別紙

1 事前照会の趣旨
JA共済では、公的医療保険制度の改正や少子化・高齢化の進展による自助努力の必要性が向上する中、既存の死亡保障を見直し医療保障にシフトさせたいというニーズに応えるため、新たに、既存の養老生命共済契約、終身共済契約、年金共済契約から、入院、手術、通院などの医療保障を主軸とする医療共済契約への転換制度を導入します。
この転換制度は、既存の養老生命共済契約、終身共済契約、年金共済契約の責任準備金を、いったん共済掛金充当払特則の責任準備金に引き継ぎ、その後医療共済契約の掛金の払込みの都度、払い込まれる掛金の一部に充当する方法による点で、従来の契約転換制度と異なりますが、昭和53年2月10日付直資2−36、直所3−5「契約転換制度の所得税法及び相続税法上の取扱いについて」(以下「転換通達」という。)と同様に、所得税及び贈与税の課税関係は生じないものと取り扱ってよろしいか伺います。
なお、従来の契約転換制度との比較は別表のとおりです。
 
2 事前照会に係る取引等の事実関係
転換通達では、転換前契約の責任準備金等を転換後契約の責任準備金等に引き継ぐ方法による契約転換については、次の丸1から丸5を要件として、実質的には、契約の継続性を失わない契約内容の変更と考えられることから、転換に伴う所得税及び贈与税の課税関係は生じないものとして取り扱われています。
  1. 丸1 転換前契約と保険契約者・被保険者が同一であること
  2. 丸2 契約者配当の権利を引き継ぐこと
  3. 丸3 転換前契約の死亡保障の範囲内(死亡保険金、保険期間)での危険選択を行わないこと
  4. 丸4 告知義務違反による契約解除や自殺による保険金支払免責等の場合での転換前契約への復帰が認められること
  5. 丸5 転換前契約を解約処理するものではないこと
今回導入する医療共済契約への転換制度は、養老生命共済契約、終身共済契約、年金共済契約から医療共済契約への転換ですが、これらの契約はいずれも生命総合共済として行う共済事業によるものであり、上記丸1から丸5の要件を満たすものです。
ただし、この転換制度は、共済掛金充当払特則による責任準備金の引継方法を採るため、転換前契約の責任準備金をいったん共済掛金充当払特則の責任準備金に引き継ぎ、その後医療共済契約の掛金の払込みの都度、払い込まれる掛金の一部に充当することとなり、従来の契約転換制度が採っている、転換前契約の責任準備金を転換後契約の一時払掛金として直接充当する方法とは、その点で異なります。
 
3 事前照会者の求める見解となることの理由
今回導入する医療共済契約への転換制度は、共済掛金充当払特則による転換方法を採るため、転換前契約の責任準備金は共済掛金充当払特則の責任準備金に引き継がれ、転換後契約である医療共済契約の責任準備金には直接引き継がれませんが、共済掛金充当払特則の責任準備金であっても契約者勘定であるという点では同じであり、転換前契約の責任準備金は最終的に転換後契約である医療共済契約の掛金に充当され、その責任準備金として積み立てられることになります。
この点は、実質的に転換前契約の責任準備金を転換後契約の責任準備金に引き継ぐものと同じように評価できるものであり、かつ、転換通達で示されている要件をすべて満たすものであることからすれば、転換通達に定められている取扱いと同様に、当該転換に伴う所得税及び贈与税の課税関係は生じないものとして取り扱われるものと考えます。
  1. (以上)
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