通達の規定
所基通33−1の7(共有地の分割)は「個人が他の者と土地を共有している場合において、その共有に係る一の土地についてその持分に応ずる現物分割があったときには、その分割による土地の譲渡はなかったものとして取り扱う。」としている。この通達については、「共有関係にある一の資産を現物で分割するということは、その資産の全体に及んでいた共有持分権が、その資産の一部に集約されただけにすぎず、資産の譲渡による収入の実現があったといえるだけの経済的実態は備わっていないということもできる。」とされている。
共有物の分割は「共有持分と対象物の特定された一部分に対する完全な所有権との交換であり、譲渡にあたると考えることも可能だと思われるが、共有物の分割から譲渡所得が発生しないことは、通説、課税実務が一致している。」とされる。
ロ 過不足調整を伴う共有物分割
過不足調整を伴う共有物分割についての判断をしたものに東京地裁平成20年6月27日判決(税資258号−121(順号10979))がある。
(イ) 事案の概要
本件は、土地の共有者であった原告が、原告及び他の共有者を当事者とする共有物分割調停申立事件において、調停で合意された共有物分割に際し、本件調停の条項に基づき他の共有者から分割清算金として受領した400万円の金員について、当初、譲渡所得として確定申告(交換特例を適用(分割清算金の400万円については交換差金))をし、その後、譲渡所得に当たらないとして更正の請求をしたところ、更正をすべき理由がない旨の通知処分を受けたため、その取消しを求めた事案である。
(ロ) 判決
本件についての判決は、本件が共有物分割にあたり、400万円は共有物分割時の補足金であるとしたうえで、要旨(一部省略)は以下のとおりである。
@ 共有物の分割は、共有者相互間において、共有物の各部分につき、その有する持分の交換又は売買を行うことである。
A 本件共有物分割は、これにより本件各土地に係る共有持分の交換が行われたものと解される以上、同項の「資産の譲渡」に当たると解するのが相当である。
B 交換としての法的性質を有する共有物の現物分割においても、持分の価格以上の現物を取得する共有者に当該超過分の対価を支払わせ、過不足の調整をすることも現物分割の一態様であると解される。
(ハ) 小括
本件は、交換特例を選択し確定申告をしたものであり、納税者が当初申告をしていない場合の課税についての処理を示すものではない。また、土地の所有者が、共有物分割を行う理由として共有地を分割して他に売却するケースがあると考えられるが、このような場合には、原則として交換特例が適用できない。よって、この裁判例が過不足調整を伴う共有物分割の検討をするうえでの指針になるとは言い難い面がある。
さらに、交換特例には、交換差金が20%以内という限度があるが、共有物分割においては、そのような規定や課税の繰延べについての規定はない点も相違している。
(4)共有物分割と譲渡所得(他の制度の検討)
イ 離婚に伴う財産分与
離婚に伴う財産分与のうち、婚姻中に夫婦が協力し合って形成した財産の分与(以下「狭義の財産分与」という)は、共有物の分割と同じであるとの指摘がある。
所基通は、財産の分与として資産の移転があった場合には、その分与をした者は、その分与をした時においてその時の価額により当該資産を譲渡したこととなるとしている。
また、最高裁は「財産分与として不動産等の資産を譲渡した場合、分与者は、これによって、分与義務の消滅という経済的利益を享受したものというべきである。」とし、譲渡所得の対象になることを示している。
学説の中には、狭義の財産分与は、そもそも資産の譲渡ないし移転にはあたらないと指摘するものがある。
この指摘について検討すると、狭義の財産分与は、@民法は夫婦財産制を規定するが、その利用については婚姻の届出前に契約及び登記が必要なことを要件としていることから、制度自体が普及していないと考えられること、A夫婦財産制が適用されない場合は、法定財産制が採られるが、夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定されること、B登記には権利推定力があることなどの理由から、婚姻中に取得した財産が潜在的に夫婦共有であるとの考え方は夫婦当事者間には効力があるものの、第三者に対しては対抗できないのではないかと考える。また、財産分与の内容が、慰謝料等なのか狭義の財産分与なのかを第三者が見極めるのは困難ということにもなり、課税の公平の観点から所得税法上、財産分与を区分せず譲渡所得の対象としている判例等は妥当なものといえよう。
ロ 不動産取得税
不動産取得税における「不動産」とは、土地と家屋を総称したものとされ、「不動産の取得」とは、有償、無償を問わず不動産を取得したことを意味するとされる。
不動産取得税における共有物分割について、最高裁は「共有不動産の分割により他の共有者の有していた持分を取得することも前記規定にいう『不動産の取得』にあたるものと解すべきである。」と判示している。
共有物分割について、不動産取得税と所得税(譲渡所得)を担税力の観点から比較すると、不動産取得税は不動産を取得するという比較的担税力のある機会に相当の税負担を求めるものであるとされるが、所得税については、収入の実現があったといえる経済的実態が備わっていないなどの観点から担税力の問題があると考える。
(5)令和3年民法改正と譲渡所得
令和3年に、いわゆる所有者不明土地問題に対応するため、民法の一部を改正するための法律案が国会に提出され、同年4月21日に可決成立(同月28日公布)した。この中には、共有に関する改正も含まれている。
イ 民法改正の内容と問題意識
令和3年民法改正において、「所在等不明共有者の持分の取得」(民法262条の2)と「所在等不明共有者の持分の譲渡」(民法262条の3)の規定が創設された。
これらは、所在等不明共有者の持分を他の共有者が自己の持分として取得するか、自己の持分とともに他者に譲渡することが可能となるというものである。
また、所在等不明共有者は、自己の持分を失うこととなるが、その代わりに、持分に対する時価相当額の支払請求権を取得する。なお、他の共有者は、この支払請求権に対応するため、供託金の拠出が義務付けられる。
このように、所在等不明共有者の持分の移転が行われ、支払請求権のみが残されることとなるが、不動産の移転時点では、所在等不明共有者の所在等が不明であることから、所在等不明共有者が得ることとなる所得が、不動産の譲渡による所得になるのか、はたまた、実際に支払請求権を行使した時点で、その行使により供託金を取得したことによる所得となるのかが問題となる。
ロ 所得税の取扱い
(イ) 譲渡所得としての該当性
所得税法33条は、譲渡所得とは、「資産の譲渡による所得をいう」と規定するが、不動産は「資産」に該当し、所在等不明共有者から他の共有者等への共有持分の移転は、「資産の譲渡」にあたることから、譲渡所得に該当する。
譲渡所得の課税の根拠は、増加益清算説によるものとされていることから、持分の移転については、譲渡所得とすることが妥当であろう。
(ロ) 譲渡の時期(引渡しがあった日)
所基通36−12(山林所得又は譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期)は「山林所得又は譲渡所得の総収入金額の収入すべき時期は、山林所得又は譲渡所得の基因となる資産の引渡しがあった日によるもの」としている。
名古屋高裁は、所得税法が「いわゆる権利確定主義を採用したのは、課税に当って常に現実収入のときまで課税することができないとしたのでは、納税者の恣意を許し、課税の公平を期しがたいので、徴税政策上の技術的見地から、収入の原因となる権利の確定した時期をとらえて課税することにしたものである」としたうえで、判示事項を示している。
そこで、所在等不明共有者の持分の移転について、上記、通達と裁判例を基に検討すると、共有持分の所有権が移転し、所在等不明共有者が取得する共有持分の時価相当額の支払請求権の権利が確定した時点で、引き渡しを認識すべきであろう。その理由は、以下のとおり。
@ 他の共有者が拠出する供託金は、不動産の権利の移転に伴うものであり、所在等不明共有者にとっては、不動産の権利は失われ、支払請求権しか残らない
A 仮に、所在等不明共有者が支払請求権を行使しなかったとしても、その供託金は最終的には国庫に入ることとなり、他の共有者の下には戻らない。つまり、他の共有者からみれば、所在等不明共有者の持分を取得または売却し、供託金を支払った時点で本件は終了する
B 所在等不明共有者にとっては、すでに支払請求権は確定しており、同人の所在等が判明した後、支払請求権の行使の時期によって課税関係に変動があることは、公平の観点からも好ましくない
(6)共有物分割と譲渡所得についての考察
イ 共有物分割と譲渡所得の関係
共有物分割は譲渡所得になるのかという点については、前述のとおり、「資産の譲渡による収入の実現があったといえるだけの経済的実態は備わっていない」との考え方もあるとされる。
ただし、民法の多数説のみならず、判例も共有物分割が「交換又は売買」に該当するとしていること、課税庁側も裁判においては同様に主張していることからしても、共有物分割は、民法と同じ概念で、譲渡所得の対象となる。
(イ) 共有物分割は非課税か、課税の繰延べはされるのか
交換特例が制定された趣旨は「経済的には資産の移転がなかったと同様の状態が継続しているものとみられるため、課税の機会とみるのが適当ではないということがある。また、担税力の観点からみても、交換によってキャピタル・ゲインに相当する金銭を取得したわけではない当事者に譲渡益について課税することは、酷な結果をもたらすこともありうる」ことへの対応のためとされている。
共有物分割が、共有持分の交換であることを考えれば、交換特例と同様に、一の共有土地を現物分割する場合において、手放すこととなる共有持分と取得することとなる共有持分の価値が同等と認められる場合は、その時点では譲渡がなかったものとして非課税とし、課税の繰延べが行われるべきであろう。
(ロ) 通達による非課税措置について
共有物分割については、所基通により「譲渡がなかったものとして取り扱う」とされる場合がある。
一方で、交換特例や共有物分割をした場合の不動産取得税の非課税措置については法令の規定によって定められている。
共有物分割が「交換又は売買」であり、「譲渡」にあたるとされていることからすると、上記通達は、法令の解釈を示すものではなく、実務上の取扱いを示すものと考えられる。
租税法律主義の原則からみれば、「譲渡」であるものを「譲渡がなかったものとして取り扱う」ことについては、法律で規定すべきとも考えられる。
しかしながら、共有物分割の処理を通達で定めていることについての批判などは見受けられず、また、「共有物分割は通達により譲渡がなかったものと取り扱うとされる」とする多くの論評などがある。
さらに、共有物分割においては、少なくとも登記がされていれば、課税庁としても容易に把握可能であり、元々共有物であることから、その取得価額も明確であり、課税の繰延べが行われても、引き継がれる取得価額に違和感がないことなどが考えられる。
そして、共有物分割についての課税の繰延べについては、行政先例法となっているとみることもでき、必ずしも、法改正をする必要はないと考える。
ロ 過不足調整が行われた場合の課税関係
共有物分割については、過不足調整が行われることも現物分割の一形態として認められているのは、前述のとおりである。この過不足調整の額については、共有物分割自体が「交換又は売買」とされていることから、譲渡所得の対象とすることは妥当であろう。ただし、この場合、過不足調整額の取扱いについて、交換特例の交換差金についての取扱いのような基準があるのかどうか疑問が生ずる。
このことについては、所基通が「持分に応ずる現物分割があったときには、その分割による土地の譲渡がなかったものとして取り扱う」とのみ定め、過不足調整の額に対する取り扱いについては示していないため、納税者等の予見可能性を考慮する観点から、過不足調整の額が、仮に20%を超えていたとしても、過不足調整額の部分についてのみ譲渡所得の対象とすべきであろう。
ただ、極端な例ではあるが、過不足調整額が90%であったとしたら、90%部分についてのみ課税する(10%部分のみ繰り延べる)ことには、多少の疑問もある。
この極端な例では「経済的には資産の移転がなかったと同様の状態が継続」されているとはいえないのではないか。また、「担税力の観点からみても・・・酷な結果」とまではいえないのではないかと考える。そうだとすると、上記極端な例の場合には、譲渡はなかったものとはせず、キャピタル・ゲインの清算をすべきということとなろう。
ただし、上記のような極端な例であっても、納税者等の予見可能性を考えれば、過不足調整部分だけに譲渡所得を課税し、その他の部分の課税は繰り延べるべきであるということとなる。
なお、仮に「20%」などの明確な基準を設けるとすると、法制化などが必要となる。そうすることで、過不足調整がある場合の課税の繰延べにより引き継がれる取得価額の金額が明確になるという利点がある。
令和3年の民法等の改正により、不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請を義務付ける規定が創設されるなど、今後、「共有」状態が増え、その結果、共有物分割も増えることも想定される。
このような状況に対応するためにも、法制化の検討が必要になることもあるのではないかと考える。
令和3年に民法等の改正が行われたが、この改正においては、前述のほか、共有物分割(賠償分割)に関する規定の整備等に関する見直しなども行われている。また、昨今、色々な場面で、民法改正への議論が活発化され、実際に改正も行われている。
たとえば、近年、配偶者居住権の創設や成人年齢の引き下げなどの改正が行われ、また、夫婦別姓や同一姓婚などについても議論がされている。
民法は私法の基本法であることから、改正されると様々な法律に影響を与え、それによって税法においても同様に法改正が必要になる場面も多くなろう。そうしたことが、将来的には、譲渡所得についての考え方を変えることになるのではないかと考える。今後ともこのような動きに注視していきたい。
項目 | ページ |
---|---|
はじめに | 18 |
第1章 譲渡所得とは | 20 |
第1節 譲渡所得の位置づけ | 20 |
第2節 沿革 | 21 |
1 戦前の譲渡所得課税 | 21 |
2 戦後の譲渡所得課税 | 21 |
3 シャウプ勧告とその後の譲渡所得課税 | 22 |
第3節 所得税法の規定 | 23 |
1 譲渡所得 | 23 |
2 収入金額 | 25 |
3 みなし譲渡課税 | 26 |
第4節 増加益清算説と譲渡益所得説 | 27 |
1 増加益清算説 | 28 |
2 譲渡益所得説 | 28 |
第2章 課税の繰延べ | 30 |
第1節 固定資産の交換の場合 | 30 |
1 「交換」とは | 31 |
2 交換差金 | 36 |
第2節 贈与等により取得した資産の取得費等 | 38 |
1 所得税法の規定 | 38 |
2 判例及び裁判例 | 38 |
第3節 その他の課税の繰延べ | 40 |
1 収用等に伴い代替資産を取得した場合 | 40 |
2 居住用財産の買換え | 42 |
3 特定の事業用資産の買換え | 43 |
4 小括 | 44 |
第3章 共有物の分割 | 46 |
第1節 民法の規定 | 46 |
1 共有物の使用と共有物の分割 | 46 |
2 令和3年改正 | 47 |
第2節 所得税における取扱い | 49 |
1 通達の規定 | 49 |
2 裁判における主張 | 50 |
3 小括 | 51 |
第3節 過不足調整を伴う共有物分割 | 52 |
1 事案の概要 | 52 |
2 当事者の主張 | 53 |
3 判決 | 54 |
4 小括 | 55 |
第4章 他の制度の検討 | 57 |
第1節 離婚に伴う財産分与 | 57 |
1 離婚に伴う財産分与についての課税関係 | 57 |
2 狭義の財産分与は譲渡にあたらないとの指摘 | 60 |
3 小括 | 62 |
第2節 代償分割 | 63 |
1 代償分割とは | 63 |
2 代償分割と所得税 | 64 |
3 判例及び裁判例 | 65 |
4 小括 | 68 |
第3節 不動産取得税 | 69 |
1 不動産取得税とは | 69 |
2 共有物分割について(共通点と相違点) | 70 |
3 小括 | 71 |
第5章 譲渡所得の射程 | 73 |
第1節 所在等不明共有者の持分について | 73 |
1 改正民法の内容と問題意識 | 73 |
2 所得税の取扱い | 75 |
第2節 共有物分割と譲渡所得についての考察 | 78 |
1 共有物分割と譲渡所得の関係 | 78 |
2 過不足調整が行われた場合の課税関係 | 81 |
3 小括 | 82 |
結びにかえて | 83 |