Ⅱ 納税者サービスの充実と行政効率化のための取組
2 確定申告
～ 所得税の申告者数は2,295万人。半数以上は還付申告 ～
確定申告は、納税者が1 年間の所得と税額を計算し、申告・納税を行う手続です。申告義務がある方のほか、一定の医療費の支払があったことなどにより、税が還付となる方なども確定申告を行っています。令和４（2022）年分の所得税の確定申告を行った申告者は2,295万人に上り、国民の5人に1人が確定申告を行っていることになります。そのうち、還付申告者は、1,333 万人を超え、半数以上を占めています。
（1） 自宅からのe-Taxによる申告の推進
国税庁では、確定申告会場へ来場することなく、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」等を利用して、自宅から納税者ご自身でe-Taxによる申告をしていただくことを推進しています。
なお、令和４（2022）年分の確定申告では、納税者ご自身による自宅からのe-Taxをされた方が592万人と、前年分である令和３年分の約1.3倍に増加しました。
自宅から納税者ご自身によりe-Taxで申告書を提出した方の推移
自宅から納税者ご自身によりe-Taxで申告書を提出した方と確定申告会場でe-Tax又は書面により申告書を作成及び提出した方のグラフ。
平成30年分は、自宅から納税者ご自身によりe-Taxで申告書を提出した方は115万人、確定申告会場でe-Tax又は書面により申告書を提出等した方は428万人。
令和元年分は、自宅から納税者ご自身によりe-Taxで申告書を提出した方は186万人、確定申告会場でe-Tax又は書面により申告書を提出等した方は381万人。
令和２年分は、自宅から納税者ご自身によりe-Taxで申告書を提出した方は321万人、確定申告会場でe-Tax又は書面により申告書を提出等した方は345万人。
令和３年分は、自宅から納税者ご自身によりe-Taxで申告書を提出した方は442万人、確定申告会場でe-Tax又は書面により申告書を提出等した方は311万人。
令和４年分は、自宅から納税者ご自身によりe-Taxで申告書を提出した方は592万人、確定申告会場でe-Tax又は書面により申告書を提出等した方は289万人。
自宅から納税者ご自身によりe-Taxで申告書を提出した方のうち、スマートフォン等を利用された方は、平成30年分は、13万人。 令和元年分は、47万人。
令和２年分は、102万人。 令和３年分は、153万人。 令和４年分は、249万人。
令和４年分所得税等の確定申告人員のうち主な提出方法に係る提出人員の表
令和４年分の所得税等の確定申告を行った方2,295万人のうち、自宅等からのe-Taxで申告書を提出した方は1,076万人、確定申告会場でe-Tax又は書面により申告書を提出した方は289万人、地方公共団体会場からe-Taxで申告書を提出した方は154万人。
自宅等からのe-Taxで申告書を提出した方1,076万人のうち、自宅から納税者ご自身によりe-Taxで申告書を提出した方は592万人、税理士によりe-Taxで申告書を提出した方は484万人。
自宅から納税者ご自身によりe-Taxで申告書を提出した方は592万人のうち、スマートフォン等を利用された方は249万人。
- ※ カッコ内の数値はスマートフォン等を利用された方です（スマートフォン等を利用した提出は、平成30年分から開始された施策です。）。
～「 確定申告書等作成コーナー」の提供 ～
国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に沿って金額等を入力すると、所得金額や税額が自動計算され、所得税、個人事業者の消費税等、贈与税の申告書や青色申告決算書などを正確に作成することができ、作成した申告データはそのままe-Taxで送信できます。
なお、マイナポータルと連携することで、医療費通知情報や生命保険料・ふるさと納税の控除証明書等の情報を一括取得し、該当欄に金額等を自動入力することができます。
また、「確定申告書等作成コーナー」では、より多くの方にご自宅からご利用いただけるよう、スマー
トフォンで見やすい専用画面を用意するなどの取組を進めています。
スマートフォンを利用した所得税申告について
スマートフォンで見やすいデザインの画面（スマホ専用画面）を導入し、その対象範囲を順次拡大しています。給与所得（勤務先から給与収入がある方）、雑所得（年金収入や副業の収入がある方）がある方のほか、青色申告決算書や収支内訳書を作成される方についてもご利用が可能です。
また、スマートフォンのカメラで「給与所得の源泉徴収票」を撮影することで、確定申告書等作成コーナーへ自動入力することができます。
- ※1 スマホ専用画面は、令和４年分の申告のみご利用になれます。
- ※2 上記以外の所得、各種控除等がある場合は、パソコンと同じ画面で作成可能です。
～「 確定申告書等作成コーナー」を利用してe-Taxにより提出する方は年々増加 ～
令和４（2022）年分の確定申告期においては、「確定申告書等作成コーナー」を利用して自宅等からe-Taxで申告書を提出した方は、税理士の代理送信を含めて561万人で、平成27（2015）年分以降、利用者は年々増加しています。また、「確定申告書等作成コーナー」を利用して書面で申告書を提出した方（351万人）を初めて超えるなど、書面からe-Tax申告への移行が更に加速しています。なお、561万人のうち、約249万人がスマートフォン等で確定申告書を作成しています。
（2） 多様な納税者ニーズへの対応
～ 入場整理券による確定申告会場の混雑緩和～
確定申告期間中は、確定申告会場への入場に「入場整理券」を配付することで確定申告会場の混雑緩和を図っています。
入場整理券は各会場で当日配付するほか、オンラインによる事前発行も可能です。
～ 確定申告期間中における日曜開庁の実施 ～
「申告相談を平日以外にも対応してほしい」という納税者からの声を受けて、確定申告期間中の特定の日曜日に一部の税務署を対象として申告書の受付や申告相談などを実施しています。
地方公共団体との協力
納税者利便の向上や行政事務の効率化を図るため、国と地方公共団体との間で所得税申告書等のデータを相互 に提供するなどの取組を進めています。
