東京国税局では、令和7年酒類鑑評会を開催し、出品された清酒、本格焼酎について、審査を行いました。
全体の出品状況は、清酒吟醸部門に22点、清酒純米吟醸部門に31点、清酒燗酒部門に23点、清酒純米燗酒部門に29点及び本格焼酎部門に19点の出品がありました。
審査は部門別に、酒類の品質評価に十分な経験及び能力を有するとともに、製造方法や貯蔵・熟成に関する知識を有する審査員により、採点法並びに特性及び欠点の指摘によって、味、香り及び香味の調和を慎重かつ厳正に評価しました。
その結果、清酒吟醸部門8場、清酒純米吟醸部門12場、清酒燗酒部門9場、清酒純米燗酒部門11場及び本格焼酎部門4場を、優等賞受賞製造場として選定しました。
登熟期の高温の影響で例年以上に原料米が硬く溶けにくいことに加え、原料米の入手が困難になってきているとの声を多く聞きました。様々な困難があったものの、製造責任者をはじめとする現場の方々の卓越した技術により、良質の清酒が数多く出品されておりました。
清酒吟醸部門は、上品で落ち着いた吟醸香を有しつつ、甘くすっきりとしたキレある酒質に仕上がっていました。
清酒純米吟醸部門は、柑橘など多様な香りの酒が出品されました。香りは控えめであっても、味のバランスがとれている酒質も高く評価されています。味については、旨味のあるものが多く出品されておりました。
清酒燗酒部門は、お酒の温度をあげたことにより、麹そのものの香りや熟成香が好ましく感じられるようです。食中酒としても良好なものが出品されておりました。
清酒純米燗酒部門は、古酒を含め、幅広い酒質のものが出品されておりました。酸味が感じられる酒は、さわやかなきれいな味として評価されています。
製造責任者をはじめとする現場の方々の技術力が遺憾なく発揮された結果、欠点となるような香りが少なく、近年の酒質向上の成果がうかがえました。米、麦、甘しょ、酒粕といった原料の特性や蒸留方法の特徴が反映されていました。