平成28年10月
国税庁
平成27事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について
1 所得税
(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況
所得税の調査については、高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に深度ある調査（特別調査・一般調査）を優先して実施する一方、申告漏れ所得等の把握を実地により短期間で行う着眼調査を実施しています（以下、実地により行う調査を総称して「実地調査」といいます。）。
このほか、文書、電話による連絡又は来署依頼による面接により、申告漏れ、計算誤り又は所得（税額）控除の適用誤りがあるものを是正するなどの接触（以下「簡易な接触」といいます。）を実施しています。
このように、事案に応じた的確な調査等（「実地調査」及び「簡易な接触」をいいます。以下同じです。）を実施し、適正・公平な課税に努めています。
実地調査の件数については、特別調査・一般調査が4万8千件（前事務年度4万9千件）、着眼調査が1万8千件（前事務年度1万8千件）であり、簡易な接触の件数については58万4千件（前事務年度67万2千件）となっています。
これらの調査等の合計件数は65万件（前事務年度74万件）であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は39万6千件（前事務年度46万6千件）となっています。
(2) 申告漏れ所得金額の状況
実地調査により把握された申告漏れ所得金額（実地調査の対象となった全ての年分の合計）は、全体で5，243億円（前事務年度5，008億円）であり、うち特別調査・一般調査によるものは4，522億円(前事務年度4，319億円)、着眼調査によるものは722億円（前事務年度689億円）となっています。
また、簡易な接触によるものは3，542億円（前事務年度3，651億円）となっており、調査等合計では8，785億円（前事務年度8，659億円）となっています。
(3) 追徴税額の状況
実地調査による追徴税額（実地調査の対象となった全ての年分の合計で、加算税を含む。）は、全体で798億円（前事務年度742億円）であり、このうち特別調査・一般調査によるものは746億円(前事務年度696億円)、着眼調査によるものは52億円（前事務年度46億円）となっています。
また、簡易な接触による追徴税額は277億円（前事務年度265億円）となっており、調査等合計では1，074億円（前事務年度1，008億円）となっています。
(4) 譲渡所得
所得税のうち譲渡所得に係る調査等の件数は、2万7千件（前事務年度3万件）であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は、2万件（前事務年度2万1千件）となっています。申告漏れ所得金額（調査等の対象となった全ての年分の合計）は、1，548億円（前事務年度1，500億円）となっています。
2 消費税（個人事業者）
(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況
消費税（個人事業者）の調査等については、課税事業者又は課税事業者と認められる者を対象に、原則として所得税の調査等と同時に実施することとしておりますが、消費税のみが無申告である納税者に対しても調査を実施し、適正・公平な課税に努めています。
実地調査の件数は、特別調査・一般調査は2万7千件（前事務年度2万8千件）、着眼調査は8千件（前事務年度8千件）であり、簡易な接触の件数は5万3千件（前事務年度5万件）となっています。
これらの調査等の合計件数は8万8千件（前事務年度8万6千件）であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は6万1千件（前事務年度5万9千件）となっています。
(2) 追徴税額の状況
実地調査による追徴税額（実地調査の対象となった全ての年分の合計で加算税を含みます。）は、全体で215億円（前事務年度186億円）であり、このうち特別調査・一般調査によるものは193億円(前事務年度168億円)、着眼調査によるものは21億円（前事務年度18億円）となっています。
また、簡易な接触によるものは56億円（前事務年度47億円）となっており、調査等合計では、271億円（前事務年度232億円）となっています。
