井酒税企画官
 読み上げさせていただきます。「学校・家庭等における教育」「未成年者飲酒防止については、学校、家庭等における教育や地域における取組が重要である。学校や家庭において飲酒の青少年の健康に与える影響について早期に教育を行う必要があり、関係機関は、パンフレットの作成・配布等を通じて、これを積極的に支援するべきである。」

本氏
 この場合の「早期」というのはどういう意味でしょうか。学年が低いという意味ですか。

田課長補佐
 これは、今は小学校5年生、6年生からということになっておりますが、例えば、低学年からという意味です。

本氏
 そういう意味での早期ですか。

本氏
 この表現では、今はまったく未成年者に対する飲酒に関する教育をやっていないのだけれども、今後できるだけ早いうちにそのような教育に取組むというふうに読み取れてしまいますよね。でも、実際は小学校、中学校、高校においてやっているということですからね。

村座長
 そうですね。

岸氏
 それとよろしいですか。「関係機関は、パンフレットの作成・配布等を通じて」と、こう書いてあるのですが、前回のお話でも学校に対して配っても使っていないとか、見てないよと言う子供たちがいるという話もあったという指摘がありましたように、要するに配布しているのだから、もっと有効活用しろとか、徹底的にこれを実践的に使ってくれよということを言わないといけないのではないのでしょうか。今までに国税庁の作られたパンフレットが無駄になってしまっても困りますしね。

宮氏
 今後どうするかは御検討いただきたいのですけれども、例えば、パンフレットの作成・配布だけでなく、体験学習や地域学習を通して効果的な教育を展開すべきであるということと、もう一つは、効果的な教育を展開するためには、薬物乱用、万引き防止などの非行防止教育との有機的連携を図ることも必要であるというようなことが恐らく必要じゃないかと思います。今日、お配りさせていただいた新聞記事は、そういう趣旨で体験学習と地域学習をリンクさせているものの一つの例です。

村座長
 ありがとうございました。

間氏
 今、総合学習というのが盛んで、民間の方にも御協力いただいて取組んでいる学校もありますが、時間をどう配分するか、非常にプログラムで困っているようです。ですから、そういう総合学習の時間などを利用して、このような教育に対して積極的に取組むべきであるというような、何かそういう文言をお入れになったらいかがでしょうか。

村座長
 できるだけ精神論だけじゃなくて、何か示唆できるところがあったら、入れましょう。

磨氏
 総合学習に絞るのもどうかという気がしますので、総合学習等にしていただいた方がいいと思います。

間氏
 はい。そうですね。

磨氏
 体験学習とか効果学習という言葉は有効だと思うので、具体的な例を挙げていただければと思います。

島氏
 ここでは、学校と家庭とをセットでこのように書かれているのでございまして、学校はこれでいいと思うのですけれども、家庭というのは親と子の関係でございますから、青少年にどうのじゃなくて、我が子の飲酒に対する配慮といったようなものが必要でしょう。それこそ罰則規定を与えてもいいぐらいです。東京都の条例でも、東京都だけじゃないのですけれども、深夜徘徊に関して親の責任というものを広く問題にしておりますので、子供の飲酒というものに対しての親の一つの責任といいますか、その辺のところは入れてもいいと私は思います。

中氏
 結局1行目の主語がないんですよ。「学校・家庭等における教育や地域における取組が重要である」。だれが行う取組なのでしょう。両親・教員なのかとか、その辺の主語のことを考えると、今、おっしゃられたようにやはり両親はどういうことをすべきであって、学校の教員はどういうことをすべきであるというふうに、ここは分けた方が確かにいいかなと思います。

村座長
 今のいろいろな御意見を集約しますと、まず1行目は「未成年者飲酒防止については、教育の現場及び家庭の果たすべき役割が大きい」として、いったんとめまして、それで次に「では、学校は何をするか」というふうに書いて、次に「家庭はどういうことが期待されているか」と書いて学校と家庭とを分けてそれぞれの役割があるよということを、できるだけ具体的に書くということでよろしいでしょうか。

井酒税企画官
 はい。

間氏
 教育の現場を見ておりますと、子供よりは保護者の教育が一番大切だというふうに言われていまして、しかしその保護者をだれがどう教育するのかという方法が、全く見つかっていないのです。地域でも保護者をどう引っ張り出すかとか、保護者に何を説得するかということを考えられる方もなかなかいないということで、ここでは家庭において確かに教育を行う必要があるということはだれもが認めることですが、それを具体的にどうするのかという何らかの文言を皆様でお諮りいただけないものでしょうか。

村座長
 何か名案、ございますか。直接、各家庭の父兄会みたいなところで言うわけにいかないから、やはり私の住んでいる町の例だと、市役所の広報とか、そういった行政の方々に大いに各家庭にメッセージを伝達していただくというのが一つ考えられます。

岸氏
 今の本間先生の御意見ですと、まず親が家庭で学んで、それから子供にそれをちゃんと教えなきゃいけない。要するに配られるパンフレットが、その中に書かれていることを親がまず理解できる、親がどういう立場から子供に対して接しなきゃいけないかということまで含まれている内容かどうかの問題だと思うのです。

間氏
 最近では、親を教育するより子供を教育した方が早いと言われている現状でございます。その辺がとても悩みです。

磨氏
 そこまで言っていると、どうにもならなくなりますので、「子供の飲酒に対する親の責任にも検討すべき余地がある」とか、多くの含みを残した方がいいのではないかという気がいたしますが、いかがでございましょうか。

宮氏
 ヒントといいますか、直接それに対する答えではないかもしれませんが、今日、私が配らせていただいた地域安全マップ作りというのは、体験学習、地域学習なのですけれども、これを学ぶと子供たちは家に帰って親を教育するのです。あるいは子供たちが町歩きをしているのを地域住民が見ていますから、地域住民との話題作りといいますか、コミュニケーションも図られていることになります。ですから、先ほどの体験学習、地域学習というのは、実は親の教育までも視野に入れている内容なのです。
 余談ですけれども、例えば、この地域安全マップも、地域にいろいろなインタビューをすると、当然酒類販売店などにもインタビューをしに行きますから、そこで初めてどういう役割を果たしているかというのを子供が分かって、それを親に伝えるという、そういうような子供をうまく利用した地域社会への再生という考え方なのです。

磨氏
 そうすると途中ですが、家庭、学校だけでなく地域という言葉も残しておかなければならないということになると思います。学校、家庭、地域などにおける教育と、見出しから変えて、家庭では何々、学校では何々、また地域ではと、親子体験学習及びこういう効果も期待されると、三つ書いた方がいいということになるのではないでしょうか。

村座長
 ただ一応5で地域とか地域住民とかが出てくるので、56合わせれば、須磨先生がおっしゃったようなことになってくるのかと思います。
 では、6は抽象論、精神論を言っていても進まないから、できるだけ何か懇談会として具体的なのがあるといいですね。今、ホームランを打つような具体策というのは、私どもも整理していないので、事務局でまず文案を作っていただいて、それで先生方に事前に見ていただくときに、私どもも何か案があったら、そのときに事務局の方にまた連絡するということで、とりあえずこの場はよろしいでしょうか。
 7に行ってください。

井酒税企画官
 「公正な取引の推進と未成年者飲酒との関係」「低価格・低アルコールの酒類のシェアが拡大する中で、未成年者がこれら酒類の購入層となっているとの指摘がある。また、これら酒類の過度な価格競争は、大人と比べて判断力のない未成年者の飲酒を誘因する恐れもあり、未成年者飲酒禁止の観点からも問題があると考える。したがって、酒類業者においては、このような観点からも、過度な価格競争を抑制していくことが求められる。」

村座長
 これは、過度の価格競争をしていると懇談会が判断したみたいな文章になっていますけれども、これは大丈夫ですかね。この競争の度合いについては、この場で詰めることはできなかったと思いますが、まず1、2行目はいいでしょうか。「低価格・低アルコール類の酒類のシェアが拡大しています。」「未成年者がこれら酒類の購入層となっているとの指摘があります。」ここまではいいですか。次ですね。「また、これら酒類の過度な価格競争は」と出てきてしまったので、この文章は何か安いから未成年者が飲むのだという因果関係が含まれているみたいですね。5はいかがですか。田中先生、何か御見解はおありですか。

中氏
 確かに安く、買いやすいから買うという側面があるとは思いますけれども、もっと広く考えれば販売促進のあり方の一つの表れというか、景品としてグラスを付けたりというような過当な販売促進というものが背景にあって、その一つとして価格競争が出てきていると思うので、いきなり価格競争だけ、それが飲酒に結び付くというのは、ちょっと希薄な感じがします。もっと背景にはいろいろな販売競争がなされていて、それが結構過激になっているのではないかなと思います。
 例えば、少なくなってきていますけれども、リベートの問題とか、こういうものもあるのではないかという気がします。井岸先生とか、あるいは寺沢先生の方がその点の流通の内情に詳しいかもしれません。

村座長
 寺沢先生はどうですか。

沢氏
 ここで低アルコール飲料が未成年者に飲まれているという指摘と、それから価格競争と結び付けられているのは少し行き過ぎかなという気がします。つまり、低アルコール飲料とは別のところの議論ではないかと思うのです。ここでは、価格競争のことだけを議論に乗せるべきものではないでしょうか。ですからこの1行目の途中まで要らないと思います。

村座長
 ほかの先生方は、いかがですか。

岸氏
 私は逆に要るのではないかなというふうに考えました。今、青少年のお小遣いの範囲内の、一般的な清涼飲料水を飲むような価格で、低価格のアルコール飲料が飲めるようになってしまっている。要するに具体的には120円だとか130円で買えるような状況になってしまって、これはやはり一つの問題ではないかなというふうに考えていますので、これはこれでここにあってもいいのではないかなと思います。
 それから、景品付き販売です。コップというような話がありましたけれども、ジャンパーなんかが出てくる場合があるわけです。そうするとああいうものをみんなで買って、だれかが当たればいいやみたいな話もありますから、やはり良くないし、それからこの前もちょっと申し上げたのですが、本当に20歳になっているか、なっていないか分からないようなタレントを使って、広告宣伝をやるというのは、本当に良くないと思うのです。ですから、そういった意味で販売姿勢までここには何らかの形で反省を求める、自粛を求めるというようなことがあってもいいのかなと思います。

沢氏
 いいですか。ここに書いてある低アルコール化というのは、世界的にどこの国でもそういう傾向があるのです。それは、若者がそういう低アルコール飲料を飲むというのではなくて、世界中の人々が低アルコール飲料を飲むような方向に向かっているのです。そういう意味では、それを若者とあまりリンクさせる必要はないかなと私は思います。データを調べていただければはっきりするでしょうね。

中氏
 ただ、確かに世界的に低アルコール化の傾向はあるのですけれども、ヨーロッパなんかの調査でもやはり若者が飲酒のきっかけとしてそういうものを飲んでいるのです。そういう意味では若者に対して過度に販売促進していくというのは、やはり適正飲酒とかの点で問題があるかなという気もします。

村座長
 供給側としては、この低価格、低アルコールの商品のターゲットを、主として若い人たちにしているのですか。

田課長補佐
 やはり低アルコールの部分のターゲットというのは女性とか、若者といったところだと思います。

村座長
 もし、今おっしゃったことについて、ある程度確認が取れるようでしたら、若い方とか女性を対象とした低価格・低アルコールの酒類のシェアが拡大してきているという事実を書いていただいて、それでこの未成年者飲酒との関係のことを恐れるので、販売姿勢とか広告宣伝のあり方とか、十分留意することが必要であるというようにしてください。公正取引については、前の懇談会のときにも1回出しましたよね。

井酒税企画官
 はい。

村座長
 ですから、公正取引の価格競争みたいなところは、ちょっと後退させたらどうですか。

井酒税企画官
 はい、分かりました。

村座長
 もし、供給側が若い方をターゲットにして、非常に活発な売込みをしているようであれば、その辺に対して批評しておくということでどうですか。

井酒税企画官
 例えば、酒類の過度の価格競争を販売競争とかというふうに言い方を変えることも必要だと思います。

村座長
 では、また案を作っていただいて、後日、先生方に御意見を伺うということでよろしいですか。

島氏
 そこのところですけれども、一つ気になるのは「大人と比べて判断力のない未成年者」というふうになっているのですけれども、この「判断力」というのは何の判断力のことでしょう。例えば、安いということ、低アルコールであるということ、甘くて口当たりがいいということ、みんな判断して買っているわけで、どういう判断力のことを言っているのか分かりづらいですね。

村座長
 そうですね。これはさっきのように整理していただくときは、落としていただいていいですか。これは、健康との判断とか、そういう意味での判断という意味ですか。

井酒税企画官
 そうです。そういうことです。

村座長
 前の方で健康との関係は述べていますので、特にここで述べる必要はないでしょう。
 それでは27ページの(2)についてお願いします。

井酒税企画官
 それでは、「適正飲酒の定着」です。「適正飲酒を定着させる観点からは、大量飲酒が内科疾患の誘因となることや妊産婦の飲酒が胎児の発育に影響を与える可能性があることについて、知識の普及啓発を行っていくことが必要である。大量飲酒や妊産婦の飲酒の弊害については、問題が発生した場合の深刻度に比して、その認知度が低く、重要な課題として認識すべきである。
 これら問題への対処については、消費者の自己管理・自己責任に帰する部分が多く、規制的手段によるよりも、知識の普及啓発を重視すべきである。
知識の普及啓発に当たっては、学校における早期の教育のほか、適正飲酒の推進を目的とする公益法人である社団法人アルコール健康医学協会など、関係省庁及び業界が緊密に連携した一層の取組が求められる。
 知識の普及啓発の手法としては、健康への意識の高い者や妊産婦に対しては、飲酒の弊害に関する注意表示の効果が高いと考えられる。これらの者を対象とした広告宣伝や製品への表示のあり方を中心にルール整備を図る必要がある。現在、各社の自主的な取組で実施されている妊産婦の飲酒に関する表示の義務化や、大量飲酒への注意表示のルール化を含め、幅広く検討していく必要がある。
 一方、最近の健康志向の高まりの中で、酒類についても健康面での効果が消費者の高い関心を集めている。飲酒の弊害に関する知識のほかに、健康に配意した適正な飲酒方法に関する知識や飲酒マナーに関する知識の一層の周知啓発が望まれる。なお、適正飲酒の定着を図るうえでは、供給サイドにおいてもより健康に効果のある酒類の開発を進めることが期待される。」ということになっています。

中氏
 最後の行ですが、「より健康に効果のある酒類の開発」というのは、どういう意味なのでしょうか。

井酒税企画官
 今日は、欠席しておりますけれども、先般、濱田鑑定企画官から話のありました、例えば、ぼけ防止に効果のある清酒の開発とか、そういった可能性もありますので、そういうことについて業界の方々に勉強していただきたいという意味です。

村座長
 お酒を飲むなというようなお話ばかりになってきてしまいましたから、健康に良いという内容も盛り込んでおくのもよろしいかもしれませんね。それについては、医学的な検討も行っているので、ただ飲み過ぎは駄目だというのは、確かに圧倒的に多くの信条を得る提言ですけれども、適正飲酒でなおかつ健康にも良い酒類の開発が行われればという願望が入っている。

中氏
 知識がないので、ぼけ防止効果までは良く分かりませんが、健康に良いというと思い浮かぶのは、せいぜい梅酒ぐらいですかね。たとえ梅酒であっても、飲み過ぎはやはり良くないのではないかとは思います。一方、逆に言うとアルコール度数の低くておいしい清酒なんていうのもいろいろ研究されているわけですが、低アルコール化は若者が飲むきっかけになるということになると、低アルコール化でおいしいお酒を開発するのが、果たして健康にいいことなのかどうかという問題も出てきます。

磨氏
 これだけだと先ほどおっしゃったみたいなマイナス要因ばかりになってしまっていますよね。でも、健康に配慮した適正な飲酒方法に関する知識や飲酒マナーに関する知識といっても、悪くならない程度の飲み方というぐらいの表現しかできません。ただ前の懇談会の取りまとめのときにも、豊かなお酒との付き合い方をもう少し普及させるというようなニュアンスがあったと思いますが、今回はそういったニュアンスを入れない理由があるのでございましょうか。

井酒税企画官
 いや、特にありません。

間氏
 「健康に効果のある酒類」とだけすると、いかにもぼけ防止などの部分だけのように取られてしまうので、酒類と飲酒文化みたいなもの、要するにお酒の知識、歴史、それから飲み方とかそういうことを全部総合したお酒のあり方みたいなものに対しての理解というのも開発を進めるということが期待されるというのはいかがでしょうか。

島氏
 それに関しまして、日本はとかく酔っ払いに寛容だとか、酔っ払い文化だとか、そのように言われているのですが、元来、日本というのは酒に関してはかなりマナーが厳しい国で、酒というのは個人的に飲むものではなくて、グループの中で飲み合うものであるという考え方でした。そういったようなものが戦後どんどん解体していったということをお話ししましたが、その辺のところで、しかも日本というのはお茶であろうとお香であろうと、「道」なんていう言葉を付けてしまうわけでございますので、できれば最後の締めくくりとして「将来、世界に誇れる日本の飲酒文化が形成されることを願ってやまない」とか、こういうふうに格好よく終わらせていただきたいと思います。

村座長
 ぜひ御検討ください。下で線を引いてあるところは、新しく加えられたところですよね。

井酒税企画官
 はい。そうです。

村座長
 そこの「健康志向の高まりの中で、酒類についても健康面での効果が消費者の高い関心を集めている。」となっています。確かに、このレポートは全部健康に悪い面を強調してきたから、やはり悪い方だけ取られてしまうのだけれども、「酒類についても健康面に与える良い効果、悪い効果の両面に消費者の高い関心が集まっている」みたいに、一応両方書きませんか。この部分はいいことだよという、学会発表も行われているようですしね。
 それではっきりさせておいて、あとは最後の田中先生がおっしゃったところですよね。この「適正飲酒の定着を図るうえでは」というのを取ってしまいまして、それで「製品開発面においても、より健康に効果のある酒類の研究を進めることが期待される」というのでどうですか。それから「製品開発面においても、より健康に効果のある酒類の研究を進めることが期待される」みたいにしておいて、最後は矢島先生におっしゃっていただいたところをまとめてという具合でいかがでしょう。

井酒税企画官
 はい。

村座長
 今日も活発に御議論いただきましたので、またどこを直したかをきっちり分かる形で事務局の方から先生方にお送りして、それについてまた事務局に御意見を送っていただいて、それでもってまとめるということにしたらいかがかと思います。よろしいでしょうか。
 では、こうして皆さんに集まっていただく会合は、本日をもっていったん終わりにするということで、対外的には、いつも必ず懇談会の内容は発表することになっておりますので、ホームページ等は通常どおりやるということで、あと大変貴重で膨大な資料もまとまっていますので、この資料集もあわせて懇談会の報告書という形で対外的に出させていただけたらと思いますが、よろしいでしょうか。対外的な発表の仕方につきましては、前回の取りまとめと同様に、国税庁の記者クラブを何らかの形で活用して、発表させていただくということにしたいと考えております。時期的にはいつごろを考えていらっしゃいますか。

井酒税企画官
 12月に入って、皆様の御意見をいただいた後に、なるべく早いところで考えていきたいなというふうに思っております。

村座長
 今回は、非常に頻度も多くて多大の御協力をいただきまして、特に海外へ御出張くださいました先生方には、本当に厚く御礼申し上げたいと思います。御協力ありがとうございました。
 審議官から一言ごあいさつをいただけますか。

島氏
 その前に一つだけお聞きしたいのですが、資料の中には「メンバー限り」だとか、「取扱注意」だとか、いろいろとあるわけなのですが、そういうことが全く書いていない資料に関しては、ほかの方にこういうのがあると見せてよろしいでしょうか。

井酒税企画官
 基本的には問題ないと思いますが、ヒアリングのときに発表者の方にいただいた資料もございますし、それから著作権ということも特に問題はないと思うのですが、念のため、ヒアリングをいただいた方々に改めて確認します。私の方で確認して、問題がないということであれば、この取りまとめの冊子の中に掲載させていただきますので、それはまた御連絡させていただければと思います。その点は留意していきたいと思っています。

村座長
 今までの懇談会で配布された資料は、原則、ホームページで公表されているわけですよね。ただ、こういう形で報告書として出すことについては、改めてヒアリング先等に確認を取りますということですね。

井酒税企画官
 はい。確認をさせていただきます。

村座長
 では、これらの資料を引用したりするのは、その確認作業の後の方が望ましいということですか。

井酒税企画官
 はい。

本審議官
 それでは今回の一連の懇談会における審議の締めくくりということで、一言御礼のごあいさつをさせていただきます。
 今年の2月に再開して、実に16回にわたる御議論を重ねていただきまして、今回のような取りまとめになったということで、先生方の今までの御尽力、御努力に対しまして、改めて厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 特に、この夏には欧米諸国の実地調査へも行っていただいたということで、今までにない深い実情把握の上での御議論ができたのだろうと思いますし、その結果を踏まえての我々行政に対する御提言を、こういう形で出していただきまして、厚く御礼を申し上げたいと思います。
 我々、国税庁といたしましても、最終的にこの取りまとめを受けて、できる限りの方策の実施を図っていきたいと思いますし、国税庁だけということではなくて、関係各省庁にも広く声をかけて、霞ヶ関の省庁が縦割りではなくて、省庁一体となってこの問題に取組み、少しでも成果を上げられるように、これから我々が汗をかいていく番だと思っておりますので、どうか引き続き御支援のほど、よろしくお願いしたいと思います。
 どうもありがとうございました。  

村座長
 どうもありがとうございました。

─ 了 ─

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