奥村座長
 ありがとうございました。
 それでは、ご質疑をお願いいたします。

寺沢氏
 資料の5ページに飲酒状況の調査結果がありますけれども、この中で、だれとどういう状況で飲んでいるかということが調査項目にあったら、どんな状況かちょっと教えていただけますか。

高倉室長
 これは厚い方の報告書、お手元にございますでしょうか、こちらをご参照いただきたいと思います。ちょっとページがきちっと打ってなくて、大変恐縮でございます。4枚目、2)飲酒機会ということでございますが、冠婚葬祭が男女とも一番高いと。家族と一緒のときというのも経験率が高いということでございます。ただ、そのほかクラス会、打ち上げ、コンパのとき、あるいは居酒屋、カラオケボックス、飲み屋、だれかの部屋で仲間と、こういったものの割合が学年が上がるにつれ急激に上昇と。特にだれかの部屋で仲間と飲んだことがあるという割合、これが高3で男女とも5割前後と大変高い状況になっておりました。
 以上でございます。

神崎氏
 のんべえの質問ですから、大目に見てください。11ページ、ここで「節度ある適度な飲酒」ということで、その指標が出ております。1日平均、純アルコールで約20グラムということは、清酒で1合、ビールで1本ということですね。これは未成年の適正な量ではないですね、もちろん。我々の適正な量だと。そうしますと、昭和61年より行われた「飲酒文化を考える会」では、日本酒の適正量は、約2合までという医学関係の先生のコメントが出ていたように思いますが、さらにその基準よりも低い設定がなされたわけです。特別な裏付けがあってのことでしょうか。

高倉室長
 この節度ある適度な飲酒の目安量につきましては、「健康日本21」、この9分野70項目にわたる目標を取りまとめていくに当たりまして、各分野の専門家の研究者を中心とするグループにご参集いただきまして、その中で、それまでの各種の科学的レポート、報告、調査結果等のいわゆるエビデンス、根拠をメタアナリシスにしまして、そこからこういうことではないかということで原案をつくって、その上で、いろいろと意見も聞こうということで、さまざまな地方公聴会、あるいはホームページを通じて地方での意見聴取などのプロセスを経まして、一応1日平均ということで、これは毎日飲む場合と3日に一遍という場合とでは、おのずと1日平均量としてどうかということがありますけれども、1日平均、純アルコールで見たらこれぐらいというのが、その後のいろいろな研究報告から得られる知見であるということで打ち出されたものでございます。もとより個人差が大変ございますし、1日平均ということで、例えば3日に1回であれば、1回飲むときはもう少しあっても耐えられる方はそれでもいいのではないかという、大数を観察しての1日平均値というふうにご理解いただければと思います。

神崎氏
 あくまでもこれは目安ですね。

奥村座長
 未成年者飲酒防止に関する厚生労働省における取り組みというのは、何か今課題に上っているようなことがありますでしょうか。

高倉室長
 この「健康日本21」という私どもの提唱させていただいております運動の中でも、未成年の部分については0%を目指そうという目標を立てさせていただいております。これを具体的に少しでも実現していくためにということで、先ほどの2本柱で、普及啓発、あるいは地方に呼びかけて、自治体ごとにさまざまな創意工夫の取り組みをつくっていただきたいという呼びかけをして、また計画づくり、住民参加型の計画づくりのノウハウを技術的に支援したりしております。そのあたりが中心でございますけれども、普及啓発につきましては、例えば未成年の飲酒問題に焦点を当てたシンポジウムを、関係省庁のご協力もいただきながら開催させていただくこと。あるいは、いろいろなパンフレット、情報提供等、ホームページを通じた情報提供ですとか、そういった当省として整理したいろいろな科学的データについて、都道府県の保健所、あるいはまた市町村の保健センターという、ヘルス関係の地域の行政機関におきまして活用していただいて、地域での健康教室的な取り組みでございますとか、あるいは学校と連携した啓発の機会を設けるですとか、さまざまな普及啓発に取り組んでいただいております。私ども自身もやっておりますし、地方自治体にも保健部局に協力を求めて、そこの点を中心に取り組んでおると、そういう状況でございます。 

奥村座長
 今ご尽力いただいている点は、従来は余りやっていなかったけれども、最近やり始めたということなのか、従来の延長線上でそれが行われているということでしょうか。

高倉室長
 基本的には延長線上でございますけれども、健康日本21という全体的な運動論としてより大きく焦点を当てまして、そしてまた、それをさらに今回は国会に法律案を提出させていただくべく努力をしておりまして、法律に基づく健康運動ということにさらに強めていきたいと。もちろん未成年のアルコールの分野は、9分野70項目のうちの一分野でございますけれども、全体の健康増進のための社会的支援の強化ということに現在取り組ませていただいております。

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