清酒鑑評会は、大阪国税局管内で製造された清酒の品質評価を通じて、酒類製造技術の進歩、発展及び品質向上を図ることを目的として開催しています。
出品区分 | 出品規格 | ||
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アルコール分 | 製成時期 | 備考 | |
吟醸酒 | アルコール分を市販酒規格に加水調整したもの | 平成26酒造年度に製成したもの | 吟醸酒(※1)であるもの (純米吟醸酒を含む。) |
燗酒用清酒 | 酒造年度の制限はなし | 精米歩合60%以上のもの | |
地域ブランド清酒(※2) | 各地域ブランドの規格を満たしているもの |
※1 吟醸酒とは、「清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)」に掲げる製法品質の要件を満たすものをいいます。
※2 統一した製造方法や審査基準によってグループで製品化し、普及等に取り組んでいるものを対象としました。
(単位:点、場)
区分 | 出品点数 | 出品場数 | |||
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県名 | 吟醸酒 | 燗酒用清酒 | 地域ブランド清酒 | 計 | |
滋賀 | 8 | 8 | 0 | 16 | 8 |
京都 | 20 | 13 | 9 | 42 | 21 |
大阪 | 5 | 5 | 0 | 10 | 5 |
兵庫 | 29 | 31 | 14 | 74 | 38 |
奈良 | 9 | 8 | 22 | 39 | 20 |
和歌山 | 5 | 5 | 0 | 10 | 6 |
合計 | 76 | 70 | 45 | 191 | 98 |
(単位:点)
県名 | 出品グループ | ブランド名 | 出品点数 | 概要 |
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京都 | 京都府酒造組合連合会員 | 京のブランド産品 | 6 | 安心・安全と環境に配慮して生産された京都産米を原料とした清酒で、品質・規格を厳選したもの |
京都吟味百撰 | 3 | 京都で育まれてきた伝統の技と叡智で作り上げられた清酒 | ||
兵庫 | 灘五郷 酒造組合員 | 灘の生一本 (灘酒研究会) | 9 | 伝統の技を受け継ぎ、企業の枠を超えて「酒どころ灘」を盛り上げるために「灘の生一本」で集結 審査、協議を経て認定された酒質表現のみが商品に掲載可能 |
はりま酒文化 ツーリズム協議会員 (姫路、社、明石、加古川酒造組合員) | 庭酒 | 5 | 播磨風土記に記述のある庭田神社において採取した麹菌及び酵母菌を用いた統一ブランド製品 | |
奈良 | 奈良県酒造組合員 | 奈良うるはし | 6 | 僧坊酒で知られる菩提山正暦寺の境内から採取された酵母と奈良県産米で仕込んだ純米酒 |
菩提酛研究会員 | 山乃かみ | 7 | 酒の神様として知られる大神神社の境内に咲く神花ササユリから採取された酵母で仕込んだお酒 | |
菩提酛研究会 | 9 | 平成11年に日本で唯一、寺での菩提酛の酒母製造を復活させ、現在奈良県の9製造者で製造 |
平成26酒造年度は、8〜9月の気温が全国的に平年よりも低めとなり、原料米は晩生の品種を中心に例年よりも溶けやすい傾向がみられました。さらに、酒造最盛期となる12月〜2月は、寒暖の差が激しく酒造りには難しい状況でした。しかし、製造者が卓越した酒造技術を遺憾なく発揮したこと、夏場に適切な貯蔵管理を行ったことにより、今回出品された清酒は、香味の調和がとれた優れた酒質となっていました。
(吟醸酒)
果実を思わせる華やかな吟醸香と、夏を越して適度に熟成され口当たりがまろやかな味わいのある酒質が多くみられました。
(燗酒用清酒)
適度に熟成し、穏やかな香りと旨味を感じる飲み飽きしない酒質のものがそろっていました。
(地域ブランド清酒)
京のブランド産品
香りは上品なタイプから華やかなタイプまでバラエティーに富んでいました。また、味にふくらみとなめらかさを感じるものがみられました。
京都吟味百撰
穏やかな香りとなめらかで適度な酸味がある酒質でした。
灘の生一本(灘酒研究会)
華やかな香りの吟醸タイプから、熟成した香りと濃醇な味わいの熟成タイプまで、各製造者のコンセプトにそったお酒に仕上がっていました。
庭酒
昔ながらの造りの特徴が出た、香りは個性的で重厚、味は濃醇で酸味が強いインパクトのあるお酒でした。
奈良うるはし
穏やかな香りと、酸味と甘味の調和の良いものが多くみられました。
山乃かみ
重厚な香りと、旨味と特に酸味に特徴がある個性的な酒質でした。
菩提酛研究会
全体的に旨味があって、辛口から甘口、淡麗から濃醇タイプまで多様な酒質になっていました。
製造者への賞の授与は行っていません。