財務省第8入札等監視委員会
令和元年度第2回定例会議議事概要

開催日及び場所 令和元年12月12日(木) 名古屋国税総合庁舎8階会議室
委員 委員長 河邊 伸二 (名古屋工業大学 大学院教授)
委員 宮ア 陽平 (宮ア陽平公認会計士税理士事務所 公認会計士)
委員 井上 裕介 (井上法律事務所 弁護士)
審議対象期間 令和元年7月1日から令和元年9月30日まで
契約の現状の説明 審議対象期間に係る契約一覧表について
抽出案件 3件 (備考)
競争入札(物品役務等) 1件 契約件名 名古屋第二国税総合庁舎 地下1階内部改修工事
契約相手方 入江建設株式会社
(法人番号2180001037864)
契約金額 20,240,000円
契約締結日 令和元年9月2日
担当部局 名古屋国税局
競争入札(公共工事) 1件 契約件名 本荘住宅19給排水設備等改修工事
契約相手方 株式会社石田組
(法人番号3180001003411)
契約金額 308,000,000円
契約締結日 令和元年8月8日
担当部局 東海財務局
競争入札(物品役務等) 1件 契約件名 特種用途自動車の購入
特種用途自動車9台
契約相手方 株式会社ナッツ
(法人番号2290801011223)
契約金額 90,013,442円
契約締結日 令和元年8月2日
担当部局 名古屋税関
委員からの意見・質問、それに対する回答等 以下のとおり
委員会による意見の具申又は勧告の内容 なし
意見・質問 回答
【抽出案件について(名古屋国税局)】

不落・不調随意契約案件かつ高落札率となっている案件

  • 契約件名:名古屋第二国税総合庁舎 地下1階内部改修工事
  • 契約相手方: 入江建設株式会社  (法人番号2180001037864)
  • 契約金額: 20,240,000円
  • 契約締結日:令和元年9月2日
  • 担当部局:名古屋国税局
なぜ不落随契となったのか。 契約業者に確認したところ、「今回の内部改修工事については、土日にしか工事を実施することができないとの思い込みがあったことから、人件費等を多く積み上げていた」と聞いている。
契約業者は、なぜ土日しか工事を実施することができないと思い込んだのか。 当局の発注工事の大半は、執務に影響を来すことから土日の工事を原則としているところである。
 本案件の落札業者は、これまでにも当局発注工事を複数回受注していることから、本案件についても土日工事が基本であると思い込んでいた模様である。
 なお、入札説明の段階で「執務に影響がない場合、平日の工事は可能」と説明はしており、騒音や振動の発生がわずかなものは平日工事を認めるとの当局の認識と、多少の騒音でも執務に影響があると解釈した業者側との認識のズレがあったものである。
土日工事の場合の人工賃は平日と比べてどの程度の差があるか。 契約業者にヒアリングをしたところ、土日工事の場合の人工賃は平日工事の約1.3倍と聞いている。
【契約一覧表について(名古屋国税局)】
●案件番号1、2
 「岐阜北税務署照明改修工事」「島田税務署照明改修工事」
LED改修工事は落札率が低いが、LED照明器具の価格は現在も下落しているのか。 契約業者等からのヒアリングにて「以前ほどの下落率ではないが下落が続いている。」と聞いている。
●案件番号21、22、23
 「電話設備の賃貸借及び保守点検整備業務(1〜3コース)」
全コースとも応札者数が比較的多い案件であるが、1コースの落札率が2及び3コースよりも高くなった要因は何か。
 予定価格は適正に積算されているか。
本案件は、1コースを静岡署、2コースを名古屋北署、名古屋西署及び名古屋中村署、3コースを浜松合同庁舎に区分して入札を行ったものである。
 1コースに限らず全コース、応札者の大半を名古屋市内に所在する業者が占めており、1コースについては、所在地から静岡署までの交通費等の諸経費を見込んで応札したと想定され、落札率が高くなった要因と考えている。
 予定価格は、全コースとも過去の調達実績を基に算出した調整率を考慮し適正に積算しており、落札率が高くなった要因とは考えていない。
●案件番号24〜64
 「令和元年度総合健康診断等業務」
健康診断は、どのような要件で募集しているのか。 本案件は公募で、募集要件の概要は、血液、視力、聴力検査等、規定の検査項目を実施し、検査結果を本人に通知することができる者としている。
 なお、当該要件を満たす応募者の全てと契約を締結している。
意見・質問 回答
【抽出案件について(東海財務局)】
一者応札かつ高落札率となっている案件を抽出。
  • 契約件名:本荘住宅19給排水設備等改修工事
  • 契約相手方: 株式会社石田組(法人番号3180001003411)
  • 契約金額:308,000,000円
  • 契約締結日:令和元年8月8日
  • 担当部局:東海財務局
一者応札となった理由は何か。 入居中の居ながら工事であることに加え、生活に密着する水廻りの改修工事であるほか、工種も多岐にわたるため、困難度・複雑度が高いとして敬遠されたと考えられる。また、大規模工事であることや、設備改修工事に精通した従事者・協力会社が必要となることも一者応札の要因と考えられる。
 後日、当該工事の監理業務を受託した業者より、発注時点で設備関係の仕事が多くあり、設備工事に係る技術者が不足している状況にあったと聞いている。
一者応札の改善に向けて、今後どのような取組みを実施していくのか。 本件は工事施工箇所である岐阜市周辺に所在する資格審査取得業者に入札参加の慫慂を行った。今後も、入札参加業者を増やすために入札案件のより一層の周知に努めたい。
本件のように大規模な工事であれば長期的な計画の基に調達を実施していると思われるが、事業者に対してより早いタイミングでの周知等を行うことはできないのか。 公共工事については年度当初と第3四半期当初の年2回、当該年度における発注予定を公表している。なお、工事計画を事前に立てているものの予算を確保していない工事については公表対象外としていることをご理解いただきたい。
案件番号4は本件と同時期に発注し、かつ同じ業者が落札しているが、何か理由があるのか。
 また、案件番号4は、複数者による応札があり、対照的な案件であると考えるが、本件の一者応札改善に向けて参考となるべき点はないか。
同じ業者が落札したことについては、当該業者の本社が現場から近いため、積極的に受注したいとの意志によるものと考えられる。
 何れも公務員宿舎の改修工事ではあるが、工種や工事の複雑度が異なるため、単純に比較することは困難である。
意見・質問 回答
【抽出案件について(名古屋税関)】
契約高価案件を抽出
  • 契約件名:特種用途自動車の購入 特種用途自動車9台
  • 契約相手方:株式会社ナッツ (法人番号2290801011223)
  • 契約金額:90,013,442円
  • 契約締結日:令和元年8月2日
  • 担当部局:名古屋税関
9台をまとめて調達することにより、スケールメリットは働いたか。 調達をまとめたことにより作業工程が統一され、製造期間も短縮されることによって、その分の費用が削減されることから、スケールメリットは働いたと認識している。
車両の耐用年数は何年か。
 耐用年数経過後は再度調達するのか。
耐用年数は6年である。
 耐用年数経過後も、業務に支障がなければ継続して使用するので、必ずしも即調達するものではない。
本契約に保守は含まれているのか。
 また、耐用年数である6年の間に、X線検査装置の如く契約相手方と維持管理に係る何らかの契約を締結する見込みはあるのか。
本契約に保守は含まれておらず、車両部分の保守については別途調達手続きを行うこととなる。
 また、契約相手方と維持管理に係る契約を締結する予定はない。仮に、検査機器を搭載することになれば、当該機器の保守に係る調達手続きを別途行うことはあり得る。
【契約一覧表について(名古屋税関)】
●案件番号8及び10
 「X線貨物検査装置(ソーティングエリア)の購入」及び「コンベヤシステム(ソーティングエリア)の購入」
いずれもソーティングエリアに設置するものであるが、一方の落札率は低く、他方の落札率が高い理由は何か。 X線貨物検査装置についてはこれまでに調達実績のある機器であり低落札率になった一方、コンベヤシステムについては特殊な機器ということもあり高落札率になったと考えている。
●案件番号9
 「第53回通関士試験における試験会場設営及び試験運営業務委託契約」
一者応札解消のための方策を教示願いたい。 引き続き十分な公告期間を確保するとともに、業者に対する参加しょうようを積極的に行っていくこととしたい。