税で守れるもの

中央区立晴海中学校 3年 小林 莉緒

税金にはどのような役割があるのだろうか。私は、困っている人の心を支える役割もあると思う。なぜなら私も税金によってつくられた福祉の制度や施設で、心を支えられた経験があるからだ。
 「私がしっかりしなくちゃ」小学校低学年のころ、私はいつも無意識にそう思っていた気がする。その頃、私の家は母子家庭になったばかりで家族に心配をかけたくないという気持ちが強かった。そんなときに、税金によって提供された制度や施設などが私の心を少しずつ軽くしてくれた。
 母が仕事を始めたため、私は放課後の時間に過ごす場所が必要になった。最初は学童に通う予定だったが、学童の人数には限りがあり、急には空きがなく入れなかったので、プレディに通うことになった。私の住んでいる東京都中央区には学童とは別の放課後に子供たちが過ごせるプレディという場所がある。プレディに行くと、先生や友達が笑って挨拶をしてくれたり、みんなで一緒にお菓子を食べたりできた。プレディで過ごした友達や先生との時間は、新しい環境に慣れず気持ちが不安定だった私に安心を与えてくれた。プレディは、私のように母子家庭の家でなくても放課後の時間を家族と過ごせない子供にとっても安心できる居場所だったと思う。
 それと同じ時期に、私は家族に心配をかけたくなくて悩みを相談できていなかった。その様子を見た母が、学校のカウンセリングを申し込んでくれた。カウンセラーさんに今自分が不安に思っていることを話していると、「本当に頑張っているね。」という言葉が返ってきた。話を聞いてくれる居場所があることにほっとして、何度も泣いたのを覚えている。
 責任を感じ不安定だった私の心を救ってくれたのは、プレディで過ごした時間やカウンセラーさんの言葉だった。そして、今回税について調べたことでそれらは税金によって支えられていたことを知った。このような福祉などに使われる税金は社会保障関係費といい私たちの健康や生活を守るために使われる。また税金はそれ以外にも、防衛関係費や公共事業関係費などもあり、国を守ったり道路を整備したりすることで私たちが安全で豊かに暮らせるようにするためにも使われている。
 最近ニュースなどで「増税」という言葉をよく聞くようになり、税金についてマイナスなイメージを持つ人が多くなっている。しかし、税金を払い様々な制度や施設ができることで、その時つらい思いや状況を抱えている人の日常を守ることができる。また、私たちの暮らしもより豊かになる。その制度や施設の背景に税金があることは目には見えにくい。税は、まるで目には見えない誰かのやさしさのように困っていたときの私には感じられた。税金が、私の心を救ってくれた。今度は私が救いたい。その第一歩が税金についてよく知り、税金を納めることだと私は思う。