支え合いのしくみを守るために

足立区立蒲原中学校 3年 清水 唯愛

皆さんは「税金を払いたくない。」「減税してほしい。」と思ったことがあるだろうか。特に消費税は日常的に関わりが深く、「消費税がなければ、もっと安く買えたのに。」と感じたことがある人は多いはずだ。物価の高い今の時代では、税の負担が重く感じられる場面も少なくない。では「脱税」という言葉を知っているだろうか。ニュースなどで耳にしたことがある人もいるかもしれないが、具体的にどのような行為が脱税なのか、なぜいけないのかを詳しく理解している人は少ないのではないか。実際、私自身も調べるまでは、脱税がどのような行為で、どれほど社会に影響を与えているのか知らなかった。脱税とは、本来納めるべき税金を意図的にごまかして納めないことである。たとえば、売上を少なく申告したり、存在しない経費を多く計上して、所得を少なく見せたりすることで、納税額を減らす行為が脱税にあたる。「税金を払いたくない。」という気持ちが強くなりすぎてズルをしてしまうのが脱税である。
 こうした行為を行うのは大人や企業であり、私たち学生には関係のないことのように思える。しかし脱税の悪いところは、私たちの生活にも深く関係している。私たちが普段使っている学校、病院、道路、警察などの公共サービスは、すべて税金で支えられている。学校で使う教科書や黒板、校舎の修理、エアコンの設置なども税金によってまかなわれている。もし税金がなければ、今のような快適で安全な生活は成り立たない。脱税を取り締まる専門の仕事に「国税調査官」があることからも、脱税が重大な問題であることがわかる。一部の人が税を納めないことで、他の人たちにより多くの負担がかかってしまう。さらに必要な税金が集まらなければ、学校の設備が古いままであったり、災害時の支援が行き届かなかったりするかもしれない。まじめに税を納めている人が支援を受けられない、サービスが十分でないなどの損をし、社会全体のサービスが低下することになるのだ。
 「みんなで支え合う」仕組みの税金は、一人ひとりの正しい行動によって守られている。脱税はその仕組みを壊す行為であり、私たちの身近な生活にまで悪い影響を及ぼす。これは学校生活にも通じることである。周囲の人がまじめに努力していても、一部の人がズルをしてしまうことで、その努力が報われなくなることがある。ズルをすると、本人の問題だけでなく、まわりの人々にも悪い影響を与えてしまうのだ。脱税について調べる中で、私は「ズルをすることの危うさ。」と「正しく行動することの大切さ。」をあらためて実感した。税金とは国民一人ひとりが少しずつ支え合うことで成り立つ、社会への感謝の気持ちだと感じた。
 これから税を正しく納めることの大切さを多くの人に伝えていきたい。