国税庁は、納税者の皆様の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現することを使命としています。この使命を果たすため、国税庁は、納税手続等の利便性向上に努めるとともに、適正かつ公平な課税・徴収の実現に向けた取組を進めています。
 近年、グローバル化やデジタル化が急速に進展するなど、経済社会全体が大きな構造転換期を迎える中で、税務行政を取り巻く環境も大きく変化しています。こうした経済社会の変化に的確に対応するため、国税庁としては、日々進化を続けるデジタル技術の積極的な活用を図る「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション(DX)」を推進しています。

 この「税務行政のDX」は3つの側面(@納税者の利便性向上、A課税・徴収事務の高度化等、B事業者のデジタル化促進)から取り組んでいます。
 まず、@納税者の利便性向上の面では、納税者の方々が税に関する様々な手続をスマホなどの日常使い慣れた機器で済ませることができる環境の整備を進めています。現在では、所得税の確定申告の際、約4人に3人の方がe-Taxを利用されるようになり、申告のためにわざわざ確定申告会場においでになる方の数は大幅に減りました。今後とも、より多くの皆様にデジタル機器を用いた便利な手続を是非ご利用いただきたいと思います。

 A課税・徴収事務の高度化等としては、簡易な誤りの自発的な見直しを促す行政指導や効果的な調査・徴収事務を推進する基盤として、データやオンラインツールの積極的な活用を進めています。これからも納税者の皆様の権利・利益の保護を図りつつ、悪質な脱税・滞納事案等に対しては組織を挙げて厳正な調査や滞納処分等を行うなど、適正かつ公平な課税・徴収の実現を目指していきます。

 B事業者のデジタル化促進は、税務を起点とした社会全体のDX推進の観点から進めているものです。事業者が行う会計・経理等の様々な業務をデジタル化すれば、単純誤りを防いで正確性が向上するほか、業務の効率化で生産性が向上することも期待されます。このため国税庁としては、関係省庁とも連携しながら、事業者のデジタル化促進に向けた様々な周知・広報に取り組んでいます。

 こうした課税や徴収の仕事以外に、酒類業の健全な発達も、国税庁の果たすべき重要な任務の一つです。昨年12 月には、日本酒、焼酎・泡盛等の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。大阪・関西万博の開催もあり、これからも多数のインバウンドが来日する見込みである中、国税庁としては、こうした機会も最大限に活かしながら、酒類業の活性化や日本産酒類の輸出促進に向けて積極的に取り組んでいきます。

 この「国税庁レポート2025」は、上記のようなデジタル技術の活用や酒類業の振興をはじめとする国税庁の様々な取組について、図や写真などを交えつつ分かりやすく紹介したものです。税務行政に対する皆様のご理解を深めていただく一助となれば幸いです。

令和7(2025)年6月

国税庁長官 オク タツオ