財務省第8入札等監視委員会
平成22年度第4回定例会議議事概要

開催日及び場所 平成23年6月17日(金) 名古屋国税総合庁舎4階会議室
委員 委員長 中澤 政直 (中澤会計事務所 公認会計士)
委員 大槻 隆(大槻経営法律事務所 弁護士)
委員 河邊 伸二(名古屋工業大学 大学院教授)
審議対象期間 平成23年1月1日(土)から平成23年3月31日(木)まで
契約の現状の説明 審議対象期間に係る契約一覧表について
抽出案件 4 件 (備考)
競争入札(物品役務等) 1件 契約件名 コンテナ貨物大型X線検査装置の賃貸借契約
契約相手方 株式会社IHI検査計測
契約金額 29,052,240円
契約締結日 平成23年2月14日
担当部局 名古屋税関
競争入札(公共工事) 1件 契約件名 観音寺東住宅RC-10新築工事
契約相手方 堀田建設株式会社
契約金額 197,400,000円
契約締結日 平成23年3月25日
担当部局 東海財務局
随意契約(物品役務等) 1件 契約件名 平成22年度鑑定評価員等業務(14地点ほか)
契約相手方 有限会社トヨタカンテイ
契約金額 70,518円ほか
契約締結日 平成22年10月27日
担当部局 名古屋国税局
随意契約(物品役務等) 1件 契約件名 平成22年度土地評価精通者業務(758地点ほか)
契約相手方 株式会社谷澤総合鑑定所中部支社
契約金額 1,360円ほか
契約締結日 平成22年11月30日
担当部局 名古屋国税局
委員からの意見・質問、それに対する回答等 別紙のとおり
委員会による意見の具申又は勧告の内容 なし
意見・質問 回答
【第3回定例会議の継続審議分について(名古屋税関)】
契約件名:
コンテナ貨物搬送システムの購入
契約相手方:
株式会社カネヤス
契約金額:
27,300,000円
契約締結日:
平成22年12月24日
担当部局:
名古屋税関
 比較的単純な機器の構成かと思われるが、全部を更新する必要はないのではないのか。  本貨物搬送システムについては、当初、平成11年に競争入札により5,565万円で調達したものであるが、その後、平成19年3月に競争入札にて機器の一部を購入しており、今回の調達は、それ以外の部分の調達となったものである。
 なお、平成19年に調達した部分は、可変式(スピードが可変)電動ローラー系の機器であるが、この機器について故障が頻発し、業務に支障を生じていたことからその部分の取替えも(731万円)行った。
 したがって、今回の調達は機器全部の更新を行ったものではない。
【抽出案件について(名古屋税関)】
一者応札かつ落札率が高い案件を抽出。
契約件名:
コンテナ貨物大型X線検査装置の賃貸借契約
契約相手方:
株式会社IHI検査計測
契約金額:
29,052,240円
契約締結日:
平成23年2月14日
担当部局:
名古屋税関
 リース契約を延長したという話であるが、当初契約金額よりも当然に安価となっているのか。  今回の契約金額は月額で1,815,765円であり、当初の契約金額の月額6,142,500円と比較して、約30%となっている。
 約30%とのことであるが、一般的に再リースは当初契約金額の10%程度の金額となるのではないか。  賃貸借の部分については10%程度の金額であるが、本契約は機器の保守も含まれておリ、このほか一般管理費を加算すると、当初契約金額の30%程度の契約金額となる。
 契約期間は平成23年3月から平成24年6月とのことであるが、期間を16ヶ月に設定した理由は何か。  新たな機器の導入に要する工事期間が年度を跨がないこと等を考慮し、6月末までのリース期間を設定したことから、16ヶ月となったものである。
 そもそも、当初の契約者と再契約するのであれば、一者応札にならざるを得ないのではないか。  当局としては、契約相手方が現在の権利を第三者へ譲渡する可能性も否定できないことから、一般競争入札で調達を実施した。
意見・質問 回答
【契約一覧表について(名古屋税関)】
●案件番号4
 「ノート型モバイル端末等の購入(ノート型パソコン29台ほか1品目)」
 ノート型パソコン29台ほか1品目の「ほか1品目」とは何か。  デスクトップパソコン20台の調達である。
 単純に割り算すると、1台当たりの単価が高いと感じるがいかがか。  パソコンの仕様は一律ではなく、高性能スペックのものも含まれていることから、価格的には妥当と判断している。
【抽出案件について(東海財務局)】
契約金額が高額で落札率が低い案件を抽出。
契約件名:
観音寺東住宅RC−10新築工事
契約相手方:
堀田建設株式会社
契約金額:
197,400,000円
契約締結日:
平成23年3月25日
担当部局:
東海財務局
 本工事は落札率が低く(71.4%)、何らかの形で利益を圧縮しなければ施工が困難であり、品質の低下が懸念される。
 設計の内容どおりに工事が実施されるよう、しっかりと確認を行っていただきたい。
 当局としても、工事の品質確保に注力している。
 従来より、合同宿舎新築工事においては、品質確保の面から技術的適性を勘案する必要があると判断し、過去の同種の工事実績等を一般競争入札への参加資格としている。
 また、本工事の監督業務を外部委託し、第三者の立場から請負業者の監督を行うとともに、当局の職員が現場確認を適宜行うことで、工程管理・品質管理を厳しくチェックしている。
 三重県内に合同宿舎を建設するようだが、東海財務局が設置を決定しているのか。
 また、宿舎の間取り等の仕様は、入居官署が決めるのか。
 管内の合同宿舎の設置に当たっては、東海財務局が各省各庁の宿舎設置要求書を審査し、要求戸数を取りまとめて財務本省に提出する。この宿舎設置要求書等に基づき、財務本省において宿舎設置計画が決定される。
 また、宿舎の仕様についても、宿舎設置計画において設置する合同宿舎の規格(面積)及び戸数等が定められているため、その内容に基づいて当局が設計を行うこととなる。
【契約一覧表について(東海財務局)】
●案件番号2
 「千種東住宅外2住宅10給水設備等取替工事」
 本件は、応札者が12者あった(うち1者は辞退)にもかかわらず、1者のみが予定価格をわずかに下回る金額(落札率99.2%)で入札を行い、他の10者はいずれも予定価格を越えた金額で入札している。
 何故、このような状況となったのか。
 明確な理由は不明である。
 本工事は、異なる工種(給水ポンプ取替と浴槽取替)を併せて実施するものであるほか、浴槽の取替に当たり入居者との日程調整を行う必要があるため、管理経費等を割高に見積もられたことが一つの要因であると考えられる。
意見・質問 回答
●案件番号7
 「小型乗用車の交換」
 今回の交換で下取りに出した乗用車と新たに取得した乗用車はそれぞれ何か。
 また、取得した乗用車の排気量はどの程度か。
 これまで使用してきたトヨタ自動車のプリウスを下取りに出し、入札の結果、同社のヴォクシーを取得した。
 ヴォクシーの排気量は、2,000ccである。
 総合評価方式の一般競争入札により実施しているが、環境性能として燃費値を評価したのか。  そのとおりである。
 取得した乗用車に特別な仕様はあるか。  特別な仕様はない。
 一般競争入札によることで、ディーラーで通常購入する場合と比べて安価に購入できるのか。  予定価格を下回る金額(落札率82.6%)で契約を締結しており、安価に購入できたものと考えている。
 予定価格はどのように算出したのか。  複数のディーラーに対して市場価格調査を行い、その結果を基に予定価格を算出した。
●案件番号5
 「高速カラープリンターの納入等」
 本件は、プリンターを買換えるものであるのか。
 また、プリンターの保守は本契約に含まれるのか。
 プリンターの買換えを行ったものである。
 プリンターの保守は本契約に含まれない。
 予定価格の算出に当たっては、上記小型乗用車の交換契約と同様に、複数の業者に対して市場価格調査を行ったのか。  そのとおりである。
 契約金額が6,225,450円であり、高速カラープリンターの価格としては高いように思われるが、どうか。  契約金額には、高速カラープリンター本体の価格のほか、インク等の消耗品代や、既存の印刷機の引取り及び購入したプリンターの搬入・設置等に係る経費が含まれている。
 応札者が2者と少ない理由は何か。
 プリンターの保守は含まれない契約であり、参加可能な業者は他にもあるものと思われるが、どうか。
 応札者が少ない理由は不明である。
 より多くの参加者を募り競争性を高めるため、公告期間を開庁日で10日確保するとともに、等級による参加資格の制限は行わなかったが、結果として応札者は2者であった。
 購入したプリンターは、どの程度の期間使用できるのか。
 また、買換え前の印刷機は何年使用したのか。
 耐用年数は3年である。
 これまで使用してきた印刷機は、購入後9年が経過しており、紙づまり等の不具合が増えたため、新たに購入することとしたものである。
 業務上、カラープリンターは多く使用するのか。  一定枚数以上の複写であれば、今回購入したプリンターを利用する方が複写機に比べ安価であることから、職員に対して利用をしょうようしている。
 また、カラー印刷の利用は、広報用の資料等、真に必要な場合のみに限定しており、日常の業務では白黒印刷を利用している。
意見・質問 回答
【抽出案件について(名古屋国税局)】
公募による随意契約案件を抽出。
契約件名:
平成22年度鑑定評価員等業務
(14地点ほか)
契約相手方:
有限会社トヨタカンテイ
契約金額:
70,518円ほか
契約締結日:
平成22年10月27日
担当部局:
名古屋国税局
契約件名:
平成22年度土地評価精通者業務
(758地点ほか)
契約相手方:
株式会社谷澤総合鑑定所中部支社
契約金額:
1,360円ほか
契約締結日:
平成22年11月30日
担当部局:
名古屋国税局
 「鑑定評価員等業務」と「土地評価精通者業務」との単価の違いは何か。  相続税等の計算に用いる土地評価基準(路線価・評価倍率)を決定するため、国土交通省の地価公示や県の地価調査価格のほか、国税局として様々な地域の土地の価格等のデータを収集している。
 そうした中で、鑑定評価員等業務は、不動産鑑定士による鑑定評価書の作成を求めている。
 一方、土地評価精通者業務は、資格を不動産鑑定士に限定せず、地価事情に精通していると認められる者を選任し、その土地の価格の意見を求めるものであることから、金額が異なっている。
 単価はどこで決めているのか。  国税庁において、全国一律で単価を決めている。
 正式に鑑定評価を依頼した場合の国土交通省が定める「公共事業に係る不動産鑑定報酬基準」に比べ、安価な金額になっている。
 単価の変更はあるのか。  物価の変動によって、見直される。
 どこを誰に評価してもらうかを、どのようにして決めるのか。
 また、同じ場所は毎年同じ者が評価するのか。
 基本的には、地価公示などの公的評価を担当する地域の鑑定評価員に依頼することとしている。
 応募者が同じであれば、同じ者が評価することもあるが、不動産鑑定士が公的評価で担当する地域は、数年ごとに替わるようである。
 鑑定標準地の鑑定評価を止め、すべて発注単価が安い精通者意見価格を求める方法とすることはできないのか。  土地評価基準は、市街地だけでなく、都市部以外や農地なども対象としており、すべての民有地を評価するためには、地価公示地や県の基準地だけでは足りないことから、当局で鑑定標準地を定め、鑑定評価を求めている。
 その他の標準地は、約37,000地点との説明があったが、多くはないか。  不動産鑑定士の鑑定評価が無い地区の土地評価の補完のため、その他の標準地を定めて意見価格を求めるものであり、土地を評価するためには必要である。
意見・質問 回答
【契約一覧表について(名古屋国税局)】
●案件番号19
 「事務机・椅子の購入(区分2)」
 椅子70脚の購入について、契約金額が3,087,000円であるので、1脚当たり44,100円となるが、高額でないか。  現在使用中の職員用の椅子は、15年以上使用しているものであり、今回の調達においてもそれらと同等の耐久性があることなどを考慮して調達を行ったものである。
 今後は、幅広く物品種類を検討するなど、いただいた意見を参考とさせていただきたい。