租・庸・調と適切な税制
昭和学院秀英中学校 3年 小川 幸穂
私は歴史、特に中世以前の日本史が好きだ。歴史というと「覚えることが多いから嫌い」という人をよく見かけるが、古代からの文化や制度は現代の社会の基盤につながっていることも多い。そうしたつながりを知ることは、今の社会を理解することにとっても重要だと思う。
現代社会につながる古典制度の一つに、七〇一年の大宝律令によって確立された「租庸調」という制度がある。これは、米や特産物、布、労役などを国に納める日本初の本格的な税制で小学校で習う内容だ。しかし、収穫した米を納めるだけでなく、貴重な労働力を使って遠く離れた都までそれを運び、さらには兵役や労役の負担まで課せられていたこの制度は、当時の農民にとって非常に重い負担だったそうだ。その結果、戸籍を偽ったり逃亡したりする農民が増加し、八世紀後半には制度そのものが崩壊してしまった。
この歴史から考えられることは、「税」は一方的に課すだけではうまく機能しないということだ。税の制度は、国民の生活や社会の仕組みに合わせて適切に活用・調整されなければならないと思う。
現代に目を向けると、多くの先進国が少子高齢化に直面し、医療費や年金などの社会保障費が急増している。これに対応するには、無駄な歳出を減らすだけではなく安定した税収の確保と国民が納得するような税の活用法が欠かせない。
その一例として、私は「ふるさと納税」という制度に注目した。私の家では毎年、ふるさと納税でもらった家電や動物の飼育器具が活躍しているが、私は「ふるさと納税」がどのような仕組みで何のためにあるのかよく知らなかった。そこで調べてみると、ふるさと納税とはもともと、人口が都市部に集中することで地方の税収が減ってしまう問題を解決するために生まれた仕組みで、来年度の所得税や住民税の一部を自分が応援したい地方自治体に寄付という形で納められる制度だということが分かった。そしてさらにその際、返礼品を受け取ることもできる。これが「ふるさと納税でもらった家電」の正体だ。
この制度の画期的な点は、「納める先を自分で選べる」という自由さにあると思う。
まさに、特産物を都へ運ぶために何日もかけて歩いた飛鳥時代の税制とは正反対だ。強制的に支配される税ではなく、自分の意志で参加し、地域とつながれる税制には、これからの少子高齢化という社会課題に対し、税率を適切に調整していくためのヒントがあると思う。そして、そうした仕組みを積極的に取り入れていくべきだ。