大柳課長補佐
レジを1カ所にしているというところも確かにありますが、当方としましては、仮にテナントとして入っているのであれば、本来そのテナントはその場所で決済をすべきという指導を行っております。異なる営業主体の店舗がスーパーに入っているのですから、それはそこで決済してください、ということです。この場合、仮に別々に決済をせずに、スーパー全体で1カ所でしか決済を行っていないということであれば、それは好ましくない状態にあるということになります。
奥村座長
今お決めになられている自由化の方向では、これは近い将来、どのスーパーの方も免許をもらって、どこのコーナーで売ろうがそれは全く指導もなさらないことになりますね。
大柳課長補佐
スーパー自体が免許を取得すれば、酒類の売場は店舗の中のこの辺りという届出を当初はしてもらうことになりますが、それは自由に動かすことが可能です。
奥村座長
できますね。ですから、現実にはもう全くどのスーパー、コンビニも自由になりますね。
大柳課長補佐
はい。
奥村座長
近い将来は全くフリーということで、社会的規制の中身で、規範的なことが崩れたのを立て直すのはもうとても難しいという考えに立つか、教育次第によっては、お酒に関して規範を確立することができるのではないかなというようなお立場に立つかというのでいくと、ちょっとご意見が分かれているのですけれども、皆様方の多くの方がご指摘なさったのは、7ページのkという項目で、3名の先生の方と、あと業界の方からこのkというところがご指摘がありました。
家庭、学校教育などでの啓蒙、それから販売者に酒類の特性など知識向上、これによって社会的規制の効果をという内容なのですけれども、私や田中先生等は、学校で「教育しろ」と言われても、大学生が、18才から23〜24歳まで1グループで行動していて、年齢で分けて教育というのはほとんどあり得ないですね。
今、必修科目で1年生しか受けておりません、というようなものもない学校が多いので、1年生か何年生かわからんけど教室に集まっているみたいになっておりますので、ちょっと年齢別にクラス分けみたいなことは、大学ではほとんど考えられないのですが。
井岸氏
でも、先生、おとといのテレビで、どこかの大学で一気飲みをしてはいけないという通達を一生懸命学内に流しているというのが報道されていましたよ。
奥村座長
ほとんど効果はないですね。一気飲みは、大学の先生や職員がやっているわけではありませんので、学生が勝手に部活とか何かでやっておりますので、上からそれをということはほとんどできません。ただ、彼らに一気飲みをやって自分の将来がなくなる、あるいは飲ませたら殺人罪だぞと、そういって普及させることは期待できますけれど、そこまでのことではないんですよね、と思っておりますけれど、田中先生はいかがですか。
田中氏
現状、どこの大学でも、一気飲み中止は、通達は何回でも出しておりますし、私自身、目の前にいれば、3〜4年生なんかに対しては目の前でやめるように指導していますけれども、まずは正直言ってそういう意識が足りない先生方も多いと思うので、これは1〜2年生については、ある程度もっと、一気飲み以外にも飲酒自体が危険であるということとか、強制してアルコールの酵素のない人に対しては危険だ、ということをもう少し教えてもいいのかなという、オリエンテーションキャンプとかいろいろな点において、そういう点はできると思うんです。
やはり、あと地域とか家庭でも、そういう意識がもう少し高まっていもいいのかという感じがいたします。というのは、確かに跡田先生とか私たちのようなときは、みんな高校生が車に乗ったりしていませんでしたし、そういう意味では、今はやはり高校生が18で免許を取ったりする、いろいろな規制がありますし、やはり水谷先生がおっしゃるように、やはり私自身でも酒を飲んだら饒舌になったりちょっとはめを外したりしますから、お酒が入ったときには、そう必ずしも理性的な判断を繰り返しているとは思えないし、若い人ほどまたそういう傾向がありますから、ある程度は教育なり、それから、先ほどのような売り場はできればやはりきちんと売り場を別にして、そしてコンビニでは今学生アルバイトみたいな者が酒を売っているわけですから、やはり酒類についてはきちっとした大人の人が売るべきで、そして、それについては研修をきちんと酒類販売の研修なりを受けて、少し日本のお酒の歴史から、それからいろいろな生理的な問題から、そういうことをした人を置くべきじゃないかなと思うんです。
社会的な規制は、結果的に経済的な効果は出ると思いますけれども、一応、需給調整という意味合いでの規制ではなくて、やはりあくまでも国民の健康を守るという目的からの規制というふうな形で考えていった方がいいんじゃないかなと思います。
奥村座長
水谷先生は、大学で今教鞭をとっていらっしゃるのですが、学生に対してはどういうご指導をなされていらっしゃいますでしょうか。
水谷氏
自己責任だと。要するに、酒を飲んでもいいよと。幾ら飲んでもいいと。しかし、その結果というのはもの凄いことになるんだよと。大体、飲んだくれというのは世の中でどう見られているかということの教育なんじゃないでしょうか。それから、もしそれによって事故を起こした場合には、相当重い刑罰は当然でありますよと。これは家庭教育じゃないかと私は思うのですけれどね。そういうことは子供の教育で当たり前の話じゃないかと。世の中には、そういうことは酒だけではなくてたくさんございますでしょう。そういうものに対して、規制されてないからいいかというと、そういうものではなくて、ほとんどのものは規制されていないんですよ。
特別、さっき言った酒については規制がありますけれども。そういうことははっきりと子供のころから教えて、我々も教えてもらったような気がするんですが。「おまえのおじさん、酒飲みでどうにもならなかったよ」と、「おまえはそうなっちゃいかんぞ」と、「もう嫌われるんだぞ」とか、そんな話があったような気がするんですよ、おばあさんがそう言っていました。そういう教育ができないということは、家庭そのものも崩壊しているということなのでしょうけれど。その家庭がおかしくなってきたのを法律で縛るというのは、方向として私は逆じゃないかと思うんですね。法律に依存して、もっとしっかりやってくれと、お役所の方でしっかりやってもらわなきゃ困るぞ、というような感覚があるとすれば、それは私は日本の社会としておかしいんじゃないかと。むしろ個々の家庭が、個々の人がもっと自覚をすべきであってね。
法律なんていうのは、あんなものを自由にしているのだけれども、結果として、それぞれの責任は重いんだということの方がいいんじゃないかと、こういうふうに考えていますよね。
奥村座長
ちょっと待ってください。今の言葉、大変申しわけないのですが、水谷先生は、家庭の教育とかの、さっき神崎先生がおっしゃった規範の復活の何か具体策をお持ちですか。何かこうやってやれば家庭教育は復活するとか、社会的規範は復活するのだという。