大野 真弓
税務大学校
研究部教授

要約

1 研究の目的(問題の所在)

資本剰余金と利益剰余金の双方を原資として行われたいわゆる混合配当(以下「本件配当」という。)の取扱いが争われていた事案(以下「本件事案」という。)があり、最高裁令和3年3月11日判決(以下「本判決」という。)によって国側の敗訴が確定した。
 本判決は、(判旨T)本件配当は、その全体が法人税法(平成27年法律第9号による改正前のもの。以下「法」という。)24条1項3号に規定する資本の払戻しに該当し、プロラタ計算を適用するに当たり、利益配当と資本の払戻しにプロラタ計算をするとしたものの、(判旨U)株式対応部分金額の計算方法について定める法人税法施行令23条1項3号(平成27年政令142号による改正前のもの。以下同じ。)の規定のうち、資本の払戻しがされた場合の払戻等対応資本金額等の計算方法を定める部分は、減少資本剰余金額を超える払戻等対応資本金額等が算出される結果となる限度において、法人税法の趣旨に適合するものではなく、同法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効である、と判示した。
 本件事案を巡る論点は、@法23条1項1号と法24条1項3号が規律する通常の配当とみなし配当の適用関係、A配当個数の問題、B混合同時配当とは、など他にも様々な点が挙げられる。
 本研究では、本件事案を巡る諸問題を中心として、@我が国会社法上と法人税法上の配当概念についてその違いを明らかにし、A本件事案を巡る諸問題について考察した上で、B外国事業体からの配当に係る一般的な問題として、我が国の税法は外国会社法に基づく「配当」や「分配金」についてどう考えるかという点について研究するものである。

2 研究の概要

(1)会社法と税法における配当概念の違い

会社法において、「剰余金の配当」は、「会社が、株主に対し、その有する株式の数に応じて会社の財産を分配する行為」であり(会社法453条、454条2項、同条3項)、営利を目的とする株式会社の本質的要素であるとされる(会社法105条@一、二)。
 一方、税法上、「剰余金の配当」に係る定義規定は置かれていないことから、会社法上の概念を借用しているものとされる。しかしながら、会社法では、利益剰余金からの配当も資本剰余金からの配当も「剰余金の配当」としているところ、所得税法24条1項《配当所得》も法23条1項《受取配当等の益金不算入》も、利益と資本との区別を前提にしており、資本剰余金の減少を伴う資本の払戻しは「剰余金の配当」から除かれ、法24条1項3号のみなし配当として扱っている。したがって、税法上の配当概念は、会社が、株主に対し、その有する株式数に応じて、会社が稼得した所得(当期分だけではなく、留保分も含む。)を分配する行為であり、税法上の「配当」は、スタートは会社法からの借用であるが、借用した時点で将来の留保利益の算出のための加算減算が予定されている、いわば借用概念と固有概念のハイブリッドな借用概念と考えられる。

(2)本判決の意義

本判決の意義は、@争いとなっていた利益剰余金と資本剰余金の双方を原資とする剰余金の配当(いわゆる混合配当)の税法上の取扱いについて、その全体が法24条1項3号に規定する資本の払戻しに該当することを明らかにした点(判旨T)、A判旨Tの判断を前提として、具体的なみなし配当の計算を規定する法人税法施行令23条1項3号を当てはめた結果、減少した資本剰余金の額を超える直前払戻等対応資本金額等が算出される限りにおいて、当該施行令は法人税法24条3項の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効であるとした点(判旨U)の2つである。

(3)本件事案を巡る諸問題

イ 法23条と法24条の適用関係

平成18年度税制改正前の法人税法では、旧商法上の「利益の配当」と「資本の減少」という別個の手続に基づく会社財産の各払戻しの課税関係を、法23条と24条のそれぞれで別個に規律していた。
 しかし、平成18年に施行された会社法において、会社財産の払戻しは、配当の原資が「利益」に限られないこととされ、利益の配当と資本の払戻しが統一的に「剰余金の配当」として規定されることとなった。すなわち、会社法制定により、私法上、利益の配当と資本の払戻しの区別がなくなり、資本と利益が混合した「剰余金の配当」が行われることとなったのである。
 このように、会社法が利益の配当と資本の払戻しが混合した配当を統一的に「剰余金の配当」と整理したことを受け、法人税法は、平成18年度税制改正において、基本的には剰余金の配当全体を資本と利益が混合したものと考え、例外的に、その原資が利益剰余金のみであることが明らかな剰余金の配当のみが法23条1項1号にいう「剰余金の配当」に該当し、それ以外のもの、すなわち、その原資が資本剰余金のみである剰余金の配当及び混合配当については、一旦、その全額を法24条1項3号にいう「資本の払戻し」と整理して、同項の定めに従いみなし配当の金額を計算することとしたものである。
 まとめると、平成18年以前は、資本と利益が商法上区別されていたことから、利益に関する法23条、資本に関する法24条とを並列に適用すれば足りたのであるが、会社法制定後は、会社法が混合配当を認めたことから、混合配当の場合には、法人税法は、まず法24条を適用し、利益部分と資本部分を区分し、そこで「利益」に振り分けられたものを法23条が適用するという方法を採らざるを得なくなったと考えられ、会社法制定後は、混合配当に関して法24条が本則規定であり、法23条が例外規定という位置付けになったものと思われる。
 また、会社法上、利益剰余金のみを原資とする剰余金の配当についても、法人税法上の資本金等の額に対応する部分が含まれうるところであり(必ず生じるわけではないが、生じ得ることが予定されている)、資本と利益をしゅん別するという法人税法の基本原則に照らせば、利益剰余金を原資とする剰余金の配当もプロラタ計算等の方法によって資本と利益に区別する必要があるとも思われる。しかしながら、法23条は、配当を支払う法人(以下「払戻法人」という。)と株主法人双方の実務上の計算及び事務の簡便性への配慮や従前の取扱いとの連続性を考慮した政策的判断に基づき、利益剰余金のみを原資とする配当についてはその全額を益金に算入しないものとしたと考えられ、この点については法人税法の基本原則を必ずしも貫徹しているとはいえないと考えられる。

ロ 配当個数の捉え方

本件配当は、異なる配当原資による配当が2つの配当議案により決議され、それぞれの効力発生日を同一日とする同意書によって実施されたものである。最高裁は、本件配当を1つの配当行為による混合配当と評価したものと解されるところ、剰余金の配当を1つとみるか各別にみるかという点に関しては、少なくとも本件配当のような同一日に、1つの株主総会等において決議され、効力発生日が同一日であり、資金の流入も一体的になされたような配当は、決議は別であっても資本剰余金と利益剰余金の原資が同時かつ一体的に配当されたものと同視し得ると思われる。さらに付け加えれば、法人税法は、配当の個数について原資が1個か否かで区分しているところ、配当概念が会社法からの借用概念であることを尊重した上で、配当決議が複数あったとしても、配当原資が1個であってかつ各配当決議が一体的なものである場合には、法人税法上、配当を1個としてみるべきと考える。配当原資が1個であるのに複数に分けている場合には、分ける合理的な事情(例えば、株主から配当の追加要求があった等)の有無によってその一体性を判断するのである。

ハ 法24条1項3号及びその委任を受けたプロラタ計算に係る問題点

(イ) 利益積立金額がマイナスであるときのプロラタ計算の結果について

本件事案では、利益積立金がマイナスであることにより、本件配当全体に法24条1項3号を適用し、機械的にプロラタ計算を行った結果、減少した資本剰余金の額を超える払戻等対応資本金額等が算出される結果となり、その超える限度において法人税法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効と判断された。この違法・無効部分は、令和4年度税制改正により、減少した資本剰余金の額を上限とすることとされたため、一応の解決をみたといえよう。

(ロ) 配当原資の別によって株主における課税結果が異なること

本件配当は、本件事案における被上告人の外国子会社(以下「被上告人子会社」という。)からの配当として、資本剰余金から1億ドル、利益剰余金から5億4400万ドルを原資として被上告人に配当されたものであるが、仮に、本件配当合計額6億4400万ドル(約512億円)の原資がすべて利益剰余金からの配当であったと仮定し(そもそも、本件配当の原資は本件事案被上告人の外国孫会社からの利益配当総額6億4400万ドルであった)、本件事案における被上告人の計算結果と比較すると、所得金額ベースで日本円にしておよそ132億円の差額が算出される結果となり、配当原資を被上告人子会社の段階で資本剰余金と利益剰余金に切り分けたことで、被上告人の申告所得金額の計算上、大幅な所得減算効果が生じたと考えられる。

(ハ) 配当直前の利益積立金額がプロラタ計算に反映されないこと

プロラタ計算の分母は、前事業年度終了時における簿価純資産価額に、払戻直前までの資本金等の額及び利益積立金額の増減額を加味することとされている(法令23@四)。しかし、利益積立金額からは、期中に生じた所得金額や受取配当等の益金不算入額が控除されることとなっているため(法令23@四イの読み替えにより法令23A二イ)、本件事案のような払戻法人から受領した期中配当は、プロラタ計算には反映されないこととなる。
 一方、会社法上、剰余金の配当はいつでも可能であり、原則は、分配可能額に最終の決算期後当該決算の確定時までの期間損益は反映させないこととされているものの(会社法446条)、例外として、臨時計算書を作成し(会社法441条@)、株主総会等で承認を受けた場合は、臨時決算日の属する事業年度の初日から臨時決算日までの期間における利益等を分配可能額に加算することができることとされている(会社法461条A二)。
 したがって、払戻法人が内国法人であっても、会社法上の臨時決算を行った上で、法人税法においては中間申告書を提出しなければ、配当直前の期中利益を含めることなく前事業年度の利益積立金額をマイナスにしたまま、前期末の簿価純資産価額によるみなし配当の計算が可能となる。今回のケースと同様の事態は、我が国法人間において実際に行われることはあまりないとも考えられるが、何らかの意図により実行しようとすれば十分に可能であるといえよう。

(4)外国における配当制度及び配当課税制度

本件事案のように利益積立金額がマイナスであるにもかかわらず配当ができたのは我が国会社法と被上告人子会社が所在する米国デラウェア州LLC法の配当制限の違いにあるとも考えられる。我が国会社法は大陸法系の会社法であり、資本維持を原則としているが、英米法系の会社法等に資本維持の原則は存在しないとされる。そこで、このような資本維持ないし配当規制に関して米国とドイツにおける会社法上の取扱いを確認し、さらに税法上どのように扱っているのかを確認した。
 米国における州会社法は、伝統的に州の権限に属するものとされ、会社に関する基本的事項は、ほぼすべて州法によって定められており、各州はそれぞれに独自の主権を有し、各州の法律は多様なものとなっている。会社法に関するモデル会社法は存在するが、あくまでも州ごとに修正が加えられている。そのような状況において、連邦所得税法は、我が国のように州会社法に依拠して「配当」を決めているのではなく、連邦所得税法上の「配当」を独自の観点から定めている。
 ドイツは米国と異なり、未だに会社法等において資本制度を堅持している状況にあり、出資払戻し禁止規定が存在し、配当は貸借対照表利益からの配当のみ認められている。法人税法においては、日本の会計上の資本剰余金に相当するような「租税出資勘定」という特別勘定を用いて、会社から給付(分配)される財産は、会社が保有する配当可能利益の範囲内の分配は利益の配当として扱われ、配当可能利益を超える分配は、「租税出資勘定からの払出し」=「資本の払戻し」として株主側において不課税として扱われている。
 以上のように、米国とドイツの私法上の配当と税法上の配当の範囲を確認したところ、両国ともに私法上の「配当」概念によることなく、税法独自に「配当」の範囲を定めているということがうかがえる。

(5)外国事業体からの配当に係る検討

税法において用いられる「資本剰余金」、「利益剰余金」及び「剰余金の配当」は、我が国会社法上の概念であり、我が国の税法は我が国会社法を前提としている。では、外国会社法に基づく「剰余金の配当」はどのように考えるのだろうか。
 本判決は、被上告人子会社がデラウェア州LLC法に準拠して組成された法人であるという前提のもと、「なお、追加払込資本(Additional Paid in Capital)は我が国の会社法上の資本剰余金に、留保利益(Retained Earnings)は同じく利益剰余金にそれぞれ該当する」(括弧書は筆者)と述べており、米国における追加払込資本と留保利益と我が国会社法上の資本剰余金と利益剰余金がそれぞれ同等である旨の判断をしているので、我が国の税法もその判断を前提として「剰余金の配当」について検討すればよいこととなる。
 本判決ではデラウェア州LLC法に基づく配当決議があったことについて、争いのない事実として認定され特に問題にはならなかったものと思われるところ、一般論として、外国における「剰余金の配当」とされるものや外国法人からの何等かの金銭の分配が、我が国税法上の「剰余金の配当」といえるかの検討は必要と考える。すなわち、我が国会社法と同等といえない、あるいは明白でないような外国会社法である場合における税法上の「剰余金の配当」該当性の判断枠組みについては、本件事案における残された課題と考える。

(6)我が国における「剰余金の配当」該当性の判断(外国私法準拠説と税法準拠説の併用)

ところで、外国事業体の我が国における「法人」該当性について争われた最高裁平成27年7月17日判決は、まず、外国準拠法上の規定の文言や法制の仕組みから、当該組織体が当該外国の法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されているかどうかについて、疑義のない程度に明白であるか否かを検討し(外国私法準拠説)、これが明白でない場合には、次に、当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かを判断すべきであり、具体的には、外国準拠法上の規定内容や趣旨から、我が国における法人概念の本質的属性の有無を検討し、判断すべきとしている(内国私法準拠説)。
 この当てはめに倣えば、「剰余金の配当」は、我が国の会社法からの借用概念であるので、出発点は我が国会社法ということになり、まず、当該外国会社法等において我が国会社法上の「剰余金の配当」に相当する性質を有するかどうかについて検討し、これが明白でない場合には、次に、外国会社法上の法的性質等から、我が国会社法における「剰余金の配当」の本質的属性の有無を検討することとなると考えられる。
 本判決における「剰余金の配当」該当性の判断枠組も、デラウェア州LLC法に基づいて組成された被上告人子会社を我が国における「法人」として扱うことを前提とし、我が国の会社法上、剰余金の配当は、「会社が、株主に対し、その有する株式の数に応じて会社の財産を分配する行為」とされているところ、被上告人子会社と唯一の社員である被上告人との間で、デラウェア州LLC法に基づき、同意書及びこれに添付された各決議書を取り交わしたことをもって、我が国における会社法上の「剰余金の配当」という行為が行われたものとみなし、また、「分配する会社の財産」を、被上告人子会社の会計処理上の「追加払込資本」と「留保利益」を送金した事実をもって、我が国の会社法上の資本剰余金と利益剰余金をそれぞれ原資とする「剰余金の配当」を行ったと判断したものと思われる。
 しかしながら、我が国会社法と当該外国会社法の制度そのものが全く似ていないような場合には、比較しても意味がないということになるし、そもそも配当原資の実態が解明困難であり、不明な場合が多いと思われる。したがって、我が国会社法上の制度に存在しないような「配当」あるいは分配金についての検討の在り方として、まず、当該外国会社法において我が国会社法上の「剰余金の配当」に相当する性質を有するかどうかについて検討し(外国私法準拠説)、これが明白でない、或いは異なるような場合には、我が国会社法においてその類似性の判断ができないのであるから、我が国会社法における属性と比較するのではなく、我が国税法上の「配当」概念における解釈と直接比較(税法準拠説)してその性質を検討し、「配当」該当性について判断してもよいのではないかと考える。
 諸外国の制度が様々であるところ、我が国の税制が拠って立つ制度と前提が異なる外国法制度の下で行われた「配当」についてどのように対応していくか、例えば、期中に配当決議無しで送金された金銭について、我が国税法を直接適用するのか、米国LLC法や我が国会社法を考慮した上で我が国税法を適用するのか、その判断の在り方を今後も検討する必要があると考える。

3 結論

法人税法が、剰余金の配当の概念を会社法から借用しながら独自の概念を必要とする理由は、「資本」に相当する部分と、法人が設立後に稼得した「利益」に当たる部分のうち、どちらから払い出したのかを区別するためである。その目的は、正確な課税所得を計算すること及び適正な課税を行う(利益に課税し、資本の払戻し(元本)には課税しない)ことである。
 外国事業体からの配当について検討する際、我が国の「剰余金の配当」は、会社法等からの借用概念でありながら税法固有の概念で修正していることが、外国事業体による「配当」該当性の判断を困難にしているものと思われる。法23条、法23条の2、法24条は、外国法人からの「配当」を予定しているものであるが、借用先の会社法上の概念だけでは、税法上の「配当」に該当するか否かが判断できない。したがって、前述したとおり、外国私法上の「配当」と我が国の会社法上の「剰余金の配当」とを比較して明白でない場合には、我が国税法上の「配当」概念における解釈と直接比較(税法準拠説)してその性質を検討すべきものと考える。
 会社法が資本と利益の混淆を許容していることを前提とする中にあっても、法人税法における資本と利益の区分は重要であると考えるが、そのために納税者に現行の方式以上の厳密な区分を要求することは、かえってコストや時間的な面から大きな負担になると考えられる。そもそも、プロラタ計算自体が「一種の割り切り」計算なのであるから、納税者に過度の厳密さを求めるのではなく、むしろ、納税者の恣意性を排除する方法への転換を検討してもよいのではないだろうか。
 米国では、「E&P」という連邦所得税法独自の概念により、株主側の配当所得と資本の払戻しを区分し、ドイツでは、「租税出資勘定」という税法上の概念により、当期利益の範囲内の配当を配当課税し、当期利益を超える部分は租税出資勘定からの払出しとして資本の払戻しとして不課税としている。
 米国のE&Pは、我が国でいえば利益積立金額に相当するものであり、利益積立金額の範囲内の分配を株主の配当所得とするという取扱いは、原資を選べるという恣意性は排除され、また、配当が本来会社の稼得した利益から生じるものであるという考え方とも整合的であると考える。


目次

項目 ページ
はじめに 15
第1章 我が国における配当概念 17
第1節 法人税法上の「剰余金の配当」 17
1 法人税法における「剰余金の配当」 17
2 混合配当における法23条と法24条の適用関係 19
3 税法における「剰余金の配当」概念 20
4 法人税法における資本と利益の峻別 24
第2節 会社法上の剰余金の配当 26
1 「剰余金の配当」の意義 27
2 剰余金の配当と分配可能額規制 30
3 臨時決算による期中損益の分配可能額への反映 31
第2章 最高裁令和3年3月11日判決を巡る 諸問題 33
第1節 本件事案の概要等 33
1 事案の概要 33
2 前提となる事実関係 33
3 本件事案の前提となる法令等 38
第2節 本判決の要旨と意義 43
1 本判決の要旨 43
2 本判決の意義 46
第3節 本件事案を巡る残された問題等 50
1 混合配当に係る法23条と法24条の適用関係の考察 50
2 配当個数の捉え方 53
3 法24条1項3号及びプロラタ計算に係る問題点 55
4 みなし配当と有価証券譲渡損益の関係 59
5 マイナスの利益積立金額からの配当に係る問題点 61
第4節 小括 65
第3章 外国事業体からの配当を巡る問題 67
第1節 外国における配当概念と配当課税制度 67
1 米国 67
2 ドイツ 72
3 小括 73
第2節 外国事業体による資金還流の性質決定に係る検討 74
1 外国事業体が法人か、パス・スルー課税される事業体かによって異なる課税関係 74
2 外国事業体からの「剰余金の配当」の検討 76
3 我が国における「剰余金の配当」該当性の判断(外国私法準拠説と税法準拠説の併用) 79
4 税法準拠説を採用したと思われる裁判例 81
結びに代えて―今後の課題― 85
1 令和4年度税制改正について 85
2 借用概念の解釈 87