財務省第8入札等監視委員会平成19年度第3回定例会議議事概要
開催日及び場所
平成20年6月16日 (月) 名古屋国税総合庁舎会議室
委員
委員長
若山   滋 (名古屋工業大学 大学院教授)
委員
中澤 政直 (中澤会計事務所 公認会計士)
委員
大槻   隆 (大槻経営法律事務所 弁護士)
審議対象期間
平成20年1月1日 (火) 〜 平成20年3月31日 (月)
契約の現状の説明
審議対象期間に係る契約一覧表について
抽出案件
5件 (備考)
競争入札
(物品役務等)
1件
契約件名
名古屋税関監視部稲永分庁舎他8箇所建築物点検業務委託契約
契約相手方 株式会社 オリエントサービス
契約金額 420,000円
契約締結日 平成20年2月1日
担当部局 名古屋税関
競争入札
(物品役務等)
1件 契約件名
確定申告期外部会場借料(大垣税務署)
契約相手方 財団法人 大垣市文化事業団
契約金額
1,704,770円
契約締結日
平成20年1月7日
担当部局 名古屋国税局
競争入札
(物品役務等)
1件 契約件名
確定申告期外部会場借料(藤枝税務署)
契約相手方 焼津市教育委員会
契約金額
1,102,310円
契約締結日
平成20年1月30日
担当部局 名古屋国税局
競争入札
(物品役務等)
1件 契約件名
確定申告期外部会場借料(尾張瀬戸税務署)
契約相手方 瀬戸市
契約金額
989,800円
契約締結日
平成20年2月1日
担当部局 名古屋国税局
競争入札
(物品役務等)
1件 契約件名
ノートパソコンの納入(20台)
契約相手方 富士電機ITソリューション 株式会社
契約金額
4,790,100円
契約締結日
平成20年3月24日
担当部局 東海財務局
委員からの意見・質問、それに対する回答等
別紙のとおり
委員会による意見の具申又は勧告の内容
なし
意見・質問 回答
【第2回定例会議の補足説明】  
 第2回定例会議において回答した「入札書には、入札者が消費税に係る課税事業者であるか免税事業者であるかを問わず、見積もった契約金額の105分の100に相当する金額を入札書に記載する。」について、補足させていただく。  消費税導入後の入札については、平成元年2月10日付け蔵計196通達に基づき、「入札については、消費税抜き相当額で競争し、契約に当たっては、消費税相当額を上乗せして実施する。」こととされた。
 現在もこの通達にのっとり、入札書には消費税抜き相当額を記載している。
 この措置は、国が行う契約に当たり、消費税を確実に転嫁させるためのものであるとされている。
 消費税については、現在認識度合いも高く、税込み総額で表示することとされており、時代遅れではないか。
 ご指摘のとおり、総額を表示するように消費税法が改正されたが、当該通達が改正されないため、現在も消費税抜き相当額で記載している。
「名古屋税関稲永分庁舎他8箇所建築物点検業務委託」
契約件名 :  名古屋税関稲永分庁舎他8箇所建築物点検業務委託
契約相手方 株式会社 オリエントサービス
契約金額 420,000円
契約締結日 :  平成20年1月30日
担当部局 名古屋税関
【事案の抽出について】
 物品役務等に係る一般競争入札実施案件から、落札率が最も低かったものを抽出。
 本案件は、建築物の点検業務であるが、過去にも委託契約をしているのであれば、教えて欲しい。  本点検は、平成17年6月施行の法律により、義務を課せられたものであり、今回が始めての点検であった。
 予定価格の積算はどのように行ったのか。  人工に単価を乗じて管理費等を加えて積算した。
 人工は法令の規程により委託者となる複数の建築士から見積りを徴し、最低の人工を採用した。また、単価は建築保全業務労務単価を採用した。
 点検対象の建築物は、何時頃建築されたものか。また、全部で何平米あるのか。  全部で9箇所のうち、一番古いのは1964年である。また、全部で約13,000平米である。
 点検項目や点検実施方法は、指定しているのか。  国土交通省作成の「建築物点検マニュアル」により、点検箇所ごとのチェックポイント及び点検方法を指示した。
  特に、点検マニュアルチェックシートに基づき点検漏れがないよう指示した。
 落札価格は低入札価格とも考えられるが、理由は、人工・単価・経費のどれにあるか分析したのか。  今回の案件と同様の方法で予定価格を積算した建築物点検業務委託の入札結果は、落札率が30%〜95%と大きな開きがあった。これを分析した結果、単純に建築物の広さだけでなく、点検する建築物の所在地間の影響が意外に大きいと考えている。
  また、積算した単価は業者から徴した見積書の単価より低価であったが、単価に人工が織り込まれている見積書もあり、今後、更に深度ある分析をしていく。
 点検結果は十分なものであったのか、またどのように活用するのか。  点検結果は、前述の点検ポイントに沿っており、かつ細かい部分の指摘を受けていることから十分なものであったと認識している。今回の点検結果を踏まえ、必要な箇所は適切な処置を講じていく。
 同様の点検は、どの税関・官庁でも行うと思われるので、り情報収集を図り、それらを参考としてはどうか。  従前以上に横の連携を図り、情報の共有化に努めたい。
「確定申告期外部会場借料(大垣税務署)ほか2会場」
契約件名 :  確定申告期外部会場借料(大垣税務署)ほか2会場
契約相手方 1財団法人大垣市文化事業団
    2焼津市教育委員会
    3瀬戸市
契約金額 11,704,770円
    21,102,310円
    3 989,800円
契約締結日 :  1平成20年1月7日
    2平成20年1月30日
    3平成20年2月1日
担当部局 名古屋国税局
【事案の抽出について】
 公募を実施したもののうち、応募者が「0」で、落札率の低い同様な案件を3件抽出した。
 (「確定申告における申告書会場には、申告書作成のための環境整備や電子申告を実体験してもらうための電子申告コーナーのスペース確保など、納税者利便を考慮するとともに、多数の納税者が利用可能な一定の広さが必要である」旨を説明したことを踏まえ)、
  昨年(18年度)と同じ場所を借りたのか。また、金額的には昨年(18年度)と比べてどうなったのか。
 いずれの案件ともそれぞれ同じ施設を借りており、単価的には昨年と変動はない。なお、いずれの施設も規定料金のある公共の施設であり、民間の施設に比べ割安となっている。
 (参加申込者がなかった一因として、「公共施設は、借用の申込に対して許可をするという前提に成り立っており、入札参加や応募するなどして自ら貸付を行うことはない」旨を説明したことを踏まえ)、
  仮に参加申込者が別にいたら、条件を満たせば多少高くともそこと契約するのか。
 公共調達については、平成18年8月25日付「公共調達の適正化について」(財務大臣通知)により、随意契約によらざるを得ないものは限定列挙されており、それ以外のものは一般競争又は企画競争もしくは公募へ移行し、競争性及び透明性を保つよう取扱いが統一されている。
  これにより、本件調達も公募による調達を行っており、仮に参加申込者が民間施設の1者のみであったとしても、仕様を満たしていれば契約することとなる。なお、仕様書には金額の上限を設定していることから、適正な金額で契約していると考えている。
 「透明性の確保」が必要なのは理解できるが、調達方法を公募に変更し、その結果契約金額が上がってしまう事態を招くとすればそれは問題であり、本末転倒ではないか。  先ほども申し上げたとおり、公共調達の適正化の観点から公募による調達を行っており、契約金額も仕様書の上限金額の範囲内であることから問題はない。
 「透明性の確保」の目的は、結局のところコスト削減であるのだから、コスト削減が最も図れる調達方法を選択すべきではないか。
  そういった意味では、本件の調達はもともと割安な公共施設が存在するのであれば、同施設と随意契約すべきであり、このような調達に競争原理を持ち込むのはどうかと考える。
  現実的に税金が無駄遣いされない形での調達が一番ではないか。
 繰り返しになるが、公共調達の適正化の観点から公募による調達を行っていることを理解いただきたい。
 委員としては、今後、調達コストは調達事務に携わるあなた方の人件費等を含めたトータルで判断し、注視していきたい。  委員の貴重な御指摘は真摯に受けとめ、今後も忌憚のない御意見をお聞かせいただきたい。
「ノートパソコンの納入」
契約件名 :  ノートパソコン(20台)の納入
契約相手方 富士電機ITソリューション株式会社
契約金額 4,790,100円
契約締結日 :  平成20年3月24日
担当部局 東海財務局
【事案の抽出について】
 物品役務等に係る競争入札から落札率の低い案件を抽出。
 仕様書のパソコンは、高く感じるが、予定価格の積算方法は。  仕様書に記載のとおり、通常の機能であるカスタムメイドWEB MRATの標準(最低仕様)に、当局仕様を追加した場合の価格を調査し、実勢掛率を乗じたものを予定価格とした。
 仕様書記載の機種以外のパソコンではだめなのか。  仕様書の機種は標準を示し、「・・・または以下の仕様を満たす同等品」と記載しており、仕様を満たしていれば機種等の制限はないことを明示している。
 仕様の中には、必要でないものも含まれているのではないか。  買取りパソコンについても、LAN接続等のためセキュリティ上からリースパソコンと同等のスペックとするため必要となる。
 財務局では、パソコンはリースか買い取りか。
 また、財務局には、個人所有のパソコンはあるのか。
 常勤の職員については、全てリースパソコンであるが、非常勤等の増員分については、リース契約の追加が困難なため買取りパソコンとしている。
  なお、個人のパソコンについては、セキュリティ上の問題から持ち込み・使用を認めていない。
 応札業者が1者であるため、次回以降の調達の際には、調達期間、スペック等を見直す工夫をしてはどうか。  次回の調達においては、可能な限り調達期間を長くするなど工夫していきたい。