はじめに

 令和8(2026)年は、昭和100年に当たります。1926年から1989年まで続いた昭和時代は、都市化や重工業の発展など経済大国への道を歩みました。その反面、戦争など忘れてはならない大きな犠牲も伴いました。
 この昭和という時代は、観点によって見え方は大きく変わると思います。
 租税史料室では、昭和元(1926)年から昭和25(1950)年までの昭和前半期に焦点を当てています。約64年続いた昭和時代の中でこの25年間は、日本史上において大きな変革が何度も起きた時期でした。
 税の世界だけで見ても、源泉徴収制度や申告納税制度の導入、国税庁の創設など今日の税制に直接繋がっている重要な制度がいくつも導入されてきました。
 その一方で、戦時期の一時期だけ存在した税や、密造酒の氾濫など徐々に人々の記憶から忘れられようとしているものもあります。
 本展示では、そうした昭和前半期を振り返る史料を展示しています。展示を通して、激動の社会情勢の中で税務署がどのような仕事をしてきたのかを振り返ってみようと思います。
 昭和100年の年に税務署の目線から昭和時代を見ていただければ幸いです。

特別展示の風景

目次

はじめに

  1. 1 昭和の始まりと税務署
  2. 2 戦時下の税務署
  3. 3 戦後復興と国税庁の創設

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