酒税課長
 恐れ入ります。同じく説明資料1の5ページに戻っていただきたいと思います。酒類分科会について御説明をいたします。
 酒類分科会は、各法令に従いまして、酒税保全のための命令、酒類の表示基準の制定、酒類の表示に関する命令、エネルギーの使用の合理化計画に係る命令、リサイクルに関する表示事項の遵守命令について調査審議していただくために国税審議会に置かれた機関でございまして、10人の委員で組織されることになってございます。
 5ページ以降、手続の流れを示してございますが、まず酒税保全のための命令と申しますのは、酒税の滞納等のおそれがあると認められる場合に、財務大臣から酒類製造業者等に対しまして、酒類の製造数量でございますとか価格などについて出される命令でございます。
 次の酒類の表示基準と申しますのは、例えば吟醸酒・純米酒といった特定名称を表示する場合の基準のことでございまして、酒類の製法・品質につきまして、酒類製造業者が遵守すべきとして財務大臣が制定する基準であります。
 次のページ、酒類の表示に関する命令でございますが、これは特に表示の適正化を図る必要があると認められる事項について、財務大臣から酒類製造業者等に出される命令でございます。
 以上、3つのものが酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律によって規定されているものでございますが、これらの命令や表示の基準を定めようとするとき、財務大臣はあらかじめ国税審議会に諮問する必要があるものでございます。
 次のエネルギーの使用の合理化計画に係る命令と申しますのは、エネルギー使用について適切な合理化計画を作成等すべきとして、財務大臣から事業者に対して出される命令でございます。
 また、次のページに参りまして、リサイクルに関する表示事項の遵守命令と申しますのは、消費者の分別排出に資する観点から、酒類容器に表示義務が定められているリサイクルマーク等を記さない事業者に対して、財務大臣から出される命令でございます。
 これらの命令につきましては、一定の手続後、国税審議会の意見に基づきまして、事業者に対して財務大臣の指示あるいは勧告に係る措置をとるべきことを命じることができるものでございます。
 以上が法定の審議事項でございますが、今後とも、納税者等の酒類に対する関心が高まっていることから、幅広く審議会又は分科会で深度ある御審議をお願いいたしたいと思います。
 なお、説明資料2の3ページに、従来ございました中央酒類審議会の開催状況等について参考資料を掲げてございますので、御参照いただきたいと思います。

審判所次長
 不服審判所次長の村木でございます。座って御説明させていただきます。
 本日は第1回目の国税審議会でございまして、メンバー全員の方がお揃いでございますので、既に実は昨年の秋に国税審査分科会の皆様には御説明をさせていただきましたけれども、少しお時間をいただきまして、国税不服審判所の概要につきまして御説明をさせていただきます。
 お手元に、『審判所ってどんなところ?』というクリーム色のパンフレットをお配りさせていただきました。後ろの方になって恐縮でございますが、その12ページをお開きいただきますと、国税不服審判所の所在地・管轄というページがございますので、御覧ください。国税不服審判所は、この建物にあります本部、4階にございますが、このほかに、国税局の管轄区域と対応いたしまして全国に12の支部がございます。このうち5支部には、審査請求人の便宜を図るために7つの支所というものを置いております。これら、本部を含めました審判所の定員は、現在478名───約500名弱と、こういう形になってございます。
 次に、恐縮でございますが5ページをお開きいただきますと、図1に国税の不服申立制度の概要というのがございますので、御覧ください。これは税務署長や国税局長の行った更正処分や滞納処分など、国税に関する法律に基づく処分につきまして納税者が不服がある場合には、原則として、まずこれらの処分を行った税務署長、場合によっては国税局長に対しまして、処分の通知を受けたときから2か月以内に異議申立てをすることができます。その異議申立てに対する税務署長等の判断、これを異議決定と言っておりますけれども、この異議決定になお不服がある納税者は、異議決定を受けたときから1か月以内に国税不服審判所長に対しまして審査請求をすることができます。つまり審判所は、異議申し立てにおいて認められなかった処分につきまして、原処分庁と納税者との間に立ちました公平な第三者的立場で、合議体を通じまして調査・審理を行い、その議決に基づきまして判断を下す機関であります。この判断のことを「裁決」と言っております。
 次に隣の6ページをお開きください。ここに審判所の権利救済機関としての特色を3つほど掲げてございます。
 まず(1)には、「税務の執行機関である税務署や国税局から独立しています」とございます。先ほど審判所長からも申し上げましたとおり、審査請求が行われますと、審判所は納税者と原処分庁の双方から意見をお聞きし、また必要があれば自ら調査を行いまして、公平な第三者的立場で審理した上で裁決を行うということでございます。
 次に、(2)の「国税庁長官の通達に示されている法令解釈に拘束されません」という点でございますけれども、審判所長は、国税庁長官の通達に示されている法令解釈に拘束されることなく、個々の審査請求に即しまして最も適正、妥当と認められる法令解釈に基づいて裁決をすることができることとされております。もっとも、同一の法令につきまして国税庁と審判所とが違った解釈をとるということは、租税負担の公平の見地からも適当ではございませんし、また税務行政に混乱を招くことにもなります。そこで審判所長は、国税庁長官の通達と異なる法令解釈により裁決をするとき、あるいはほかの国税の処分を行う際における法令解釈の重要な先例となると認められる裁決を行うときには、あらかじめその意見を国税庁長官に申し出ることになっております。そして国税庁長官は、審判所長の意見を相当と認めない場合は、その意見を国税審議会に諮りまして、国税審議会の議決に基づいて審判所長に指示すると、こういう仕組みになっております。
 さらに、7ページの(3)の「国税審判官等には国税に関する学識経験者等も任命されています」という点でございますが、審判所の独立性を保ち、裁決に対する信頼を保つために、国税審判官等には、これまで、裁判官、検察官、大学教授等の国税に関する学識経験を有する方々が任命されておりまして、審判所長を初め支部の首席国税審判官などの枢要な役職についていただいているところでございます。
 ここで、最近の審査請求事件の発生及び処理の状況について御説明させていただきたいと思います。お手元に配付させていただきました説明資料3、最近の審査請求事件の発生及び処理の状況を見ていただきたいと思います。
 この審査請求事件の発生状況についてでございますが、平成11会計年度───11年4月から12年3月、この間におきます審査請求事件の発生件数は、右上にございますが、3,064件と、このようになっておりまして、ここ数年は、そこにございますように、おおむね3,000件前後の発生件数で推移しておりました。しかしながら、12年度に入りましてからは、現在までのところ少し増加傾向にございます。次に処理の状況でございますけれども、平成11年度には2,997件、おおむね発生に見合うような件数を処理しております。処理の内訳を見ますと、その下にありますように、納税者の主張の全部又は一部を認めました、「全部・一部取消し」と書いてこざいますが、この件数は431件となっておりまして、その構成割合、いわゆる取消割合と私ども言っておりますが、これは14.4%となっているところでございます。
 以上、簡単ではございますが、国税不服審判所の概要につきまして御説明させていただきました。どうぞ。

総務課長
 以上で一通り御説明申し上げましたが、何か御質問等がございましたらお願いいたします。

岡野委員
 簡単な質問なのですが、最後の御説明の中で、平成10年度、発生件数が3,098件で処理数が3,232件と、処理数の方が多いというのはどういう状況でございますか。

審判所次長
 実はどうしてもずれがございまして、前年度からの繰越分とか、その年度に発生したものがその年度にすべて処理されるということはなかなかございませんで、少しずつずれがございまして、繰越分を処理した結果でございます。タイム的なずれでございます。

岡野委員
 ありがとうございました。

審判所次長
 ちなみに、やはり私どもは発生したものをできるだけ早く処理するような形を考えておりますが、どうしても若干年度末に残っておりまして、大体発生が3,000ぐらい、処理がまた3,000ぐらい、残りも同じぐらい残ってしまうというような状況でございます。

岡野委員
 ありがとうございます。

総務課長
 そのほかに何か御質問はございませんでしょうか。
 水野委員。

水野委員
 ちょっとお時間をとって恐縮なのですが、今、御説明いただいたパンフレットの6ページ、7ページに、審判官には学識経験者等も任命されていると、こういう御説明なのですが、一般的に審判官というのは、大体、国税庁、国税局、税務署を通して、どういうふうに選ばれるのかとか、何かお話をいただけたらと思うのですが。と申しますのは、日ごろの国税の税務というのは、大体現場の方ですと調査が中心で、いわゆる租税法の解釈とかといった問題よりも、事実がどうなっているかとか金額がどうかと、そちらのほうに関心のトレーニングばかりやっておられると思うのですが、こういういわゆる紛争解決の争訟の問題になりますと、いきなりこちらへ連れてこられて戸惑う職員の方もあると思うのですけれども、何か差し障りのない範囲で結構なのですが、大体どういう基準で選ばれているのかなと関心を持ちまして伺った次第ですが。

審判所次長
 そうですね。国税審判官と副審判官、それから審査官という形で3段階の役職がございます。それで、先生おっしゃるように、学識経験者はかなりの人数を登用してございますけれども、大部分は国税の職員でございます。したがいまして、審査官や、副審判官あるいは審判官になるような直前は、おおむね国税の税務署や国税局で仕事をしていたという人がほとんどでございます。おっしゃるように大分仕事の中身が違いまして、調査や滞納処分等をやっていた人間がこちらに来まして、税法に則って、あるいは通達を見ながら適正な判断をしていくということになりますので、私ども採用に当たっては、できるだけそういう適性があるような人間ですね、例えば訟務官室とか、あるいは国税局の審理にいたような人間を、全員がそうではございませんが、できるだけそういう審理的な能力の高いと思われるような人をとるような形に努めております。
 それから、もう一つは、例えば副審判官や審判官に採用するような人材につきましては、できることならば一度、例えば副審判官なり審査官をやりまして、不服審判所の経験のあるような人材をできるだけ人事としてはこちらに来ていただくようには配慮しておるのですけれども、実際のところなかなか、先ほど申し上げたように500人弱の人間のうち、大部分がそういう審理の経験者とか、あるいは以前に国税不服審判所に勤めていた経験がある者ばかりで固められているわけではございません。したがいまして、先ほど審判所長のあいさつの中でも申し上げましたけれども、こちらに来たときには、研修を相当やりましたり、あるいは実際に個別の案件を持ち寄りまして検討会など、いわばゼミ形式で、そういったようなこともいろいろ何度も開きまして審理能力を高め、さらに課税庁側とは違った意識で仕事ができるような研修に努めていると、このような状況でございます。

総務課長
 よろしゅうございますでしょうか。そのほかに何か御質問等ございませんでしょうか。

(「なし」の声あり)

総務課長
 それでは、特にございませんようでございますので、委員の皆様方に国税審議会の内容等を御理解いただきましたところで、ここで国税審議会会長の選任をお願いいたしたいと存じます。
 会長の選任につきましては、国税審議会令の5条1項の規定によりまして、委員の皆様方の互選によるということになっております。それでは、よろしくお願いいたします。

森委員
 先ほど来説明がありましたように、今度の国税審議会の編成というのは、いわゆる中央省庁の再編というところから出て参りまして、いわゆる国税庁に3つの分科会があったわけでありますけれども、それも統合されたということであります。第1回目で、これから審議会が発足するわけであります。新しく編成された審議会でありますので、若干、右往左往と申しますか、試行錯誤的なものもあるのではないかなと、こう思うのですけれども、やはり精通されている方と申しますか、やはり軌道に乗るまでは精通されている方がいいのではないかなと思いまして、私は、国税審査会の従来の会長でずっとやっていただいております貝塚先生に、この際、会長にお願いしてはどうかということを提案をさせていただきます。

総務課長
 そのほかにご意見ございませんでしょうか。
 今、森委員の方から貝塚委員を会長にという御意見がございました。そのほかに特に御意見がないようでございましたら、貝塚委員に会長をお願いするということで、皆様いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。

(「異議なし」の声あり)

総務課長
 ありがとうございました。
 それでは、貝塚会長には、会長席にお移り願いたいと思います。
 一言ごあいさつをちょうだいいたしまして、その後に議事を取り進めていただきたいと存じます。
 それでは、よろしくお願いいたします。

会長
 貝塚でございますが、元来、国税審査会のほうに所属しておりまして、省庁再編というのは非常に複雑なようでありまして、3つの審議会が一緒になりまして1つの審議会ということで、いろいろかなり多岐にわたる話がありまして、結構複雑ではないかと思いますが、何分にもよろしくお願いいたします。ということで、会長をお引き受けさせていただきます。
 それでは、あとは私が議事をやることになると思いますが、会長の代理を指名するということが規定にありまして、最初にその点で私から指名させていただきますが、この統合前に中央酒類審議会で委員を長年務められまして、会長をされておりました田島委員にお願いしたいと思います。
 それから、あとは各分科会の会長も分科会の委員の互選によるということでありまして、これも各分科会に所属する委員の皆様によって選任していただきたいと存じます。その件についても、私が議事進行を務めさせていただきます。該当する分科会、3つの分科会の所属のそれぞれの委員の方のみから御発言いただくようにお願いしたいと思います。
 最初は国税審査分科会ということでございますが。

森委員
 私どもは国税審査分科会の所属でございますけれども、これも先ほど私の発言いたしました趣旨のように、貝塚先生が今まで国税審査会でやっていただいておりますので、引き続いてお願いしてはどうかというように思います。

会長
 ほかに、どなたか御意見ございませんでしょうか。

(「なし」の声あり)

会長
 それでは、恐縮ですが、私が国税審査分科会の会長を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 次に税理士分科会でございますが、税理士分科会の方で御推薦いただければありがたいですが。

笠井委員
 私、税理士分科会に所属している者ですが、従来のお三名の方で、辻山 栄子委員が分科会の会長をなさっておりましたので、新組織でもそのようになされてはいかがかなという提案を申し上げます。

会長
 どうもありがとうございました。辻山委員、よろしゅうございますでしょうか。

辻山委員
 それでは、引き続きよろしくお願いいたします。

会長
 それから、最後に酒類分科会でございますが、酒類分科会に所属の委員の方で推薦ですか。
 吉澤委員。

吉澤委員
 酒類分科会に所属しております吉澤でございますが、田島 義博委員を御推薦申し上げます。御承知と思いますが、田島委員は長いこと酒類行政や酒類業務に対する御研究が深く、顕著な御功績を上げておられますし、それから中央酒類審議会でも会長として優れた識見と統率力をお示しになられました。適任だと思います。

会長
 田島委員を会長にという御意見がございまして、私もうんと昔に学習院大学で田島先生と御一緒しまして、マーケティング、流通の御専門であるというのは、そのころから承知しておりました。皆様の御賛同があったようでございますが、よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、田島委員に会長をお願いいたします。

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