平成15年(2003年)の税制改正により、消費税の事業者免税点の引下げ、老年者控除の廃止や公的年金等控除の変更が行われました。これらの改正は、平成17年(2005年)から適用されており、平成17年分の確定申告に際しては、新たに個人事業者の消費税申告が約128万件、年金受給者の所得税申告が約170万件増加すると見込まれています。
国税庁では、こうした申告件数の増加に対して、ITの活用等により申告事務を効率的に処理するよう努めることとしているほか、今後も引き続き、制度の周知や説明会の開催など、新たに申告される方が平成17年分の確定申告期に申告と納税を適正に行っていただけるよう、広報・相談・指導といった各種施策のきめ細やかな実施に努めていくこととしています。
地方税の中には、対象となる納税者や税の仕組みが国税と共通しているものがあることから、納税者の申告手続きの簡略化を図るために、制度面や執行面において、国税(当局)と地方税(当局)との間で緊密な連携を図っています。
例えば、制度面では、所得税の申告をした納税者は、地方税である個人事業税や個人住民税の申告をしなくても済みます。また、消費税と地方消費税の申告等も同一の手続きで行うことができます。執行面では、多くの市区町村で所得税の申告の相談などを行っています。このほか、国税当局と地方税当局が共同して、申告説明会の開催や税務広報を実施しています。
こうした執行面の相互協力は、国税当局と都道府県・市区町村の各地方税当局との協議に基づいて実施されていますが、現状では協力状況にかなり地域差があります。国税当局としては、都市部を中心とした地方税当局に対して、納税者サービスの向上のため、より緊密な相互協力関係を要請していきたいと考えています。
確定申告をしなくてもよい人でも、源泉徴収された税金や予定納税をした税金が年間の所得について計算した税金の額より多いときは、還付申告をすることによって、納め過ぎた税金が戻ってきます。1
また、計算に誤りがあったために納税額を過大に申告した場合など、既に行った申告について、税額が多すぎた場合や還付金が少なかった場合には、更正の請求2をすることができます。
国税庁では還付申告や更正の請求に対し、関係法令を適正に適用し、適正かつ迅速な処理に努めています。