財務省第8入札等監視委員会
平成24年度第1回定例会議議事概要

開催日及び場所 平成24年9月24日(月) 名古屋国税総合庁舎4階会議室
委員 委員長 河邊 伸二 (名古屋工業大学 大学院教授)
委員 玉田 斎 (玉田法律事務所 弁護士)
委員 林 真二 (林真二公認会計士事務所 公認会計士)
審議対象期間 平成24年4月1日(日)から平成24年6月30日(土)まで
契約の現状の説明 審議対象期間に係る契約一覧表について
抽出案件 3件 (備考)
競争入札(公共工事) 1件 契約件名 島田税務署ほか2件受変電設備改修工事
契約相手方 三光電気株式会社
契約金額 9,765,000円
契約締結日 平成24年6月27日
担当部局 名古屋国税局
競争入札(物品役務等) 1件 契約件名 物品運送業務(単価契約)
契約相手方 郵便事業株式会社
契約金額 @525円/個ほか
契約締結日 平成24年4月2日
担当部局 東海財務局
競争入札(物品役務等) 1件 契約件名 通関事務総合データ通信システム(税関LAN)更改
契約相手方 日本電気株式会社東海支社
契約金額 285,075,000円
契約締結日 平成24年6月5日
担当部局 名古屋税関
委員からの意見・質問、それに対する回答等 別紙のとおり
委員会による意見の具申又は勧告の内容 なし
意見・質問 回答
【抽出案件について(名古屋国税局)】
落札率が低い案件を抽出
契約件名
:島田税務署ほか2件受変電設備改修工事
契約相手方
:三光電気株式会社
契約金額
:9,765,000円
契約締結日
:平成24年6月27日
担当部局
:名古屋国税局
 低入札価格調査を行っているが、どのような調査か。  業者に対し、入札価格の積算内訳を確認し、ヒアリングなどにより入札価格での仕様に基づく履行が可能かを判断する調査である。
 調査の結果、納得できる内容であり履行は可能であると判断し決定した。
 予定価格の設定に問題はなかったか。  予定価格の積算に当たっては、市販されている資材単価資料や労務単価資料の価格を基とした。また、複数の業者から見積りを取得し参考にしたものであり、問題は無いと考える。
 受変電設備とは特殊なものなのか。  高圧電源を引き込み、各施設の容量に合わせる設備であり、オーダーメイドである。
 過去の事績との比較は行ったか。  昨年2件あったが、今回同様低入札であった。これを考慮し調整したが、結果として低入札となった。
 前回の落札者と同じ業者か。  前回とは違う業者が落札者である。
【契約一覧表について(名古屋国税局)】
●案件番号1〜3
 「静岡税務署ほか17件建築物点検(建築設備のみ)業務委託」
 「小牧税務署ほか28件建築物点検(建築設備のみ)業務委託」
 「名古屋国税総合庁舎ほか16件建築物点検業務委託」
 落札率が低いのはなぜか。  受注実績のある業者が落札している。
 年度初めでもあることから、利益少額でも当該業者が官公庁の業務を落札したい意向が働いたと想定される。
●案件番号17〜24
 「データエントリー業務」
 応札者10者は全て同じ業者か。  いずれも同じ業者が入札に参加している。
 近隣の業者でなくてもよいのか。  業務を行う資料等を交付し作業させているので、遠方でも可能である。
 他の国税局も同様の10者が参加しているのか。  他局においても同様の業務があり、参加している業者もあると思われるが、承知していない。
 10者で話合いがなされているのではないか。  当該業務は紙入札で行っており、落札数についても各者でバラバラである。また、1コースごとに金額を算出し直している業者もあることから、話合いはなされていないものと判断している。
【抽出案件について(東海財務局)】
落札率が低い案件を抽出
契約件名
:物品運送業務(単価契約)
契約相手方
:郵便事業株式会社
契約金額
:@525円/個ほか
契約締結日
:平成24年4月2日
担当部局
:東海財務局
 落札率が29.3%と低いものとなった要因をどのように分析しているか。  集荷方法及び配達方法が異なる一般の宅配物(以下、「一般分」)と個人情報を含む宅配物(以下、「個人情報分」)の単価を、同額として応札したことが大きな要因である。
 従来、個人情報分は一般分の2倍程の単価となっている。
 例年、応札者は2者程度に留まっているのか。他の業者は参加しないのか。  例年、2者程度。昨年度は1者応札であった。
 業務上、東海管内、東京等への翌日配達や全国への配達を条件とする必要があり、対応可能な業者が限られると考える。
 22年度においては、今年度の参加業者とは別の業者が参加している。
【契約一覧表について(東海財務局)】
●案件番号36
 「住宅地図複製利用及び公衆送信許諾契約」
 1者応札となった要因をどのように分析しているか。  住宅地図の複製利用及び公衆送信の許諾権を有する業者が限られることから、結果として1者応札となったと考える。
●案件番号45
 「カラーイメージスキャナ11台の賃貸借等」
 1者応札となっているが、以前から同じ契約条件で行っているのか。  前回は、平成20年度から23年度までの複数年契約による一般競争入札を実施した。
 今回は、1年間延長する必要が生じたため、単年度契約を行ったものである。
【抽出案件について(名古屋税関)】
契約金額が高額で落札率が低く、現行システムの契約相手方が落札した案件を抽出
契約件名
:通関事務総合データ通信システム(税関LAN)更改
契約相手方
:日本電気株式会社東海支社
契約金額
:285,075,000円
契約締結日
:平成24年6月5日
担当部局
:名古屋税関
 前回と同じ業者で落札率が低いが、何か有利な点があって同じとなったのか。  本件は、税関LANに係るパソコン、サーバー等の機器の全てを保守込みの賃貸借契約により更新するもので、仕様の決定に当たっては事前に官報公告の上、意見招請を行っていることから、特定の業者が有利となっているものではない。落札者の企業努力によるものと考える。
 総合評価落札方式はどのようなものか。  本件で採用している総合評価落札方式とは、入札価格が安いほど高得点となる価格点(最高1000点)と、機器性能や保守体制等が優れているほど高得点となる技術点(最高1000点)の合計点により落札者を決定する方式である。
 技術点については、仕様書の内容を満たしていれば600点が付与され、それ以外に優れた提案があれば最高で400点付与される。
 なぜ、総合評価落札方式を採用しているのか。
 他にも総合評価落札方式を採用しているものはあるのか。
 税関LANについては、パソコン等の性能が向上するので4〜5年に1度更改している。
 更改に当たっては、より安く調達することに加え、より優れた機器の調達と保守体制等を確保するため総合評価落札方式を採用している。
 本件以外には、自動車の調達で総合評価落札方式を採用しているが、こちらは価格と燃費等の環境性能で評価している。
【契約一覧表について(名古屋税関)】
●案件番号39
 「平成24年度第二外国語委託研修請負契約」
 どのような契約内容か。
 また、落札率が低い理由は何か。
 韓国語と中国語の語学能力をつけさせるために講師を招いて研修を行うものである。
 落札率が低い理由は、応札者が6者であり競争が働いたことと、一般的なところでは、教室を持っていて生徒を集めて授業をする業者と、もっぱら講師派遣のみ行っている業者では、後者の方が安くなり、落札者は後者である。
●案件番号73、74
 「料金後納郵便役務契約」
 競争に付すことはできないか。  信書の託送業務(民間事業者による信書の送達に関する法律に規定する一般信書便事業)であり、郵便事業株式会社以外で取扱者がいない。
●応札業者数一者関連
 1者関連の契約は19件となっているが、これで限界なのか、それとも今後減らせるものはあるのか。今後1者応札を解消できる案件はないか。  契約一覧表番号17の「電離放射線(X線)被ばく線量測定業務請負契約」は、入札説明には2者来たこともあり今後更に参加者を増加させたい。
 同表番号24と26の「清水港湾合同庁舎他9施設、四日市港湾合同庁舎他1施設維持管理業務委託」は、業務区域が広域であること等の地域性があって1者入札となったので、来年度に向けて仕様を見直していきたい。
 同表番号28の「中部空港地区の自動車用燃料油供給契約」と、番号30、31の「清水港、三河港監視艇用燃料油購入契約」は、今のところ仕様を満たす業者が1者しか存在しない。
 同表番号34から38の「電気の需給契約」については、震災の影響で中部電力の1者入札となっているが、落ち着いてくれば他の業者も参加すると思われる。