財務省第8入札等監視委員会
平成26年度第3回定例会議議事概要

開催日及び場所 平成27年2月24日(火) 名古屋国税総合庁舎4階会議室
委員 委員長 河邊 伸二(名古屋工業大学 大学院教授)
委員 玉田 斎(玉田法律事務所 弁護士)
委員 宮ア 陽平(宮ア信次公認会計士事務所 公認会計士)
審議対象期間 平成26年10月1日から平成26年12月31日まで
契約の現状の説明 審議対象期間に係る契約一覧表について
抽出案件 3件 (備考)
競争入札(公共工事) 1件 契約件名 猪高寮屋外階段ほか改修工事
契約相手方 大成株式会社
契約金額 6,356,880円
契約締結日 平成26年11月25日
担当部局 名古屋国税局
競争入札(物品役務等) 1件 契約件名 普通財産の管理処分等業務に係る業務委託
(三重地区)
契約相手方 前橋不動産企画有限会社
契約金額 @48,000円/件 ほか
契約締結日 平成26年10月1日
担当部局 東海財務局
競争入札(物品役務等) 1件 契約件名 名古屋税関豊橋税関支署浮桟橋維持上架修繕工事
契約相手方 形原造船株式会社
契約金額 9,612,000円
契約締結日 平成26年12月18日
担当部局 名古屋税関
委員からの意見・質問、それに対する回答等 別紙のとおり
委員会による意見の具申又は勧告の内容 なし
意見・質問回答
【抽出案件について(名古屋国税局)】
落札率が低い一般入札案件を抽出
  • 契約件名:猪高寮屋外階段ほか改修工事
  • 契約相手方:大成株式会社
  • 契約金額:6,356,880円
  • 契約締結日:平成26年11月25日
  • 担当部局:名古屋国税局
落札率が低いのはなぜか。 落札業者に聴取したところ、工事原価の大部分を占める階段製作費について、協力会社に材料仕入から加工・組立まで一括して請け負わせることにより効率性を高め、技術料や人件費等経費を大幅に抑えることができたとのことであった。
避難階段は、耐久性や安全性など高い品質を求められると考えるが、それが担保されるとどのように判断したのか。 落札者への低入札価格調査において、積算資料を提出させ、分析・検証したところ、工事種目の脱落もなく、当局の仕様を満たすものであった。
 また、財務諸表等にて事業規模や経営状況の確認を併せて行い、問題なく工事が施工されるものと判断した。
落札業者以外の業者や専門家から聴き取りを行ったか。 当局において長年実績のある業者が設計・監理を行うことにより、竣工まで外部による確実なチェック体制を整備している。
予定価格は、どのように積算したのか。 予定価格は、市販されている資材単価資料や労務単価資料の価格を採用しているほか、複数の業者からの見積りを参考に積算した。
複数の業者とは、国税局で過去に取引のあった業者なのか。 直近に同様の工事実績がないため、設計業者の意見を参考に鉄骨階段メーカーから見積りを徴した。
2005年頃、鉄の相場が高騰していたと記憶しているが、現在はどうか。 現在は安定しているものと考えている。
【契約一覧表について(名古屋国税局)】
●案件番号36
「確定申告電話相談センターの運営業務」
1者応札であるのはなぜか。 前年度の落札価格が非常に安価であったことから、他の業者が参加を見送ったと聞いている。
今後、2者以上になる可能性はあるか。 入札金額は当局として如何ともしがたいが、仕様内容について業者から意見を聴取するなど見直しを行うとともに、複数の参加を積極的に働き掛けていく。
●案件番号75〜79
「無料税務相談所等における税理士業務委託(区分1〜5)」
区分はどのように分けたのか。 当局全管にわたる業務であり、税理士の移動距離等を考慮し、県単位等で区分した。
●案件番号18
「断裁機の購入」
●案件番号37
「シュレッダーの購入」
●案件番号45
「連続用紙裁断機の購入」
3案件の違いは何か。 いずれの機器も耐用年数を経過、経年劣化による故障が度々発生し、今後、交換が必要な部品が欠品となるおそれがあったため、既存の機器を更新したものである。
 「断裁機」は、局印刷工場において大判の紙を裁断するものであり、「シュレッダー」は、当局において、まとまった量の簿書を裁断する大型シュレッダーである。
 「連続用紙裁断機」は、局及び署において納付書等を裁断するものである。
●案件番号68
「バックモニター等の購入」
バックモニターとは何か。 調査用自動車の後方を運転席からモニターで確認するものであり、交通事故未然防止の観点から、配備したものである。
●案件番号70
「人工観葉植物の購入」
人工観葉植物はどこに置くのか。 税務署の署長室と総合窓口に各1鉢を整備したものである。
何年くらい使うものか。 業者からは5年程度使用できると聞いている。
●案件番号74
「UPS用バッテリの購入」
UPSとは何か。 局WANを安定して運用するために必要な無停電電源装置である。
本体は日立製のものか。 本体が日立製のものであることから、機器の安定稼働のため、バッテリも日立製を購入した。
意見・質問回答
【抽出案件について(東海財務局)】
落札率が高く、かつ、1者応札で総合評価方式を採用した一般入札案件を抽出
  • 契約件名:普通財産の管理処分等業務に係る業務委託(三重地区)
  • 契約相手方:前橋不動産企画有限会社
  • 契約金額:@48,000円/件 ほか
  • 契約締結日:平成26年10月1日
  • 担当部局:東海財務局
総合評価方式を採用した理由は何か。 本件については、価格だけで優劣をつけるのではなく、業務の実施体制について、具体的にどのように履行できるか等、技術水準を確保する必要があることから、総合評価方式を採用した。
 入札に当たっては、事前に業務の実施体制や方針等に係る「提案書」を提出させ、内容が実施可能であるか、効果的であるかを評価し、その評価点と入札金額を勘案して落札者を決定するものである。
工事・役務等落札結果によると、総合評価点が265.7383点となっているが、どのように算出したのか。 総合評価点の算出方法は、提案書評価点を入札金額で除したものに、定数を掛けて算出している。
提案書評価点は何点満点なのか。 基礎点35点と加点65点を合わせた100点満点である。
どのような提案内容が評価されたのか、具体的な事例を教えて欲しい。  評価の事例としては、
・貸付相手方が高齢者の場合、丁寧な対応により、処理促進に繋げること
・境界立会いにおいては、平日に限らず、土曜日や休日等、臨機応変に対応すること
等がある。
三重地区が1者応札となったのは、地理的な要因等、参入の難易度が高いことが原因か。 当該業務は、現地に赴く必要があるが、ご指摘のとおり、三重県は南北に長い地理上の要因もあって、採算が採れないと判断し、入札参加を見合わせているのではないかと考えられる。
同業務の愛知地区での応募は何者あったのか。 愛知地区は、2者の応募があった。
【契約一覧表について(東海財務局)】
●案件番号14
「不動産の価格にかかる鑑定評価(平成26年度 名古屋市千種区北千種二丁目)」
落札率が低い要因は何か。  落札率が低くなった要因としては、
・本件のように、特定の物品の購入や製造でなく、人件費が主な原価の場合、落札率が低くなる傾向があること
・本件の落札者は、過去に当局の同種業務の実績があり、その経験値を価格に反映させることができたこと
等が考えられる。
 なお、応札者14者の入札状況は、低入札なものから予定価格を上回るものまであり、すべてが低い入札率となっているわけではない。
参加者間で、応札価格に幅があるとのことだが、低入札であったということは、難易度の低い業務であったということか。 難易度について明確な説明ができないが、名古屋市内に所在する敷地面積約8,000m2の国有地の鑑定評価を依頼する業務で、14者の応札があったことから、比較的参入が容易な業務であったと考えられる。
●案件番号2
「平成26年度沼津合同庁舎昇降機設備改修工事」
エレベーターの製造会社はどこか。 今回の工事の契約相手方である日本エレベーター製造株式会社製である。
落札率が高くなっているが、予定価格の積算に当たって、見積りはどこに依頼したか。 予定価格については、エレベーターの仕様を熟知している製造メーカーと現在の保守業者の2者に見積りを依頼し、積算の基とした。
 入札には、見積り依頼先の2者のみが参加し、結果的に高い落札率となったものである。
●案件番号11
「ハイブリッド自動車の交換」
件名が「購入」ではなく、「交換」となっているが、どのような内容のものか。 更新時期を迎えた車を下取りとし、新たな車を購入したものである。
購入した車種を教えて欲しい。 車種は「カムリ」である。
ハイブリッド車であれば「プリウス」もあるが、その車種を選定した理由は何か。 本件は局長車の更新であり、従前の車の仕様を考慮し、セダンタイプ5人乗り、従前と同様の室内の広さの確保を条件とした結果である。
意見・質問 回答
【抽出案件について(名古屋税関)】
落札率が高く、かつ、1者応札の一般入札案件を抽出
  • 契約件名:名古屋税関豊橋税関支署浮桟橋維持上架修繕工事
  • 契約相手方:形原造船株式会社
  • 契約金額:9,612,000円
  • 契約締結日:平成26年12月18日
  • 担当部局:名古屋税関
1回目が不落で、2回目に落札となっているが、予定価格はどのように積算したのか。 落札者を含め、複数者から徴した見積りを基に積算した。
案件の説明において、1者応札の検証のため、過去の同種業務の入札に参加した業者に聴き取りを行ったところ、「公告されていることに気が付かなかった」とあったが、事前に(入札参加を)慫慂することはできないのか。 当関での入札参加実績の有無にかかわらず、普段から、公告を随時チェックするよう業者に働き掛けることは問題ないかと思われる。
 今後、有効な入札情報の提供方法を検討していきたい。
仕様書において塗料が指定されているが、1者応札となった要因の一つではないか。 塗料の成分等を具体的に示すために製品名を例示として掲げたものであり、共通事項に同等品の使用を認める旨記載していることから、1者応札の要因とは考えていない。
【契約一覧表について(名古屋税関)】
●案件番号11
「実験台の購入」
数量が2式で高額であるが、どのようなものか。 当関分析部門による不正薬物等の鑑定において使用するものである。
 犯則物件から分析用の検体を採取する際に、微細な粉じんが飛散し、職員の鼻腔粘膜、皮膚等に付着することによる健康被害を防止するため、天板部分の吸引口から装置内の空気を高性能フィルターを通して排出する特殊な実験台であり、一般的なものよりも高額である。
民間でも使用するものなのか。契約者の他に製造メーカーはないのか。 吸引機能を備えた実験台を製造している業者は複数あるが、用途が特殊であり、使用者は限られると思われる。
●案件番号2
「埠頭監視カメラシステムの賃貸借」
番号6・7の「埠頭監視カメラシステムの賃貸借」に比べ、番号2はかなり高額であるが何故か。 番号6・7は、既存のシステムを再リース契約したものであるが、番号2については、すべてを更新し、新規にリース契約したために高額となった。
再リースを前提とした契約なのか。 本件は、国庫債務負担行為に係る契約であり、最長5年の契約である。
 機器等の耐用年数である7年間は当該システムを使用するので、本件契約期間満了後の2年間については、公募を実施し、業務を継続する予定である。
 なお、再リースについては、7年経過時点で機器等が使用に耐え得るか否か等状況判断による。
●案件番号10
「衛星電話の購入」
本件は機器の購入のみであるが、通信契約はどうなっているか。 本件契約者と別途契約している。
初期投資費用が安価であっても、運用費用が高額となる場合があるが、本件はどうか。 本件通信料と、同種業務である前年度以前に購入した船舶用、陸上用の通信料がいずれもほぼ同額であることから、高額であるとは考えていない。