平成30年11月13日
名古屋国税局

平成30年度名古屋国税局酒類鑑評会については、吟醸酒116点(67製造場)、純米酒66点(66製造場)、本醸造酒49点(49製造場)の合計231点の出品があり、下記のとおり、慎重かつ厳正な品質評価の結果、特に成績の良かった吟醸酒38点(26製造場)、純米酒23点(23製造場)及び本醸造酒19点(19製造場)を優等賞に選出しました。

1 酒類鑑評会の目的

管内清酒の品質評価を通じて、酒造技術の進歩・発展を促し、管内酒類の品質向上を図ることをもって酒類業の健全な発達に資することを目的としています。

2 部門

吟醸酒、純米酒及び本醸造酒の3部門で実施しました。

3 評価対象酒及び評価方法

(1) 吟醸酒の部

平成29酒造年度に自己の製造場で製造した吟醸酒及び純米吟醸酒の原酒を評価対象とし、近年使用する酵母が多様化していることを踏まえ、伝統型酵母()を使用した吟醸酒の区分を設け、更にアルコール添加の有無により分けて、約18℃で品質評価を行いました。

(2) 純米酒の部

自己の製造場で製造し、市販酒と同等のアルコール度数とした純米酒又は特別純米酒を評価対象とし、精米歩合(60%以下と60%超)で区分した上で、45℃の温度帯(日本酒独特の飲用形態であるお燗酒)で品質評価を行いました。

(3) 本醸造酒の部

自己の製造場で製造し、市販酒と同等のアルコール度数とした本醸造酒又は特別本醸造酒を評価対象とし、純米酒の部と同様、精米歩合で区分の上、45℃の温度帯で品質評価を行いました。

4 品質評価

(1) 品質評価日程

平成30年 9月28日(金):吟醸酒の部(予審)
10月2日(火):純米酒及び本醸造酒の部
10月3日(水):吟醸酒の部(決審)

(2) 品質評価員

清酒のきき酒に精通した、当局管内4県の酒造技術指導機関職員、学識経験者、酒造・卸酒販・小売酒販の各組合から推薦を受けた者及び鑑定官室職員から選出しました。

なお、品質評価員の人数は、延べ45名でした。

(3) 評価の概要

平成29酒造年度(平成29年7月1日から平成30年6月30日まで)は、夏期の気温が低かったため、原料米の溶解性が予想より高く、低温でゆっくり発酵させる吟醸造りにおいて、米の過溶解を抑えることが難しい傾向でした。併せて、冬期は暖冬が続いた中で、近年にない寒冷な気候であったため、バランス良く発酵させるための温度制御に苦労したものと考えられます。そのような中、製造者が持てる技術を遺憾なく発揮したことで良質な清酒が出品されていました。

吟醸酒は、使用した酵母の特性がいかされ、香りの穏やかなものから華やかなものまでそれぞれの特徴が良く出ており、米由来の上品な甘味やまろやかな旨味があり、バランス良く調和したものが多く見られました。

純米酒は、酸味が効いて味にしまりが感じられるものや、米の旨味を引き出し、口の中で広がるものなど、多彩な特徴のものが見られました。

本醸造酒は、米の特徴をアルコールにより上手く引き出した結果、バランスのよいものが見られるなど、いずれも食中酒として飲用するにふさわしいものが多く見られ、製造者の技術レベルの高さを確認しました。

なお、純米酒、本醸造酒部門は数年間、貯蔵熟成させた清酒も出品可能であり、落ち着いた熟成香、厚みのある旨味、なめらかな口当たりなど適正な管理の下、時間がもたらす豊かな味わいが見られました。

5 各県出品状況及び入賞状況

「各県出品状況及び入賞状況」のとおり

6 優等賞受賞者

「平成30年度名古屋国税局酒類鑑評会優等賞受賞者名簿」のとおり

(注)  伝統型酵母
 現在ではバイオテクノロジーの進歩により吟醸香を高生産する酵母が開発され、鑑評会で使用される酵母の主流となっていますが、それらの酵母が開発される以前から吟醸酒に使用されていた清酒醸造用優良酵母を表します。
 現在主流の吟醸酒が、華やかなリンゴ様の香りを主体とした上品な味であるのに対し、伝統型酵母を用いた吟醸酒は、落ち着いたバナナ様の香りであり、後味の残らないまろやかな味になり、特徴が大きく違うことから区分を分けて品質評価しています。