〜 デジタル・ガバメント 1 の実現に向けて 〜
令和5(2023)年6月に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に基づき、納税者の自発的な納税義務の履行を円滑かつ適正に実現するため、UI・UXの改善による利便性向上や業務・システムの効率化・合理化など、国税関係手続のデジタル化推進に取り組んでいます。
具体的には、マイナンバーカードでe-Taxを利用する個人の方を対象に、本人情報等を確認できる「マイページ」の運用や、申告時のマイナンバーカードの読取回数を削減するなどの改善を実施しています。
そのほか、マイナポータル連携による申告書の自動入力対象拡大など、今後も手続全体のデジタル
化とUI・UXの改善を推進していきます。
国税関係業務は、国民の権利義務と密接に関わっており、大量の納税者情報を管理しているため、システムに障害が発生した場合には、国民に多大な影響を与え、税務行政に対する信頼を損なうことにもなりかねません。このため、システム機器の定期的な更新を実施するなど、システムの安定的な運用を図っています。
また、職員が職務上必要な情報しか利用できない仕組みにするとともに、定期的なセキュリティ監査を実施するなど、不正利用や漏えいの防止に細心の注意を払っています。
なお、データを保有するe-Tax及びKSKシステムの基幹システムは、平成19(2007)年に国際的標準規格に準拠した、ISMS2 適合性評価制度に基づく認証(ISO/IEC27001・JISQ270013 に基づく認証)を取得し、以降は定期的に更新しています。
さらに、令和2(2020)年には、法人番号の指定などを行うシステムについても、同認証を取得しました。
KSKシステムは、全国の国税局と税務署をネットワークで結び、地域や税目を越えた情報の一元的な管理により、各種事務処理の高度化・効率化を図るために導入したコンピュータシステムです。
国税庁においては、ICTの活用による「納税者の利便性の向上」と「課税・徴収の効率化・高度化」を目指していくこととしており、これを実現するためのインフラとして、令和8(2026)年度の本格導入に向けて、次世代システムの開発を進めています。
次世代システムについては、
といったことを開発コンセプトとしています。
国税庁は、個人の所得情報など、様々な情報を保有しています。これらの情報は厳格に管理する必要があり、情報が漏れるようなことがあれば、納税者の協力は期待できなくなり、円滑な調査・徴収等に支障が生じかねません。
このため、税務職員が税務調査などで知った秘密を漏らした場合には、国家公務員法上の刑事罰(1 年以下の懲役又は50万円以下の罰金)よりも重い税法上の刑事罰(2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)が科されることとなっています。
職員に対して、定期的に情報セキュリティに関する研修を行っているほか、調査などに際し、質問する場所についても、プライバシーに配慮し、店舗先や玄関先はなるべく避けるようにしています。
また、国税庁は特定個人情報(マイナンバーをその内容に含む個人情報)などを取り扱うことから、マイナンバー法などの関係法令の趣旨を踏まえ、行政文書の管理状況を定期的に点検するなどにより、国税庁の保有する納税者情報を厳正に管理するよう努めています。
「内部事務のセンター化」は、複数の税務署の内部事務について、専担化した組織(業務センター)で集約処理することにより、事務の効率化と事務の正確性の確保を目指す取組です。
順次、対象となる税務署を拡大しながら、令和8(2026)年には、全ての税務署を対象に内部事務のセンター化
を実施することを予定しています。
国税庁では、税務行政のデジタル・トランスフォーメーションの取組をより一層推進するため、令和5(2023)年度の国税専門官採用試験から、従来からの法文系の方向けの国税専門A(法文系)とは別に、新たに理工・デジタル系の方向けの国税専門B(理工・デジタル系)を創設しました。
詳しくは、国税庁ホームページをご覧ください。