井岸氏
手を出しやすくなるんですね。
奥村座長
特にこういう人たちが買いやすくなってしまったということですか。あるいは大人であれば飲みやすいというというのか。過当競争がそこに入ってきてしまうということですか。
井岸氏
結局、低年齢層だとかそういったところに広告宣伝を打って、シェアを獲得しようとする、そういう営業行為につながりますよね。
奥村座長
そちらはわかりやすいですよね。だれでもそこで買いやすくなる。過当競争になってしまうというところにも結びつけていらっしゃるのですか
井岸氏
そうです。
奥村座長
水谷先生は多分違うご意見だと思いますが、いかがでしょうか。
水谷氏
酒だけではないという気がしますね、過当競争は。一般的にあらゆる商品がそうなっているのであって、酒もそうだということに過ぎないのではないかなという感じがいたします。ですから、パッケージも酒らしくないものが販売されておるのですが、それはいろいろ工夫を凝らして皆さんに飲んでいただこうとしているわけですから、それらしくないものも出てくるでしょうし、これは余り特筆すべきことでもないのではないかという感じがするのですが、いかがなものでしょうか。
それから、次のところの(2)ですけれども、ささやかなことで恐縮なんですけれども、言葉ですが、イのところの致酔性という言葉、それからニの財政物資性、私余りよくわからないのですけれども、致酔性は見ればわかりますけれども、もう少し何か一般的にわかりやすい言葉がありませんでしょうかねと、こんなことを感じました。
奥村座長
財政物資性の点は、もう一つの保全という言葉にちょっとかかっていることもありますので、あわせて後からやらせていただくことにしまして。
今、井岸先生の方からご提起いただいている問題と、パッケージのところは井岸先生のご発言ではなかったかと思いますが、先生の方からハのaというのもご発言があったようですので、少し位置づけだけご意見を伺っておきたいと思いますけれども。
いろいろな販売チャネルができて買いやすくなって、若い未成年の人まで手が出てしまう。そこのところまでは異論はございませんという方が多いと思われますが、だからスーパー等で売るのについて何か工夫をすべきというところではいろいろ見解が分かれているかと思います。それから、「パッケージで酒らしくないものが」というのは、いろいろ商品の工夫をされるという点からがむしろよいかもしれないし、もしそれによって詐欺的な表示がなされているのだったら、まずいということになってくると思いますが、現状はどんななんでしょうか。何か詐欺的な表現のようなものも、紛らわしい表現があるという言い方の方がいいかと思いますけれども。何か出ているのでしょうか。寺沢先生は何かご存じなところはございませんか。
寺沢氏
私、このことで発言したかどうかということはちょっと……。
奥村座長
いや、これは寺沢先生の発言ではないと思います。
寺沢氏
それに関連して、要するにお酒であるという印がもうついているということですから、その辺は余り、今あえてこれからどうしよう、こうしようという議論はしなくてもいいのではないのかなというふうな気がしますね。
ちょっとそれのついでに、いろいろ環境変化からずっと入ってきましたけれども、そもそもこういうことを議論する、その前段にこの(2)の酒類の特性というところを、この前で議論したらいいのか、順番でこれでいいのかよくわからないのですけれども、長い歴史の中でこのお酒の酒類の特性というのが非常に変わってきている。変わってきているというとおかしいのですけれども、消費者、飲む立場の人から見ると変わってきているということをこの議論の中である程度押さえておく必要性があるのではないのかなと。この酒類の特性でイ.致酔性、習慣性、ロ.嗜好性、ストレス解消のための商品、ハ.文化・伝統性、ニ.財政物資性というところで、4項目ありますけれども、このうち致酔性、習慣性ということは昔と今も変わりませんけれども、そのほかの項目のところはお酒に特別の特性ということではない。だけに特性ということではないと。要するに、昔はお酒でとりわけこういうことがほかの商品と違うというふうに特徴づけられたのですけれども、世の中で非常に多様なものが飲まれ、食べられるようになってくると、この嗜好品、ストレス解消のための商品という特性もお酒に限ったことではないのではないかと。だから、そういうふうな特徴はどんどん薄れてきていると。それから、ハにしても、文化・伝統性というものとかけ離れて飲まれるようになってきていると。それから、ニの財政物資性、これは担税物資というふうな意味だと思うのですけれども、これも税のウエートからするとだんだんウエートが小さくなってきていると。ということを考えると、どうも酒類の特性というのが昔と今とかなり変わってきていますよということで、変わってきた中で残っている致酔性、習慣性というものを重視するとなると社会的規制というのがやはりそれだけ残ってくると。こういうことを全体の中で押さえて、そういう前提で考えると例えば流通チャネルが非常に広がるとか、国際性が出てくるとかというふうなストーリーにつながっていくのではないかなという気がするのですよね。ですから、むしろ酒類の特性のところをもうちょっとこういうふうに変わってきたというところを押さえてくると、(1)環境の変化というのを説明するのに筋が通っていくような議論ができそうな気がするのですけれどもいかがでしょうか。
奥村座長
ありがとうございました。