開催日及び場所 平成22年9月17日(金)名古屋国税総合庁舎4階会議室
委員 委員長 中澤 政直(中澤会計事務所 公認会計士)
委員 大槻 隆(大槻経営法律事務所 弁護士)
委員 河邊 伸二(名古屋工業大学 大学院教授)
審議対象期間  平成22年4月1日(木)から平成22年6月30日(水)まで
契約の現状の説明 審議対象期間に係る契約一覧表について
抽出案件 3件 (備考)
競争入札(物品役務等) 1件 契約件名 パソコン会計ソフトを利用した記帳指導業務
(第2コース)
契約相手方 静岡県青色申告会連合会
契約金額 13,524,000円
契約締結日 平成22年6月3日
担当部局 名古屋国税局
競争入札(公共工事) 1件 契約件名 観音寺東住宅RC-10新築工事設計委託業務
契約相手方 株式会社綜企画設計 名古屋支店
契約金額 3,885,000円
契約締結日 平成22年6月30日
担当部局 東海財務局
競争入札(物品役務等) 1件 契約件名 名古屋税関コンテナ検査センターにおける車両誘導等業務委託
契約相手方 株式会社ジャスティス・サポート
契約金額 6,200,145円
契約締結日 平成22年4月1日
担当部局 名古屋税関
委員からの意見・質問、それに対する回答等  別紙のとおり
委員会による意見の具申又は勧告の内容  なし
意見・質問 回答
【平成21年度第4回定例会議の質問に対する回答】
 名古屋国税局案件番号39「シュレッダーの購入」に関する質問に対する質疑及び回答
 案件番号39「シュレッダー購入」の予定価格について、「同種の他の契約の予定価格を類推させるおそれがある」ことを理由に公表しないとしているが、東海財務局で行われた同じ調達案件の予定価格は、公表を行っている。
 この事実を踏まえ、公表しない理由は何か。
 同じ財務省内で、取り扱いが違うのは、疑問である。
 名古屋国税局においては、現在、局及び管内48税務署に約400台のシュレッダーを保有している。シュレッダーの購入は、耐用年数経過後、カッターの磨耗等の現況により、ほぼ毎年更新を行なっており、一般競争入札により調達している。
 一方、東海財務局にあっては、名古屋国税局とは異なり、台数も少なく、調達に当たって相当の期間が空くといった状況にあり、購入頻度の違いがある。
 名古屋国税局としては、仮に予定価格を公表するとした場合には、次のような問題点があると考える。
 一つ目として、予定価格が目安となって、競争性が制限され、落札価格が高止まりになる可能性がある。
 二つ目として、談合を誘発する恐れがある。
 三つ目として、競争を通じて納税者の利益を最大限に実現するという競争契約制度の目的が十分に達成されない恐れがある。
 以上の状況等から、各機関の調達の実情等を考慮して、各々の機関で公表の可否を判断している。
 名古屋国税局にあっては、そうした問題点を踏まえ、予定価格を公表することにより、以後の同様な契約の予定価格を類推させる恐れがあると認められることから、予定価格の公表を差し控えている。
 今後も、そのような方針で行なうのか。  同様に行なっていく予定である。
【事案の抽出について(名古屋国税局)】
 一般競争入札案件で、一者応札かつ落札率が高い案件を抽出
契約件名:
パソコン会計ソフトを利用した記帳指導業務(第2コース)
契約相手方:
静岡県青色申告会連合会
契約金額:
13,524,000円
契約締結日:
平成22年6月3日
担当部局:
名古屋国税局
 
 2者応札となっている案件番号170「パソコン会計ソフトを利用した記帳指導業務(第3コース)」の契約者以外の業者は、どこなのか。  名古屋市を拠点としているパソコン教室の会社である。
 その業者は、静岡県を業務エリアとしていないのか。  静岡県は、エリア外であると聞いている。
 予定価格は、高くないのか。  予定価格の積算方法は、インターネットによる資料収集や市販の積算資料等を参考とし、主に1集合指導1回当たりの単価を算出、2個別指導の費用として、パソコンスクール等の料金表を参考に単価を算出、3その他基本的な諸費用を算出し積上げの上、予定価格を決定しており、市場価格及び積算資料を反映させた適切なものである。
 パソコン、ソフト等は、どちらが用意するのか。  受託者が用意する。
 どういったソフトを利用するのか。  弥生会計や会計王といった市販のソフトでも可能である。
 契約に際しては、1パソコン、1ソフトといったライセンス上の問題について、契約は担保されているのか。  契約に際しては、ライセンス等における問題が生じないよう十分検討の上、契約している。
【契約一覧表(名古屋国税局)について】
●案件番号140〜142
 「プリンタ用トナーカートリッジ等の購入(区分1〜3)」
 
 トナーは、リサイクル品を購入しているのか。  区分1・区分2は、純正品のトナーを購入している。区分3については、リサイクル品のトナーを購入している。
 なぜ、リサイクル品のトナーを購入しないのか。  区分1・区分2については、リサイクル品がないため、純正品を購入している。
 リサイクルトナーが存在すれば、今後、リサイクルトナーを購入する予定である。
●案件番号211  「名古屋国税局職員の身上問題に関するカウンセリング等業務」  
 名古屋税関が同様の契約で契約相手方を「個人」と表示しているが、名古屋国税局は、個人名を公表している理由はなにか。  当局は、個人であっても相手方に確認の上、公表している。
 名古屋税関が同様の契約で公募であるのに、名古屋国税局は、随意契約しているのは何故か。  相談者は、カウンセラーに長期に相談することがあること、また、主に心の悩みをカウンセラーに相談していることから、1年毎にカウンセラーが変更することは、相談者にとって相談しにくいといったことがある。
 よって、当局は随意契約により当該カウンセラーに業務をお願いしているところである。
【事案の抽出について(東海財務局)】
 落札率が低い案件を抽出。
契約件名:
観音寺東住宅RC-10新築工事設計委託業務
契約相手方:
株式会社綜企画設計 名古屋支店
契約金額:
3,885,000円
契約締結日:
平成22年6月30日
担当部局:
東海財務局
 
 落札結果を見ると、応札者7者のうち3者の入札金額が調査基準価格を下回っている。
 そもそも、予定価格が高すぎるのではないか。
 本件業務の予定価格は、財務省「宿舎新築工事設計監理委託料算定基準」より算出したものである。
 契約相手方からは、昨今の厳しい経済状況の中で業務を確保するため、経費等を削減することで当該金額により入札したものと聞いている。
 応札者の入札金額には、大きな開きがあり、予定価格が高すぎたとは考えていない。
【契約一覧表(東海財務局)について】
●案件番号20
 「国有財産の維持・管理等に関する業務委託(静岡県分)」
 
 本件は、「草刈業務」等を委託するものであり、契約相手方は、駿河コンサルタント株式会社とのことであるが、同社が草刈業務を行うのか。
 コンサルタント会社が草刈業務を行うとは考えにくいが、どうか。
 契約相手方の事業内容の詳細は承知していないが、同社は昨年度における同業務の契約相手方であり、問題なく業務を履行している。
 なお、本件は草刈のほか、国有地における不法占拠防止柵や看板の設置、地下埋設物の調査等を行う業務である。
●案件番号28
 「東海財務局庁舎警備保安業務(一部単価契約)」
 
 本件に問題があるとは考えないが、警備員の労働条件が最低賃金法に違反することのないように注意していただきたい。  今後も注意していきたい。
●案件番号32
 「カートリッジ等の納入(単価契約)」
 
 契約一覧表に「再生トナー」とあるが、仕様書等においてリサイクル品を購入することとしているのか。  そのとおりである。
●その他  
 名古屋国税局では、タクシーの利用に関する業務を実施しているが、東海財務局においては実施していないのか。  当局においても同種の業務を実施しているが、予定価格が少額であり予算決算及び会計令第99条第4号の金額を超えないことから、契約一覧表に記載していない。
【平成21年度第4回定例会議の質問に対する回答】
 名古屋税関案件番号7「乗用自動車1台の賃貸借契約」に関する質問に対する質疑及び回答
 官用車の調達について、買取り車と賃貸借車の棲み分けはどのようにしているのか。  賃貸借するより買取りの方が安価ではないか。  買取り車は9年で更新し、賃貸借車は5年契約としており、経費的には、ご指摘のとおり買取り車がリース車よりも安価となるのは事実である。
 しかし税関では、安全・安心な社会づくりのため「社会悪物品の密輸阻止」を行う使命があり、港湾地区での外国貿易船や船員に対する張込、尾行、船内検査といった監視取締業務や、犯則嫌疑事件に係る内偵調査、張込、尾行、情報収集といった審理業務がこれに当たる。
 これらの業務では、税関職員であることを秘匿する必要がある場合もあり、その際に使用する車両は車両登録番号をできる限り秘匿する必要があることから、できるだけ税関の車両であることを悟られないように注意して運用している。
 しかしながら、年数の経過と共におのずと悟られてしまう場合もあることから、これらの車両をできるだけ早いタイミングでの更新が可能な、賃貸借契約で対応している。
【事案の抽出について(名古屋税関)】
 落札率が低い案件を抽出。
契約件名:
名古屋税関コンテナ検査センターにおける車両誘導等業務委託
契約相手方:
株式会社ジャスティス・サポート
契約金額:
6,200,145円
契約締結日:
平成22年4月1日
担当部局:
名古屋税関
 
(抽出事案に関する意見・質問なし)  
【契約一覧表(名古屋税関)について】
●案件番号46〜49
 「X線検査装置の保守点検業務請負契約」
 
 同一メーカーのX線検査装置か。
 また、保守契約はどうなっているか。
 X線検査装置は、調達時に入札を行っており、その際の落札業者(製造メーカー)は異なっている。
 また、X線検査装置毎に入札により保守契約を締結しているため、当該保守契約は別々の契約者と締結している。
●案件番号52
 「麻薬探知犬の管理委託業務請負」
 
 契約内容は、どのようなものか。  麻薬探知犬管理センターで管理している麻薬探知犬について、職員が不在となる土日休日における全ての麻薬探知犬に対する給餌、排便、散歩等の管理を委託しているものである。
●案件番号96
 「カウンセリング業務委託契約」
 
 同様の契約業務が名古屋国税局でも存在するが、名古屋税関は契約の相手方を非公表とし、名古屋国税局は公表しているが、この違いは何か。  名古屋税関では、個人情報保護のため、個人の契約者との契約を非公表としている。
 同様に名古屋税関は公募により契約しているが、名古屋国税局は随意契約を行っており、この違いは何か。  名古屋税関では、予算執行の透明化・公平化の観点から、公募による調達で対応している。
 契約毎にカウンセラーが変わることは、契約の本来の目的である職員のメンタル面でのサポートに対して、好ましくないのではないか。  今後、検討させていただく。