大西審議官
 利便性ということが利便的に使われているではないかというご指摘は、前からいただいているように思います。利便性というのは、例えば12ページでごらんいただきますと、(1)は「利便性の確保等の観点」という題になっておりますが、(2)の消費者ニーズ云々というところに、品質の維持、安心の観点からと1行目にございますが、消費者利益の増進というように、書き分けておりまして、いわば広い意味での消費者利益と、それからコンビニエントであるというのを消費者利便というふうに、書いているつもりです。それで、多分一番最初に「消費者利便」という言葉が出てまいりますのは、6ページあたりにですね、それまでも出ていると思いますけれども、ここでは7つの社会的要請の話をイでしておりますが、それに加えて今日規制緩和・競争施策というのが重要な議題だということで、9ページの一番下までになりますけれども、上記の7つの社会的要請に加え、消費者利便の確保も含めたということで、ある意味ですごく狭い意味に使っています。ここからスタートして、先ほどの12ページの「消費者の利便性」というように使ってございまして、そういう意味では、消費者利益の増進と消費者の利便性ということに分けてご理解いただけるかなと思っております。

奥村座長
 本間先生、どうぞお続けください。

本間氏
 その辺はどうもやはりせせこましい考え方ばかりでして、お酒というのは一応無機質ではないわけなんですけれど、それをやはり家電販売店とかそういうところで売ることができるというのが私にはとても不思議なのですね。やはりコンビニなどはよく分かります。スーパーも。これは当たり前のように思います。けれども、ドラッグストアーまでは了解はできるのですけれども、食べ物を扱わないところで酒を売ることができるというのがとても不思議に思えて仕方がないのです。素朴な意見でまたおかしいと思いますけれど。

若尾酒税企画官
 小売業免許の要件として人的要件というのがあるのですけれど、要は販売能力があるかどうか、そういったことを見ているのですが、要件の一つとして、調味食品等の販売業を3年以上経営していたとか、あるいは3年以上従事していたとか、そういうような規定があるのですが、こういった店を見ていただくとよく分かると思うのですけれども、ホームセンターに行っても家電の量販店なんかに行っても、食料品なんかを一緒に置いている。マスプロ商品になると、ああいう形で売れるというのが世の中に蔓延してきましたので、現在の人的要件の範囲からいくと、そこは一応クリアしたというふうなことで、そこに制限を、例えば免許しませんというのは、今の規定の中ではできないというふうな形になっております。

本間氏
 インスタントラーメンの扱いと同じですね。

若尾酒税企画官
 調味食品という言い方をしているのですけれども、みそ、しょうゆなど、昔から長いこういう歴史があって、ちょっと理解しにくいところがあるかもしれません。

奥村座長
 他の先生方はいかがでしょうか。
 それでは、(ニ)の消費者ニーズ、飲酒教育などというところは何かご指摘ございますか。
 先ほど神崎先生からご指摘いただいたのは、13ページの上のところで、アルコールが身体に与える影響等というようなところも多分お感じになられているところですね。
 本間先生からは、何度もこの未成年者に対する飲酒教育の問題をご指摘いただいてまして、いかがでしょうか、よろしゅうございますか。

本間氏
 これに書かれていることの中に何かを入れていただきたいとは思うのですけれども、それを具体的にどういうふうにというのはどうしても思いつかないのです。残念ながら。

奥村座長
 また前へ戻っていただくのはご自由ですので。(3)の公正取引の観点はいかがでしょうか。

田中氏
 先ほどの本間先生の件とも絡むかもしれませんけれど、前回、私もちょっと欠席していたので、先生の発言がよく分からないのですけれども、飲酒というものがやはり大人の文化ということを強調していいのではないかなと思うのですね。飲んではいけないということもあるけれども、大人の豊かな食生活とか文化だということ、だから子供は入ってはいけないよということであって、飲んではいけないよという。

奥村座長
 ちょっと待ってくださいね。大人の文化だから子供は入ってはいけないよ、ということを啓蒙しようということですか。あるいは何かレギュレーションをそこへかけようということですか。

田中氏
 そこに規制までいらないけれど、情報提供とかそういう啓蒙とか、消費者教育の場でですね。

奥村座長
 そういうことを未成年者の方に言おうということは、未成年者の方がお酒を楽しんでも、大人が楽しむような具合にはいかないからという内容にするということですね。何か大人が楽しんでいるのに我々がなぜ楽しんではいけないのかという未成年者が思われるような啓蒙だとまずいわけですね。

田中氏
 もちろんそうですよ。大人になってからやるべきことだということですね。本間先生も、そういう意味で先ほどしゃべっていたかもしれませんけれど。

奥村座長
 何かこういう問題があるからということは書きやすいのですけれども。非常に効果の上がる何か誘導の仕方があると非常によろしいかと思いますが。
水谷先生はアイデアマンだから、何かサゼスチョンしていただけるといいのですが。

水谷氏
 私が思いますに、この13ページの一番上のところですよね。政府が本当にやるべきかどうかという疑問があります。それは禁止すべきものは、絶対禁止しなければいけないものは政府が禁止すべきです。しかし、本当にそこまで政府におんぶにだっこ、要するにPRも政府にお願いをするか、あるいは禁止、やらない方がいいよというあたりまで政府に言わせるのか、何もかもやらせるということが本当にいいのだろうかという疑問を持っております。それは最後のところで後々に出てくるものですから、15ページの最後のところで出てくるのですけれども、「政府の法整備については、その内容とその効果について十分バランスのとれるものにすることが必要である」というところですべて包含しますので、その以前の段階では、ある程度委員の意見として出たものについては出されてもやむを得ないのかなという感じではいるのですよ。
しかし、できることならこれを大きく取り上げていくべきではないか。何でも政府にやってもらうのではなくて、教育なんていうものは家庭でやるべきであり、個人がやるべきが基本なのだというところへ戻らないといけないのではないかという具合に私は思います。

本間氏
 先生のおっしゃったことでまた気がついたのですけれど、これはあくまでも販売側のモラルであって、それから家庭の中の何か教育のモラルであって、本当におっしゃるように政府が何かをするということではないように思うのです。ところがやはり政府であっても、何か、地方自治体でも何でもいいのですけれども、イニシアチブをとらないと、今の家庭というのはどうしようもないところまで来ている。それから販売者側も、そう申し上げては失礼ですけれども、売らんかなですから、その辺の規制がどうしようもないのですね。そういう意味で、もう私なんかには考えられないところに来ているのです。でも、教育の問題は確かに政府なんかに出てきてもらいたくはなくて、各自が気がついてというところにどこでどう取り組んだらいいのか、まだこれからの課題だと思っておりますけれども。

奥村座長
 多分、放っておくと、本来、水谷先生がおっしゃるみたいに気づくべき人たちが気づかないので、気づかない人を気づかせるようにだれかが何かをやらないといけなくて、ここでは主語がないのですけれど、この啓蒙を行うべきであるという主体はわざとぼかしていらっしゃるのですよね。政府なのか業界の団体なのか、だれか。

若尾酒税企画官
 12ページの一番下のところで、政府及び酒類業界においてはとあります。あくまでもこれは政府と業界それぞれの役割分担でやることかと思います。

奥村座長
 両方でということですか。

若尾酒税企画官
 ええ。ウエイトは全然考えていませんけれども、いろいろなご意見があるのはわかりますけれども、これはその後の「特に」以下にも続いているというふうに考えていただきたい。

奥村座長
 次の文章にもかかっているのですね。

若尾酒税企画官
 はい。

奥村座長
 政府及び酒類業界は、アンド、オアですか。それともアンドになっているのは両方ともやれということでしょうか。それはもう適宜役割分担でやろうということですね。

若尾酒税企画官
 先日も「にっぽんNOW」という政府広報紙が出ていましたけれども、あそこにも未成年者がアルコール飲料を自分の冷蔵庫から間違ってこう飲んじゃうようなことがある、だから皆さん気をつけましょう、というような政府広報が出ていましたけれども、新聞の折り込みで入っていますので、効果はあるのではないか、それぞれの役割でやるのがいいのではないのかなと思います。

奥村座長
 政府及び酒類業界は、アンド、ダッシュ、オアで、コンディショナルにしておいて、状況に応じてやるということで、水谷先生がおっしゃったように本来は政府がというのではなくて、個々の人の自己責任でやっていくべきなのだけれども、現実にそれを期待できないというときには、業界の方などを経由してという啓蒙活動もというようなことで、ここは入れているという趣旨でございますね。
 水谷先生、本間先生以外に、特にご意見ございますか。
 どうぞ。

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