地球を救う税と私の夢
3年 上野 陽菜
地球温暖化、大気汚染、森林破壊・・・多少なりとも常に環境問題と共存せざるを得なくなった現代社会。私は中学生になってから、総合的な学習の時間で取り組んだSDGs探求を通してこのような題材に関心を持つようになった。そこで、世界規模で環境問題解決に付随して定められた税もあるのではと興味を持ち、たどり着いた「環境税」という税について追求してみることに決めた。
この税には、燃料を輸入する際に業者が払う「地球温暖化対策税」のように、普段私たちが疎遠だと感じるようなものだけでなく、いわゆるガソリン税である「揮発油税」、自動車を所有する国民が納める「自動車税」等の、一般人にとって、身近な税も含まれている。環境税と聞くと堅苦しく、限られたところで用いられるものだと思っていたが、むしろ正反対だった。当たり前のように知っていた税が、複数の過程を経て最終的に地球に貢献しているのだと思うと、税金と人間と地球との繋がりをより強く感じて、心が躍った。
日本では環境保全のために、環境税をはじめとし、さまざまな取り組みや個人の心掛け等がされているが、それだけでは問題の完全な解決には至らない。環境問題は、日本だけでなく地球全体の問題であるからだ。
世界にも目を向けることにしよう。SDGs達成率上位の国々ではどのような税を定め、またそれをどのようにして結果につなげているのか。
達成率世界上位を保っているスウェーデンを例に挙げよう。スウェーデンでは積極的に環境税を課すことだけでなく、国民の負担減少や納税意欲の向上も併せて推進している。一例として、再生可能エネルギーにより使用できる製品等の、環境負荷が少ない物や事柄に対しての税率を下げるということがある。
環境税は知名度の高い「所得税」や「消費税」等と比べると、まだ認識がされていないのも現実だ。実際、小学校で税の授業を受けた際にも、いくつかの税が「環境税」に含まれているということは教わらなかった。私は世界で課されているこの税を、たくさんの方々に知ってもらいたいと、切に願っている。
「納税は決して他人事ではない」、このような言葉を幾度となく耳にしてきた。分かっているつもりだったが、自分が興味のある分野から学ぶことで、これまでより深く理解できた気がする。そして今回、私は環境税が自然エネルギー普及促進や建造物の省エネ化等に使われていることを知り、新たな夢を持った。新しい再生可能エネルギーを生み出し、それらを普及させたり、脱炭素社会の実現をより早める科学技術を開発したりすることである。これまでは、将来は環境に携わる仕事ができたらいいな、と漠然と考えていただけだったが、目標ができたことがとても嬉しい。この目標が、いつかこの「環境税」の活用に採用されるような成果を上げられたら幸いだ。