取引等の税務上の取扱い等に関する事前照会

照会

照会の内容 1 事前照会の趣旨(法令解釈・適用上の疑義の要約及び事前照会者の求める見解の内容) 別紙の1のとおり
2 事前照会に係る取引等の事実関係(取引等関係者の名称、取引等における権利・義務関係等) 別紙の2のとおり
3 2の事実関係に対して事前照会者の求める見解となることの理由 別紙の3のとおり
4 関係する法令条項等 所得税法第161条、所得税法施行令第281条
租税特別措置法第29条の2、第37条の12
租税特別措置法施行令第19条の3
日中租税協定第13条、第15条
5 添付書類  

回答

6回答年月日 平成30年10月31日 7回答者 関東信越国税局審理課長
8回答内容

標題のことについては、下記の理由から、貴見のとおり取り扱われるとは限りません。

なお、この回答内容は関東信越国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではないことを申し添えます。

(理由)
 租税特別措置法(以下「措置法」といいます。)第29条の2第1項に規定する要件を満たす新株予約権(以下「税制適格ストックオプション」といいます。)の付与を受けた者が、その付与契約に従って権利行使をした場合の課税関係は、同条第1項本文において、株式の取得に係る経済的利益については所得税を課さないと規定されています。そして、この規定が、措置法第29条の2第2項において、当該権利行使の際に同項に規定する要件を満たした場合に限り適用するとされていることから、同条第1項本文の適用関係は、税制適格ストックオプションの権利行使により株式を取得した時に、同条第2項の要件を満たしているか否かによって判断することになります。
 したがって、措置法第29条の2第2項の要件を満たした後に、納税者の選択によって、税制適格ストックオプションを同条第1項本文の規定が適用されないもの(税制非適格ストックオプション)として取り扱うことはできません。
 なお、日本国内における勤務期間がなく、日本国内に恒久的施設を有していない中華人民共和国の従業員(日本の非居住者)が、税制適格ストックオプションの権利行使により取得した株式を譲渡した場合に発生する株式譲渡益部分については、日本の国内源泉所得として申告分離課税の対象となりますが、当該株式譲渡益部分が中華人民共和国でも課税される場合には、当該株式譲渡益部分について納付される日本の所得税等の額を、一定の範囲で中華人民共和国の租税の額から控除することとされています(所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定第23条第1項(a))。