岡本氏
2ページのところの質問なのですけれども、アルコール依存症の方の数字が出ておりますけれども、その中で未成年者の方がそういう施設に入る数がふえつつあるのか、傾向として。それと、低年齢化といいますか、そういうものも進んでいるのかどうかという質問なのですが。
高倉室長
ここの2ページに提示させていただきました資料自体は、ちょっと年齢まで分類がとれないということで、直ちにそこのところの確たるお答えを申し上げられません。
ただ、もう一つ、下の方で引用しましたアルコール白書の未成年の部分を分析したレポートの本文の方では、これは場所が国立療養所久里浜病院での研究でございますけれども、平成5年の報告書ではございますが、その最近の数年間で、1年に数人ではあるけれども、未成年者でアルコール関連障害を持っている者が受診し始めていると。一病院の療養所の例ではございますが、そういった報告がなされております。
田中氏
1ページ目の飲酒習慣者の推移なのですけれども、20代は平成7年から12年は下がってきているわけですね。未成年者の飲酒習慣というのは、建前上とれないのかよくわかりませんけれども、それの数値はあるのですか。何か学校での印象だと、だんだん酒を飲まない子がふえてきたような印象があるので、20代でも減っているから、多分10代後半でも減っているのではないかなと。直感ですけれども。
高倉室長
6ページのグラフでごらんいただきたいと存じますが、未成年の部分が、なかなか先の方にある全体のサンプル調査ができなくて、特別な先ほどののりつき封筒回収調査というのでやるわけですが、今回の平成12年度、そして5年前の平成8年度との比較で見る限りでは、必ずしも10代、中高生の飲酒率が下がっているとは見受けにくいと。若干男子の方は、中学生が中1・中2・中3とも少し減ってはおりますけれども、高校生に至りますとほぼ横ばい、若干だけ減った形にはなっておりますが。むしろ下の女子を見ますと、これも僅差でありますけれども、むしろ少しふえつつあるのかなということで、決して減っているという感じはないという状況です。
田中氏
確かに女子はふえていますね。
高倉室長
男子は、既にして月1日以上という人を含めると、約半分が高3で飲んでいると。これは決して少なくないので、非常に多い、問題の数字だと考えております。
酒税課長
ちょっと補足させていただきますと、簡単に申し上げて恐縮なのでございますけれども、確かに最近、国民1人当たりのアルコール消費量は、全体的に逓減の傾向でございます。したがって、よりライトなものを皆さんお飲みになるわけなのですが、少なくとも中高生の人たちもそういった傾向にあるのではないかなというふうに思います。特に最近、ちょっと商品名を出すのはあれでございますが、いわゆる缶チューハイの分野が、普通の清涼飲料水と同じような形でもって売られる、あるいはイメージ的な広告もされるというところがございますので、そういったことで、ちょっと飲むかという形でもって飲み始めるということになっているのではないかというふうに、感覚的に思っておるのですが。
本間氏
はっきりした線引きというのはできないのだと思いますが、この2ページの未成年におけるアルコール関連障害の中で、1の最後に脳萎縮のおそれという項目があります。これは昔から、脳がまだ柔らかいうちは、つまり成長過程にあるうちは、わずかな飲酒でも脳細胞を破壊して、その破壊した脳細胞は再び復活しないというふうに聞かされておりまして、それがゆえに頭が悪いのだとか言われたこともありますけれども、どのくらい具体的に数値が明確になるものなのでしょうか。そして、何歳から何歳ぐらいまでは本当に飲まないことが最善なのだというような、そういうことを発表はできないものなのでしょうか。
高倉室長
このアルコール白書のこの表の、さらなる解説の部分と照らし合わせまして補足させていただきますと、脳萎縮の部分は、実はおそれという、ちょっと緩い表現になっておりまして、その上の方は、急性アルコール中毒、死亡の危険、あるいは何とか障害、悪影響と、結構直接的なエビデンスがあるということで、そういう表現になっているのと比べますと、この脳萎縮の部分につきましては、大人のアルコール症を観察していると脳萎縮が伴う例がかなりあるので、成長期の大量飲酒は脳萎縮をもたらすと信じられていると、ここは推測になっております。この平成5年のアルコール白書の根拠となっているレポートでは、そういう程度でございまして、なかなかかっちりとした何歳から何歳でこうだったという直接観察結果ではございません。
井岸氏
先ほどの11ページの節度ある適度な飲酒についてちょっとお尋ねしたいのですが、先ほど過年度の国税庁の適正量といいますか、それとの数値の違いというのがありましたけれども、今、例えば農林水産省なんかの場合には、食生活の指針というのを出していますね。食生活とやはり飲酒の習慣というのは切り離せないと思うのですが、こういったいろいろな、ばらばらな、節度ある適正量みたいな話が出てきても、個人個人の生活にしてみれば非常に戸惑いがあると思うのですね。現にこの中には、よく言われますけれども、1週間に1日か2日は休肝日を設けろよと。でも習慣性の飲料ですから、毎日飲んでいいのか、あるいは本当にやめなければいけないのかという問題がありますが、ここでは触れてないですよね。ですから、こういったようなことについてはどういうふうにお考えになってらっしゃるのか。酒を飲むということについては、厚生労働省が、例えば国税庁がこう言っても、あるいは農水省がこう言っても、こうなのだよという、これを「健康日本21」として初めてぼーんと出したのかどうか。不幸にして私はきょう初めて見たものですから、これを見ただけでは、これは毎日飲んでいてもいいのかなと、こういうふうに判断します。自分はのんべえですから。
ただ、この純アルコール量これこれが本当に適正で、飲酒習慣のない人は、もうこれ以上飲まないようにしたということを考えていった場合には、今のこの日本の酒類行政の中で、お酒が余ってしまいますよね。これで本当に抑制してしまったらば、免許も多過ぎるし、製造量も多過ぎるし、輸入量も多過ぎるという話になってくるのではないかなと。現実論として、もっとみんな飲む人は飲んでいるのではないかなというふうに考えるのですが、いかがなものなのでしょうか。