課税部長
 課税部長の村上でございます。座って説明をさせていただきます。
 今週から平成14年分の確定申告が始まっているわけでありますが、確定申告に対する取組について若干御説明をしたいと思います。
 資料をお出ししておりますが、資料No2ということで、カラーコピーを御覧いただきたいと思います。
 昨年も御説明をしたかと思いますが、確定申告は現在できるだけ納税者御自身に確定申告書を書いていただき、分かりにくいところがあれば助言をさせていただくと、そういう方式でやらせていただいています。これを称して自書申告と言っているのですが、そのために納税者の方が自分で書いていただくための種々のサポートというのをやっております。その1つでありますが、本日御紹介したいのは、1ページにございますが、国税庁にホームページがございます。本年の確定申告から、インターネットに接続したパソコンで作成していただきました申告書をそのまま提出できますように、国税庁のホームページの機能拡充を図っております。
 この部屋の奥の右側にパソコンがあります。遠いので見えないかと思いますが、後ほど御興味のある方は御覧いただきたいと思いますが、あれは国税庁のホームページに接続しているものでございます。
 従来は、ホームページの中で計算シュミレートコーナーというのがございまして、パソコンで計算をしていただくのでありますが、その計算結果を実際の申告書に転記をしていただくという煩わしさがございました。といいますのは、確定申告書というのは、OCR、光学式文字読み取り装置といいますが、そういうもので読むような申告書になっております。昔はこういうものはキーパンチして入力したわけでありますが、今は自動的に読み取って入力いたしますので、申告書の用紙が決まっております。色・サイズ、これが決まった申告書を使っていただいているわけでありますが、パソコンではこの規格どおりに用紙を印刷をするということが非常に難しかったわけです。実はプリンターは各社によって全部仕様が違います。今回ホームページから各社に、エプソンとかキャノンとか何でもいいのですが、その会社のホームページにリンクしております。そういうことをすることによって、印刷機が非常に多様ではございますが、印刷される用紙のサイズ・色が統一できたということがあります。そういう所得税の確定申告書作成コーナー、コーナーというのは別に隅という意味ではなくて、ホームページ上の位置を言っていますが、そういうものをやったわけであります。カラープリンターで、所定の手続、若干複雑でありますが、所定の手続に従ってAサイズの普通紙に印刷していただければ確定申告書が印刷できる。それをプリントアウトしていただきまして、郵送していただくなり、あるいは税務署に持って来ていただくと。電子申告になりますと、そのまま電子的に申告できるわけですが。それは来年以降の話でございまして、まだそこまでいっておりませんが、そういう形でやったわけでありますが、こうしますと申告書を事前に所定の様式を取りに行く必要がございませんし、インターネットですから24時間作成できるということなんです。
 ただ、今日御報告するのに大変ばつが悪いのですが、非常にアクセスが多くて、昨日までで170万件アクセスがあるのですが、実はサーバーの容量をどうもオーバーいたしまして、ちょっと今つながりにくい状況が続いております。現在、その状況の解消のための対応をとっているところです。せっかく宣伝したかったのですが、非常にばつの悪いタイミングで大変申しわけないのですが、それだけやはり好評だということだと思います。予想以上にアクセスが多かったということは、それだけパソコンも普及しているわけでありますし、やはり家で24時間できるわけでありますから、そういうニーズもあったのかなというふうに理解してございます。
 次に、お配りしております資料の3ページを御覧いただきたいのですが、国税庁のホームページには種々の税務情報を掲載いたしております。そういうことで、うちのホームページにアクセスすることにより、夜遅くでも税情報を取り出せるという仕組みがございます。一部の情報は、携帯電話からも御利用いただけます。
 それから次の4ページですが、やはりこの部屋の奥の左側に入っていますが、銀行のATMと似たような仕組みでありますが、要はタッチパネル方式の自動申告書作成機といっております。順次メニュー画面が出ますので、ATMと同じようにボタンをタッチしていただいたり、数字などを入力していただく必要はありますが、順次操作していただきますと、最終的には申告書は印刷できて出てまいります。
 このタッチパネルにつきましては、5ページを御覧いただきたいのですが、現在4,600台ぐらい各税務署に配置いたしております。現在、税務署が524署ございますので、税務署以外にも還付センター等々もあるのですが、そういうところにも置いてございます。従来、順次これも機能拡大をいたしておりまして、最初のうちは、割と簡単な申告書しかできなかったわけでありますが、本年分からほとんどすべての申告書、本当にすべてではないのですけれど、大多数の申告書ということですが、対応可能。特に今年から分離課税、分離課税といいますと、株の譲渡益であるとか不動産分離課税でありますが、そういったこともできるように対応いたしております。
 それから次に申告書の様式の件でございますが、特段資料をお配りしてございませんが、昨年も説明したかと思いますが、申告書を約40年ぶりに大幅改正をいたしております。今、A様式・B様式という、こういう申告書になっております。これは昨年から改正いたしました。分離課税は別途あるのですが、基本的にAとBで対応できるようにいたしました。昨年は初めてだということで、若干税務署の来署者も多かったのでありますが、今年は2年目ということで、恐らく皆さん昨年の控えを持っておられると思いますので、それを転記していただければ税務署に来られる方も減るのではないかと思っております。これにつきましても、やはりいろいろ御意見をお聞きしまして、年々改善していきたいと思っております。今年は特に控えの複写ができるようにいたしまして、これは住民税の申告用と、お手元の控え用と3枚あるのですが、複写ができるもので、1つ書いていただければ写るというのですが、そういうふうに改良いたしました。それから、手引きを見ながら書いていただくということですが、なかなかこの手引きも分かりにくいと。昔は役所の通達集みたいな手引きだったのですが、最近は少し分かりやすい、色も多色刷りにいたしまして順次分かりやすい表形式にしまして、改善を進めているところであります。また納税者の方々の御意見を賜りましてさらに改良していきたいと思っております。
 それから資料の7ページ目、還付センターの設置状況というのがございます。これは税務署以外の場所に、地区もまちまちで若干分かりにくいという御批判もありますが、例えばJR東京駅、これは日本橋口なのですが、もう既に終っておりますが、実際の確定申告前の還付申告用の会場ですが、そういう署外での還付センターとかを全国的にたくさん用意させていただいてございます。こういうことでいろいろやりまして、確定申告期というのは大体申告件数が2,000万件ございまして、かなりの方が従来、税務署に来られていたわけです。それで実際にうちの職員と1対1、フェーストゥフェースで申告書を書いていただいたのですが、そうしますと大変混雑いたします。確定申告期は大変待たなければならない。税務署に長時間お待ちいただくというのは精神衛生上も決してよくないわけでありますから、そういう待ち時間は大分短縮できていると思いますし、税務署に行かなくても郵送で、来年以降は電子申告も考えておりますが、種々の納税者サービス向上に努めているところでございます。何せ、確定申告期というのは非常に多数の納税者と接する機会がございますので、この時期の事務運営というのが、我々税務行政に対する評価に非常に影響するかと思いますので、組織を挙げて確定申告事務が円滑にいくよう努力いたしておるところでございます。
 以上で説明を終らせていただきます。

それではただいま現在の確定申告の簡単な御説明、申告書の様式、あるいは申告の仕方について御説明いただいたわけですが、どうぞ何か関連することで御質問を。

阿刀田委員
 文芸家協会というところがございまして、文芸家は確定申告をほとんど個人で皆さんやります。こういうことを言っても仕方がないのかもしれませんが、文芸家というのはこういうことが非常に下手な人たちが、大体3,000人ぐらい会員がおりまして、実際事務をやるとき、事務局に1人こういうことに大変精通した職員がいるのですけれど、私が聞いているところでは、税務にかかわる事務の実際的なサジェスチョンは税理士でなければできないという、つまり書いたり、あなたはつまりこう書けばいいのよとか、いろいろな指導というものは税理士の資格を持っているものでなければ基本的にはできないというふうに聞いております。けれども実際かかってくるのは余りにも幼稚な質問であったり、時にはそれを一々税理士に回してお伺いするようなことでもないものがあって、難しいことは当然税理士に聞きますので、大体できることの範囲ですが、それをやはり公的に事務局の何とかさんにお聞きなったらいいでしょうということが非常に言いにくい。私は税務の委員長をやっておりますけれども、税務委員長としてそのことは公で言うことが非常につらい。それからまた今度今みたいな機械処理みたいなことになってくると、今度機械処理の記入というのも、これもつまりあなたこういうふうにやればいいのよというようなことができないところもあるのですが、そのあたりはどのように考えたらよろしいでしょうか。

会長
 ただいまの点、これは。

課税部長
 税理士法上、そういう税務代理であるとか税務書類の作成であるとか、納税相談・税務相談は税理士の独占的業務になっておりますので、やはり税理士でないとできないとお答えせざるを得ない。当局ももちろんできますが。文芸家協会に顧問の税理士さんは。

阿刀田委員
 もちろんおります。

課税部長
 したがって、その方の監督下でやっていただくということではないかと思うのですが、それは各種機関いろいろございますが、青色申告会等々、それぞれ税理士さんと御契約されておられますので、その税理士さんの指導の下にやっておられるというふうに我々は理解いたしております。

阿刀田委員
 もちろん本当に簡単なことなのですね、こういうのは必要経費になるのだろうかとか、税理士から大体こんなものですよ、というのをいただいている。その範囲のことでしかないのですけれども、私が客観的に見ていて、特に専門的な知識がなければできない事務ではない。つまり、このことはこういうふうにやっていいだろうという程度の範囲にとどめているのですけれども、その辺の兼ね合いをよく伺っておきたいと思いまして。

会長
 森委員、何か。

森臨時委員
 私どもから言うことはないのでありまして。問われればやはり独占業務ですから。今課税部長がおっしゃいましたように顧問の先生がおられるわけですから、そこを先生の指導の下に簡単なものは。なぜ独占業務をしているかということは、もし間違ったりして、職務を損なったらいけないということで独占業務ということでやっているわけですけれども、簡単なことであれば税理士さんの指導の下にということしかないと思いますけれども、そこは。

阿刀田委員
 わかりました。大体の雰囲気が。

会長
 ほかに何かありますか。

三屋委員
 非常にネットでアクセスできるというのは、私たちもありがたいのですけれども、アクセスしやすいということはそれだけハッキングしやすいということにもまたつながるような気がするのですけど、その辺のネットセキュリティの部分はどのくらいお考えになっているのですか。

課税部長
 一応今の確定申告書作成コーナーも暗号化されています。したがって少しデータ量が多くなって、そういうのも負荷がかかる理由なのですが。一応そういうセキュリティの対策は講じておりますが、インターネット上でうちのサーバーと納税者のパソコンをつないで、個人情報をやり取りしますので、情報が流れるわけですね。したがってそれは暗号化されております。しかしそれがどの程度のセキュリティかとなると。

会長
 どなたか、国税庁の方。長官が何か、あるいは次長。

長官
 国税庁の場合は、まず基本的なデータベースシステムというか、コンピューターシステム、KSKというのを持っております。国税総合管理システムの頭文字を取ったシステムですが、これが一番基本でございます。これについては納税者の方の情報がハッキングによって外に出ると大変なことになりますので、全くクローズなシステムにしております。したがって外とつながっておりません。そこのデータを取り出すときもオンラインで取り出すことはしておりませんで、全部例えば私ども、例えば滞納している方にコンピューターがどんどんお電話をかけるというセンターを作っているのですけれど、そういうときもそのKSKから取り出そうと思えばオンラインで取り出せるのですけれども、そうはしないで、MOのようなものにいったん入れて、そちらへまた持っていくということで、外とつながっていないようなシステムにしております。そういうことでまず1つやっております。
 なお、今回のシステムは、申告書を出力するだけの話ですので、納税者のデータは申告書の出力後消される仕組みになっています。

個人課税課長
 今回の確定申告書作成コーナーはデータを送っていただいて、その計算結果をまた送り返すということになっておりますが、それは暗号を使っておりますので、外に漏れません。それとまた送っていただいたデータはすべて消去しておりますので国税のほうにデータが残らないということでございますので、一切申告の内容が外に漏れることがないようなシステムをとっております。

三屋委員
 分かりました、ありがとうございました。

長官
 もちろんハッキングもどんどん進歩していますものですから、安全対策は常に難しいのですが、いずれにしてもまず外とつながないということが一番肝心なことですから、KSKについてはそういう面で少し不便はあるのですが、KSKに入っている膨大なこの税務データを外とつないで漏れるよりは、つながないで不便なほうがまだいいかなというぐらいのつもりで実はやっているというものでございます。

宮島委員
 極めて単純なことですが、この還付申告センターの具体的な設置場所をいいますと、どう見ても国税局管内の人口数とは大幅にかけ離れている設置場所になっているような。これは一体税務署の設置数との関係なのか、あるいは設置場所に制約があったり、了解を得るためにいろいろ難しいから簡単にいかないのか。福岡管内にはものすごく数があって、東京管内はせいぜいこの程度という、何かサービスとしてはややばらつきがあるような気がしてしょうがないのですが。

課税部長
 一応還付ということで、一番古いのは福岡が非常に古いのですが、平成元年からやっているのですが、やはりそういう便利な場所にどれだけ借りられるスペースがあるかどうかですね。一年中借りているわけではありませんので、この期間だけでありますから、特定の期間に借りるというのは相当制約がございます。したがいまして必ずしも申告書枚数と連動していないかもしれないのですが、要するに平たく言いますと、いろいろ当たってみて、借りられるところでサービスをやっているとしか言いようがないのでございます。ただやはり我々は行政でありますから、たくさんやればいいのに越したことはないのですが、効率性という問題もありますから。例えば東京駅ですと非常に通勤客が多いわけですから、利用者が非常に多いんですが、福岡の場合は小倉と福岡は非常に利用者が多いんですが、いわゆる郡部になりますと利用者はやはり当然少なくなるわけですね。しかしそこには人員配置する必要はありますから、申告書を収受いたしましたら受け取りますから、やはり最低だれかがうちの職員がいないとまずいわけですので、そういうこともありますので、すべて申告枚数に見合った形ではなかなか設置できていないところです。

会長
 ほかに何か御質問あるいは御意見ございませんでしょうか。
 それでは、次の議題に移ります。
 「酒類行政を巡る最近の動き」。酒税課長、よろしくお願いします。

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