奥村座長
 ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方から御質疑等いただきたいと思います。

御船氏
 ありがとうございました。
 最初に御説明いただいた社会的要請への対応の概要というものの4ページに、酒類の広告宣伝に関する自主基準というのがございまして、これを興味深く拝見しておりました。これはどなたがどういう構成でつくられたのでしょうか。また、例えばなんですけれども、15秒以下の広告で、1.5秒以上とか、その他の留意事項で、未成年者を対象としたテレビ番組への対応とか、未成年者は広告のメインのモデルには使用しないとか、幾つかあるのですけど、例えばメインのモデルには使用しないというのは、サブでは使うとか、この細かいことはどういうふうに運用されるのか教えていただきたいと思います。

奥村座長
 もしお答えいただければ今お願いできますか。

草部専務理事
 つくりました経緯につきましては、先ほどちょっと御説明しましたが、昭和61年に中央酒類審議会の提言がございまして、それを受けて、酒類業界の中にここの右上にございますが、飲酒に関する連絡協議会というのを設けて、そこで検討を始めて、これまで、現在に至っているということでございます。その都度中身を改定しているということでございます。

御船氏
 構成メンバーは業界の方ですか。

草部専務理事
 そういうことでございます。

奥村座長
 よろしいでしょうか。

御船氏
 これは例えば消費者向けチラシとか、消費者向けというふうに言った場合に、連絡協議会の中に、先ほどサントリーの方が、消費者団体との対応などをおやりになっているということを伺ったので、もしかしてこの飲酒に関する連絡協議会に対しては、消費者団体の方が入っていたり、消費者団体でなくてもいいのですけど、何か消費者の視点からのチェックみたいなのがあるのかなと思って御質問をしました。業界の方ということで了解しました。

奥村座長
 その他のことで、委員の方いかがでしょうか。
 田中先生どうぞ。

田中座長代理
 今、各企業の方、パンフレットからチラシといった、いろいろな資料をおつくりになるということは大変な努力だと思うのですけれども、問題はどういうふうな配り方をしているのか、またどういうふうに周知徹底させているのかではないでしょうか。
 例えば私、「サントリークォータリー」とか、あるいは酒文化のレポートはいただいているんですけども、そういう販売促進のものには、まずほとんど載っていないんです。ですから本当にメインになる文化とかいろいろな形でプラスの面を楽しんでいる部分と、こういうマイナスの部分の是正というものが、使い分けられていて、それでは本当の意味で消費者に伝わっていないんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

高梨氏
 「サントリークォータリー」の話が出ましたので、この雑誌はもう100%大人向け、つまりは飲酒しても構わないという方たち向けの雑誌でございますので、確かにその中で、成人に対する啓発の機会があるだろうという御指摘はそのとおりかと思います。しかし、私どもも、むしろ未成年者ですとか、飲酒運転ですとか、あるいは薬と一緒にお酒は飲まないでほしいですとか、スポーツのときに気をつけてほしいですとか、いろいろなシーンを加えて、適正なお酒の飲み方ということを訴えようとしていますので、ある種の区切られた形よりも、幅広く訴えられるということから、新聞等で、この目的でこういう対応をするんだというふうに絞ってやっているというように御理解いただければと思います。

奥村座長
 大変申しわけありません。私はこれから大阪に行かなければならないので、この後座長を田中先生にお願いします。途中で失礼します。

田中座長代理
 それでは、続けて寺沢先生にお願いします。

寺沢氏
 最初に御説明いただいた酒類製造業界における社会的要請への対応の概要の1ページ目、3つある中の2項目です。「未成年者飲酒対策への取組」という部分なんですけども、実際に未成年者への飲酒を防ぐという意味では、テレビ広告とか、あるいはこういうパンフレットを通じてということに加えまして、恐らく購入させないというふうな部分がかなり重要になってくるだろうと思います。そういう意味では、流通業者に何らかの協力を仰ぎながらという行動をすることが非常に重要だと思うのですけれども、その部分でどういう対応をされているのかなということを確認したいのですが、その点はいかがでしょうか。

田中座長代理
 どなたか組合の、協議会の方いかがでしょうか。

下村専務理事
 その点につきましては、国税庁がお決めになった酒類販売場の区分管理とか、酒類販売管理者の設置とかがまさにそういうことに適応するためのものではないかとメーカーとしてはそのように考えております。

寺沢氏
 そうですか。そうすると、業界団体と接する流通業者の方にアプローチされてということについては、特別ここで書くようなことはされていないということでしょうか。

下村専務理事
 そういうことは実態としてはやっておりません。

寺沢氏
 そうですか。

山崎調査員
 ただ、ビール酒造組合としては、店頭自販機の斡旋ということは、未成年者飲酒をできるだけやめていただきたいという努力という部分で、平成7年から自販機の斡旋はしないということで取り組んでおります。

寺沢氏
 これからはそういう活動をされるような計画とか、あるいはことがもし予定されているんであれば、聞かせていただきたいと思うのですが、特にそういうことは決めていないのですか。

中村専務理事
 直接のお答えになるかどうかはわかりませんけれども私どもの業界では、よく酒屋さんの店頭で新商品を飲んでもらう店頭試飲会という、セールスプロモーションを行っておりました。非常に一般的であったんですけれども、やはり未成年者かどうかというのをきちんと最終的に判別しにくい、責任を持ってできない、あるいは車の運転をされる方がいらっしゃるかもしれないというようなことがございまして、各社がそれぞれに5月1日以降、店頭試飲会を原則中止するということになりました。

寺沢氏
 ありがとうございます。

田中座長代理
 ほかに委員の方よろしいですか。

岡本氏
 すみません、1つ全体に関する質問です。今日のお話を伺った感想みたいなものも入ってくるんですけども、やはりお酒の種類によって、業界によってかなり取組が違うし、それからあと、同じ業界でも大きな企業とそうでない企業も多少違ってくるのかなと思いました。それからあと、こういう問題を扱うときに、業界全体、それこそビールから日本酒からすべてひっくるめて酒造業界全体の取組というのが多分必要になってくる部分はあると思います。
 例えばこの自主規制のようなところで連絡協議会をつくって、こういうものをつくったという説明が先ほどありました。それぞれ思惑とか実は利害も対立するところがかなりあると思うので、なかなか1つにまとまるというのは難しいのかもわかりません。けれども、酒類業界がある1つの目標で、例えばこういう自主規制の基準をおつくりになったのですから、そういうところで、今後やはりそういう全体をまとめていく動きというのが必要になってくると思います。でも実際問題はかなり難しいのかなというふうに想像されるんですけれども、その辺はいかがなんでしょうか。今後全体で取り組んでいこうという動きというのが実際にあるのでしょうか。もしくはそれは大きくなっていくのでしょうか。逆にやはり個々での取組になってしまうのでしょうか。幾つかの企業の方が、それぞれの企業で取り組まれていることは先ほどパンフレットとかで一部わかったんですけど、やはり全体を1つにまとめていくような動きというのは果たして生まれてくるもんなんでしょうか。

淺見副会長
 草部さんがお答えすべきですが、申し上げます。今、岡本先生の御指摘そのとおりだと思います。我々酒類を扱うということをなりわいとしているわけでございますから、くどいようですけど当然に内在的な我々の責務というのがあると、こういう認識は、私どもは強く持っているわけです。じゃあ実際何をするんだというときに、個々の企業でできること、あるいは我々業界団体が個々の団体としてできること、一言で団体といいましても、私どもで言えば県の組合とか、あるいはもっと小さな地域の組合とかありまして、私どもはそれを全国レベルで束ねている団体でございますが、私どものような団体、それから今ここに4団体おりますけど、このほかに全国卸売酒販組合、それから小売酒販組合というのがございます。今、消費者との接点の部分に問題が一番山積しているということで、そういうそれぞれの組合、あるいはそういう酒類に携わるもの全員でやるべき問題等があることは強く認識しております。そういう意味で先ほど草部専務が代表で全体の対応を御説明いたしました。私どもこういう酒類業団体は、酒類業組合法という法律に基づいて設立した団体でございまして、今7団体ございます。またこの私どもメーカー4団体と、輸入組合と、全国卸と、全国小売、この7団体で、法律に基づいたものではありませんが、酒類業中央団体連絡協議会という、事実上の協議会を構成し、そこで全体的な取組を責任を持ってやろうということで、行政からの厳しく愛情ある御指導を受けながら、いろいろと取り組んでいるというのが実態でございます。今の岡本先生の御指摘は、多分このようなものが必要だぞと、そういったところはしっかりとした組織にして、しっかりやりなさいということだと思います。先ほど飲酒に関する連絡協議会について、御船先生の御指摘にもございましたが、実はこれもその酒中連が母体というか、酒中連そのもので議論をしております。こういう飲酒に関する、例えば宣伝というものに関する基準についてこういう形で決めるとか、あるいは容器のことについてはいろいろ社会環境に対する影響ということで容器の問題を議論するとか、そういう必要に応じて、業界全体としての課題に取り組んでいるというのが実態でございます。もっとしっかりそういうところをやれという御指摘、よく言えば御激励ですし、非常に御心配もいただいているのではないかと思います。先ほどの御船先生のこの自主基準も、いかにも業界団体がつくった基準だなという、何となく御印象があっての御指摘だと思うんですけれども、私どもの立場から申しますと、本来市場経済でやっている以上、我々の個々の企業活動というのは、基本的には自由であるべきで、先ほど跡田先生からも御指摘があったように、それが市場競争のいい意味での実現だと思うんです。ですけども、扱っているものが酒であるがゆえに、本来自由であるべき広告宣伝についても、我々できちっと節度を持ちましょうというのがこの基準で、ただ我々はやはり量的規制とか、これとこれはもう絶対いかんというような経済原則に反することについては、非常にセンシティブに考えますので、ちょっとそういう意味では、業界のスタンスもかなり色濃く出ている基準だなというふうにお読みかもしれません。ただ、我々としては、そういう内在的な制約からくる責務として、みんなで取り組んでいます。これはそういう団体として決めたものですけれども、アウトサイダーも含めて、こういうものがある以上、酒類業に携わるものはこれを守るべきだということです。アウトサイダーは、私どもからは指導できませんので、行政のお力を借りて対応するとかしていく、また、テレビ広告等でも、まだ先生方の目には若干お気になるものがあるかもしれませんが、中では、常に神経を使って問題があればすぐにそういったところに対応するように心がけているところでございます。お答えになったかどうかわかりませんが、概略の体制と取組について申し上げました。

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