10 インボイス制度の円滑な開始及び定着に向けた取組

 令和5(2023)年10月からインボイス制度(適格請求書等保存方式)1が開始されました。国税庁では、事業者の方にインボイス制度を十分理解していただき、適切に制度への対応や準備を進めていただくための周知・広報等の取組や、新たに消費税の確定申告が必要となった方の初回申告に向けた取組を実施しました。

(1) 制度の理解促進のための周知・広報等の取組

〜 制度開始前のみならず、制度開始後においても情報を発信 〜

 インボイス制度については、事業者の方にインボイス制度を十分理解していただき、登録の要否の検討を含め、適切に制度への対応や準備を進めていただくことが重要であることから、国税庁では、以下のような取組を行いました。また、制度開始後は実務上のお問合せに対する情報を発信しました。

◎ 制度の理解促進のための取組

  • ● 説明会の開催や事業団体等への講師派遣
  • ● インボイス発行事業者の登録をするか否かを検討している事業者を対象に、「登録要否相談会」を開催
  • ● 全国の税務署に設置している専用相談窓口(インボイス等相談コーナー)、インボイスコールセンター等による相談対応
  • ● インターネット広告や新聞広告による周知・広報
  • ● DM等を活用したプッシュ型の周知・広報

制度開始後の情報発信

制度開始後の情報発信

(2) 制度開始後初めての確定申告期における取組

 インボイス制度開始後初めての確定申告に向けて、円滑に申告手続を行っていただけるように、負担軽減措置(「2割特例」等)の周知を行うとともに、事業者からの相談に的確かつ丁寧に対応できるよう相談体制を確保しました。

初めて確定申告を行う方向けの取組

初めて確定申告を行う方向けの取組

〜 個人事業者の消費税の申告件数は大きく増加 〜

 令和5(2023)年分の個人事業者の消費税の申告件数は、約197万件であり、令和4(2022)年分から約92万件増加しました。
 なお、令和5(2023)年中にインボイス発行事業者になった個人事業者は約198万人であり、そのうち期限内の申告者数は約174万人(約9割)でした。
 また、免税事業者からインボイス発行事業者になった者は約105万人であり、そのうち期限内の申告者数は約88万人でした。

  • 1 インボイス制度の下では、帳簿及び税務署長に申請して登録を受けた課税事業者であるインボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)が交付する「インボイス(適格請求書)」などの請求書等の保存が仕入税額控除の要件となります。