神崎氏
 私は全体を拝見して感心しております。よく的確にまとまっていると思います。
 ただ一つだけ念のために、私の意見ですが、未成年者の飲酒という問題、ここでも随分議論が重なりましたし、前回、前々回、私は出ておりませんので、その後がわからないのですけれども、やはりこれは飲酒だけの問題ではないのであって、ここではその飲酒だけに絞って集約してきていることは仕方がないことですが、やはりドラッグとか性犯罪とか、そういうことへリンクしやすいということでの総合的な教育といいますか、見直しをしなければいけない。飲酒はその中の一つであるということを、どうしても私はこだわるところがあるのであります。

奥村座長
 もし、先生、具体的にどこのページでどういうふうにしたらいいか、サゼスチョンしていただけるとありがたいのですけれども。

神崎氏
 例えば10ページの(イ)の最後の2行のあたりですけれども、これは20歳以上、18歳以上ということではなくて、その弊害で、身体への影響などということだけで済ませて、我々は内容をいろいろな論議をしたからわかっておりますが、これはやはりその他の犯罪との関連も大きいことを恐れてとか、そういう語句がもし入れば、我々がここで多重的に議論したということが評価できるのではないかと思います。

奥村座長
 そうしますと、身体への影響と同じような位置づけで、何か今お教えいただいたようなことを一言入れたらどうかということですね。

神崎氏
 そうですね。それで、それは別の行として、それでそういうことを鑑みて20歳から18歳ということで、この文章を切って、もし入れていただけるなら文章を切ってもいいと思いますね。

奥村座長
 ありがとうございました。
 今の点について、ほかの先生方、もしご意見がございましたらおっしゃっていただいて。
 それでは、その方向でご検討いただくことにして、ほかの意見がおありの先生、どうぞ。それでよろしゅうございますか。
 何か事務局の方の方から、今のご意見に対して意見はありますか。
 それでは、続けてまいりたいと思います。寺沢先生、いかがでしょう。

寺沢氏
7回、8回と欠席しまして申しわけございません。
 議事録で、特に第7回の会合の議事録はかなり核心のところを議論されたというふうに記憶しております。社会的規制と経済的規制というふうな線のところでしっかりとこれはかなり議論されたようでして、確認させてもらいました。
 今日いただきました資料を見ますと、先ほどご感想があったように、今までの意見を随分入れ込んだというふうな感想を持っています。私自身としては、おおむねこれで大体賛成というふうなことなのですけれども、私の立場から見て、一言こういうことが入れられればということがありまして、それはどこにそういうところを入れたらいいのかというのはよく吟味しないといけないのですけれども、「酒類業の特性とは」というところに入るかなという気もしているのです。それはいろんな業界の特性を見てきますと、酒類業界の特性の一つとして、ちょっと言葉は適切でないかと思うのですけれども、閉鎖的な流通形態をとっていると。
 それはどういうことかというと、お酒専門のメーカー、お酒専門の卸売業、お酒専門の小売業ということで、かなりほかの隣接する業界と接点がないのですね。接点がないということは、いろいろな理由があるのですけれども、その一つに免許制があるということが影響しているかもわからない。ただ、その接点がないということが新しい時代の変化に対応する要素をはぎ取っているというふうなことが感じ取られますので、それが要するにこの業界で長いこと問題を生じている原因になっているのではないかなという特徴があるということをひとつどこかで指摘していただけたらという感想を持っています。
 それがやがて、後の方に出てくる今日の議論になると思うのですけれども、「これからの手当て」というところで、今までの免許を持っていた中小卸売業、中小小売業がどちらかというと今まで武器にしていたものをみんなに共有されて、それで自分の武器を何にしたらいいかということでやはり困っているという状況が生まれるというところにつながってくると思うのですね。ですから、そういう状況を考えると、もう少し手当てのところで中小業者に対する配慮といいますか、その点を少し考えたらなというふうに思っていたところ、手当てのところで、一番最後で、16ページですか、終わりにの前のところに1234というところで、活性化事業というところでいろいろつけ加えされているというところで、この辺がもうちょっと実現されればいいかなというふうな印象を持っています。
 あと、細かいところで少しあるんですけれども、よろしいですか。
 これは先ほどの字句云々というところに近いのですけれども、2ページ目の一番下の行で、「予定されており」という言葉なのですけれど、これは予定されるというよりも、実際にそういう仕組みになっているわけですね、現在。消費者から税を最終的に取るということになっているわけですから、この「予定」という言葉がぴったりするのかなというふうな少し疑問を持っています。
 それから、4ページの真ん中でハの上ですね、ハの3行上ですけれども、これは括弧の中に平成14年醸造産業新聞社調べというふうに言っていますけれども、これは当事者は国税庁さんですよね、免許を出すというのは。ですから、これは醸造産業新聞社だけがデータをお持ちになっているということではないと思うのですけれど、この辺は。

奥村座長
 分母も分子も国税庁は両方ともわかっていますか。それとも免許を与えた数だけは分かっていますか。

若尾酒税企画官
 分母は把握していません。

奥村座長
 分からない。率はやはり出せないですね。与えたところだけは分かるのですが、では、全国にこれがどれだけ分かるかは。

寺沢氏
 分かれば、要するに国のデータとして出していただいた方が。

奥村座長
 ええ、分かればそうなのですけれど、率がちょっと無理ですよね。

前田課長補佐
 これは醸造産業新聞社の方で、コンビニとかスーパーの方でアンケート調査をやって、その結果を載せたものです。

寺沢氏
 分かりました。
 大体、そんなところです。

奥村座長
 今、ご指摘いただいた点は、ご修正いただけるところはいただくことにいたしまして、1点ですね、寺沢先生の方から流通の形態について何か触れておいた方がいいというご指摘がありまして、ちょっと私も注意深く伺っていたのですが、寺沢先生は流通として出そうというのか、それともある何かのポジティブ、ネガティブの価値判断をして、そして最後の政策の方に結びつけたらいいというお考えですか。

寺沢氏
 事実としてということです。

奥村座長
 事実として、まず特定のところへ特異な流通形態になっているということを触れておきましょうということですか。
 ちょっと、何か審議官の方でご意見ありますか。

大西審議官
 ある意味で将来を考える上で貴重な観点だと思います。
 ただ、今ぱっと考えまして、例えば「酒類業の特性とは」というのが5ページから6ページにかけてございまして、先生のご指摘は、ハの課税物資の取扱者であって、今のような免許制とかやや閉鎖的な流通形態といったことの絡みがこれから変わっていくのではないか、というご指摘であろうかと思うのですが、一種の配慮といいますか、将来に対する芽といいますか、そういう部分で書けるかどうか検討してみたいと思います。ある意味で大変重要なご指摘ながら、今まであまりそういう流れで書いてないものですから、宿題というか、少し検討してみようと思います。

奥村座長
 ありがとうございました。
 それでは、メンバーの方全員に加わっていただいて、3番の必要な手当てのところなどを中心にご議論をお続けいただきたいと思います。
 それでは、ちょっとステップ・バイ・ステップで12ページをお開きいただきまして、必要な手当ての(1)のところですが、消費者の利便性の確保などという点につきまして、いかがでしょうか。特に何か大きな問題がございましたらご指摘いただいて。
 はい、どうぞ。

本間氏
 これは私だけが皆様の中で分からないのかもしれませんけれども、そもそも消費者の利便性というのは具体的に何と何と何を意味するのかということが初めから明らかにされてなかったのですね。ただ利便性と書いてありますと、どこでも買えて何時でも買えてという、そういう、もうなし崩しに全部がフリーになってしまいますので、その利便性とは何かというのを一応規定するべきではないかと私は思っておりました。これまでに申し上げるべきことで、今申し上げるのは本当に申し訳ないと思いますが。

奥村座長
 いえ、どうぞ。
 そういたしますと、8ページの方に利便性が最初に登場してまいりますので、これまでの規制緩和をどう評価するかというところで、ポジティブに評価しているところの一つで、消費者の利便性の増大というのが大きなイ、ロ、ハのイで出てまいります。ここを今チェックしていただきまして、お読みになられた方が、中身が分かるかどうかという点でいかがでしょうか。

本間氏
 これは地域ということと、それから業種、これまでは酒類だけを扱っていた酒販店の撤廃で、どこでも、スーパーでもコンビニでもということと、それだけなのでしょうか、利便性というのは。

奥村座長
 消費者がお酒を求めるときに、時間的なアクセスとか、あるいは価格の面とかといったことで、消費者にとってみればより良い状態になりましたね、というようなニュアンスで書いてあるかと読み取れますけれども、事務局の方で何か付加していただけることはありますか。もっとほかのことも考えているのだというところで。

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