税金は未来への先行投資
横浜市立名瀬中学校 3年 町田 理央
私には夢があります。将来は海外の大学に進学して、日本と世界を繋ぐような仕事をすることです。高校受験を控えて、未来のことを考えている時、希望に溢れているのを感じます。自分で選んだ進学先で精いっぱい勉強して、培ったものを日本と世界に還元できる人になりたい。
そんな風に思えるようになったのは、学校に行けずに働いている子供が世界には沢山いるというニュースを見た事がきっかけです。5歳から17歳で働く子供は1億5,200万人と言われていて、家族を養うために働いています。進学できるのが当たり前の環境にいた私は、ちょうど受験勉強が嫌になっている時期でした。そして、「勉強しないなら働きなさい、やる気のない人にお金は出せない。」 と両親に言われていた頃でした。
それを境に、自分の将来や役割について真剣に考えるようになり、目標を見つけることができました。
ところが、今度は海外大学に進学するにはかなりのお金がかかることが分かりました。そこで調べてみると、公立高校は年間12万円ほどで通える事が分かりました。これは私が希望していた私立高校の6分の1の金額でした。
公立高校の説明会に参加すると、私の希望していた授業が受けられる学校を見つけました。公立高校に行けば、お金も節約できるし自分の学びたい勉強ができる環境が整っています。私はとても恵まれているのだと思いました。
これというのも、私たちの教育には税金が使われているからです。神奈川県では一人当たり、小学校6年間で約553万円、中学校3年間で約320万円、高校3年間で339万円が使われています。小学校から高校までの12年間で約1,200万円以上になります。この税金は「文教及び科学振興費」というもので、一般的には「教育費」と呼ばれています。
なぜ私たちの教育に、こんなにも沢山の税金が使われているのでしょうか。
それは私たちが、日本の将来を担っているからだと思います。国に還元することを期待されて、先行投資をしてもらっているのです。
働いて稼いだお金の一部を、見ず知らずの私たちの教育費に充ててくれている大勢の人達がいます。お父さんとお母さんにだけ感謝すればいいわけではなかったのです。私たちは国民から応援されています。日本国民の代表だと自覚し、感謝の気持ちを持って勉強することで、世界と対等に渡り合える人材になれるのだと思います。
これから奨学金も貰えるように努力して勉強を続け、頂いた税金以上のものを還元出来るようにしていきたいと思います。