税金を子供のために

松戸市立小金中学校 3年 板垣 さくら

私の家ではホストファミリーを行っていて、ノルウェーの留学生が来ていました。ノルウェーは世界一物価が高いと聞きました。物価が高い原因は消費税が25%だからです。何でも高すぎて、外食もほとんどしないと言っていました。
 ノルウェーでは妊娠から出産まで医療費はすべて無料です。また、ノルウェーでは、世界で初めて父親の育児休暇を一定期間割り当てた国でもあります。父親の育児の積極的参加を国を挙げて支援しています。また、教育費も原則無料です。義務教育はもちろん、ほとんどの高校や大学まで学費がかかりません。物価は高いけれど、人を育てるには優しい環境であると言えます。
 ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧三か国は、社会保障制度が充実していることが有名です。国民幸福度が高いことも知られており、一見すると理想的な国のように感じますが、手厚い社会保障は高い税金がなければ成り立ちません。北欧三か国は、税金や社会保険料が高いものの「国が責任をもって国民の面倒を見る」という考えのもとで政策が行われています。これに対し、日本では税金の用途や増税の理由が明確になっていないことが課題となっています。国民が公的サービスを実感しにくく、生活に不安をもってしまうことも問題です。
 日本では子供の貧困が問題になっています。7人に1人の子供が貧困状態にあると言われています。子供の貧困は教育や体験の機会に乏しく、社会から孤立し、様々な面で不利な状況に置かれてしまう傾向にあります。子供時代の経済格差が教育格差を生み、将来の所得格差につながり、将来も貧困から抜け出せない傾向があるそうです。そして、貧困から結婚を諦め、子供を産み育てることを諦める人が増えれば、さらに日本は少子化になっていくと思います。
 子供の貧困こそ社会的問題であると言えます。日本の子供は減少傾向にあり、つまり将来を支える人口が減るということになります。子供が減っていく一方で、子供一人当たりの教育費は年々上がっています。中学校までは義務教育ですが、高校に進学しない人は今の時代はほとんどいないため、高校からは補助金が出るにせよ、大きな費用が掛かることになります。全員により良質な教育を行き渡らせるために、社会全体が考えていくべきです。生まれた環境でその人の人生が決まってしまうような日本であってはいけません。もっと子供を支えるために、育てるために、教育のために税金を使って欲しいです。
 将来を担う子供に税金を使うことが、結果的に社会全体をよくすることにつながると、私は考えます。