震災を通して学ぶ税の使われ方

木更津市立岩根西中学校 3年 飯塚 菜凪

令和6年1月1日、能登半島地震が発生しました。私は、その日は元日で家族で祖父母の家を訪ねていました。みんなでお雑煮を食べたり、神社に初詣に行ったりと楽しい日常を過ごしていました。そんな中、突然グラッと揺れを少し感じました。すぐにテレビをつけてニュースを見ると石川県で震度7と発表され、そこには大津波警報の文字が。私は、突然の出来事で逃げ遅れてしまった人も多いのではと心配しました。ここに暮らしていた人たちは、この先どうなってしまうのだろうと考えました。
 あれから約半年、私は夏休みの宿題で税の作文を書くことにしました。普段の生活で知っている消費税以外に、どんな税金があるのか、震災などで倒壊した施設や道路、住宅などはどのように修復され、税との関わりはあるのか疑問に思うようになったからです。調べてみると、能登半島地震で被災された方を支援する特別措置が講じられていました。例えば、所得税やそこから差し引く控除額などがあります。これらを行うことで、税額の軽減や還付を実質的に早く受けることができるそうです。
 また、申告・納税等の期限を延長する制度もあるそうです。地震により被災され、申告納付等をすることができない場合には、当初の期限を経過した後も申告・納付等の期限の延長を受けることができます。被災者の方たちの状況を十分に配慮しながら検討され、生活が苦しい状況にある人たちを援助することができる良い制度だと私は思います。
 今から13年前東日本大震災が発生しました。地震や津波によって家が壊れたり、道路が崩れたりするなどの大規模な被害が出ました。東日本大震災では、国民が納めた税金が困っている人たちを支えました。東日本大震災の直後、現地に赴き救助活動、捜索活動を行った自衛隊や全国の警察、消防の方々の派遣費用や給料は、すべてが税金によってまかなわれました。また、被災地に届けられた救援物資のうち、自治体があらかじめ備蓄していた非常食などは、税金で購入されたものがほとんどだったそうです。津波で流された学校や市役所などの公共施設の建設などの被災地の復興にも国費が使われています。
 これまでの自分自身の生活を振り返ると、税金は社会生活を成り立たせる上で必要不可欠なものだと改めて感じます。今ある生活環境は、当たり前ではなく、税金によって支えられているのです。
 私は、税金を納めることはもちろんのこと、同時に、納めた税金が何に使われているのか使い道にも関心を持っていきたいです。また、これからの将来も、国民一人一人が正しく税金を納めることが必要であり、色々な場面で税の恩恵に助けられていることを忘れてはいけないと思います。