前田企画専門官
3年前かどうかというのはちょっとわからないのですけれども、自販機を撤廃しようという決議が平成7年に、小売中央会が行いましたけれども、その後、ビールメーカー等からは自販機のあっせんをしないとかという話がありました。12年の5月までに撤廃しようということですから、その製造自体をある意味では止めたというところはあるかもわかりません。完全に止めたかどうかというのはわかりません。
神崎氏
そういう方向へ向かっていれば好ましいと思います。私は自販機の廃止でとどめざるを得ないのではないかと思います。
奥村座長
神崎先生のご意見は、社会的規制の中身を考えると規範的なことになっていって、今、規範は崩れてしまっていて、そこに依拠することはできないので、したがって社会的規制というのは、言葉はあるけれども実態は恐らくないでしょうと。したがって、何らかの経済的規制でチェックする必要があるという見解ですね。ありがとうございました。
前田企画専門官
すみません。1つ、ちょっと確認というか、お聞きしたいことがあるんです。
「対面販売」という言葉が今出てきているのですけれども、例えば自動販売機はだめだという話なのか、例えばレジの後ろの方にお酒があって、注文に応じてお店の人が出すというふうな場合を言うのか、それとも誰でも手に取れるけれども、レジのところで最終的に確認することを言うのか、対面と言ったときに、酒を手に取るところからもうシャットアウトというところの対面なのでしょうか。コンビニでもスーパーでも、最終的にレジを通すところでチェックできるからということで対面販売をやっているということなのですが、それは「対面販売」と言うのか言わないのかということが気になったものですから。
田中氏
寺沢先生が前にちょっと別な売り場をきちんと設けてということで、専用レジということですか。
寺沢氏
全国の酒販店、一般酒販店をいろいろ訪問すると、実態は、対面販売をやっていることになっているのですけれども、セルフ販売に非常に近いというふうに認識できます。というのは、酒販店の経営者自身がお酒についての知識を余り豊富に持っていないと。むしろ消費者に言われて、いろいろ品揃えをしたり販売したりしているという実態から考えますと、さっき言われたセルフと対面の境目というのは非常に難しいと思います。それでも、セルフ販売の中に要するにお酒のコーナーなりセクションを設けてあげれば、消費者は「ああ、ここはお酒だな」という認識は出てくると。そういう意味では、間違ってお酒でないものを買ったということは少なくなるだろうというふうに私は思います。
奥村座長
今の寺沢先生のご意見に対して、いかがですか。須磨先生は、コーナーが分かれていればかなり期待できますか。
須磨氏
すみません。これもちょっと感覚的なことなのでわからないのですけれども、今、高校3年生の男子の数字が出てきましたけれども、子供たちは一気に高校3年生になるわけではなくて、徐々に、最初は悪いことかなと思いながら、「何だ簡単じゃない、悪くもないじゃない」といって、どんどんそちらの方向に動いていくのではないかと推測されると思うんですね。その場合に、最初の一歩をどこで踏み出すかというときに、余りにも買いやすく、いともたやすくお酒を飲んで、決して悪くなかったというふうに意識されると、ずるずると飲む方向に行ってしまうと思われるので、最初の一歩を踏み出すときに、あそこを買うコーナーはあそこであるというどきどき感、悪いことをするんだというどきどき感というのが、最初の一歩では必要ではないかと。その場合には、対面販売で別枠で、あそこに行ったら自分のこの年齢では目立つぞ、というような販売形式をとるというのが、ある種、お巡りさんのいらない規制になるのではないかと。そうでなれば、なかなか許可をできないというようなお店の出し方の規制というのもあるのではないかなというふうに思います。
奥村座長
何か買い物に行って、バスケットの中へは一緒に入れていてレジへ持っていってしまうみたいなことではないんですか。お酒のコーナーのところで直接代金の決済をしてしまうというお考えなんですか。
寺沢氏
そういう言い方もありますね。ただ、今のお酒を扱っているス―パーマーケット、コンビニエンスストアで、そういうふうな専任の担当者を置くというのは難しいと思います。だから、もしそういうコーナーを設けたとしても、そこには人はいないで、このコーナーはお酒だな、という消費者が認識するだけのものになるだろうと思います。
奥村座長
それは、須磨先生がおっしゃったようにどきどきする消費者は余りいそうもないですね。
寺沢氏
ただ、私ども、話がまた元に戻りますけれども、高校生の56.2%が要するにお酒を買ったという経験があると。この56.2%という人の中で、例えばそういうふうなコーナーが別にあったら、あるいはそういうふうな社会的規範を多少知識として持っていたら買わなかっただろうという人の割合もかなりいるだろうと思うんですよね。ですから、かなりゼロに近い形でなくすということではなくて、要するにそういうふうな情報をあらかじめ頭の中に持っていれば、買わないだろうという効果を期待した政策が必要ではないかと。ですから、社会的規範が崩れている、というふうに今指摘がありましたけれども、新しくまたこういうものですよ、という情報を消費者にも、それから店員にも提供して、それである程度ブレーキがかかるのではないかという気がします。
戸田酒税課長
免許の取り扱いについて若干補足させていただきたいのですが、現在、ご承知のように免許の数というのは制限されているわけでございますから、例えば、スーパーマーケットが新たにお酒を扱いたいという場合、既に免許がある小売店をテナントとして入れ、自らの売り場の中に持ってくる、こういうことが行われております。その場合は、まさにテナントでございますから、そこの部分のみが酒の売り場になり、かつレジも完全に別になるというのが通常の形式でありますが、将来、免許が全く自由化されるということになれば、そういうふうな形式は無くなる可能性もあるというふうに思います。
須磨氏
ちょっとわからないのですが、うちの方のスーパーでは、ぐちゃぐちゃになって売られていますが、それは違反なのですか。
大柳課長補佐
いや、それは違反ではなくて、そのスーパー自体が免許を取得しているものと考えられます。スーパー自体が免許を取得しておれば、この辺りを販売場にするという届出をすれば、売場を変更することが可能です。現在ではその届出も一定の範囲内で不要としています。
須磨氏
線はなく、その辺という感じですね。
大柳課長補佐
そこら辺ということです。一応、届出が必要とはしていますが、それほど厳格なものではないので。
井岸氏
売り場そのものは、どこというふうに限定して。
大柳課長補佐
一応、限定させています。
井岸氏
レジは一緒で、あとで売り上げを実績按分すれば、それは別にどうということはないですよね。実務的にレジを1カ所にしているというところはありますよね。