あなたと話したい公債金、国債費
東京都立武蔵高等学校附属中学校 3年 森本 あかり
公債金、国債費ってなに?国の歳入、歳出の円グラフを見る度、いつもそれぞれ大きな割合を占めているため、自然と目に入る。しかし説明には、「国の借金」また「公債金を返したり利子を支払ったりするお金」のみ。随分大雑把であるし、よく聞く税金や社会保障費に比べたら存在感薄め。私は、これら得体の知れない公債金、国債費が一体何者なのか、自分で確かめたいと思った。
調べたところ、公債金は、予算が税金だけでは賄えないために国が企業や国民から借りる借金、国債費は公債金、またそれに伴う利子を払うための税金であることがわかった。
様々な課題が山積する近年、予算が膨らみ続ける一方で、税収が支出に追いつかない。それを補うのが公債金の役割であるが、返さなければいけない国債費は年々増加し、令和6年度末には、わたしたち国民が納める税金の約16年分に相当する約1,105兆円もになると見込まれている。市井の人々の想像も及ばぬ莫大な借金を国が抱えていることを、どう受け止めればいいのだろうか。追求すると、受け止め方は二つに分かれるようだ。
まず一つは、借金容認派。借金総額だけではなく、国が保有する資産とのバランスに着目すれば、日本の借金額はむしろ世界的に少ないうえ、国や日本銀行には貨幣発行権があるから、必ず返済できるという考え方だ。
二つ目は借金反対派。一般的な観点である対GDP比で借金総額をみると、日本は先進国の中で突出して高い水準にあり、また国債を発行することは、赤字を賄うために行うべき増税を先延ばしにすることと同じだという考え方だ。
私は借金反対の考え方を推す。貨幣発行権があると言えども、この権利を乱発すると、極端なインフレーションを起こすし、そのため日本銀行は簡単には貨幣を刷ることはできない仕組みになっていて、非現実的な解決策だと思うからだ。何より、巨額な借金を抱えて良いはずがない、という強い気持ちがある。
少子化には社会保障費を、国防には防衛関係費を、そして公債金、国債費の解決のために国は何を提示するのか。この大きな問題から目を反らすことはできない。現状、増税を先延ばしにして、将来の国民に負担を投げているのではないか。私は国が公債金や国債費についてどう対応するのか、今よりも世間に伝えるべきだと思う。
しかし、同時に国民の注目度を高めることも不可欠だ。今、国の借金について知っている、もしくは興味を持っている人は少ないのではないだろうか。けれども、私たちは知り、考える必要がある。それは今の私たちから、ひいては将来の私たちのためだ。多くの人が考えて、議論をすることで、新たな考え方や、より良い解決策が生まれると思う。だから私は、これを読んだ全ての人に問いたい。
あなたはどう考えますか、と。