(2)電子申告等ITを活用した申告・納税の推進

 国税庁では、国税電子申告・納税システム(e-Tax)や国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」など、情報技術(IT)を活用することにより、申告・納税の際の納税者の負担を軽減することに努めています(「4.申告納税制度 (2)納税者サービス2」参照)。

● e-Tax

 e-Taxは、申告や納税をオンラインで行えるシステムで、ITの活用などにより国民の利便性の向上と行政手続きの簡素化、効率化を目指す電子政府構築計画の一環として、開発・導入に取り組んできたものです。
 e-Taxは、平成16年(2004年)2月から名古屋国税局管内において、所得税、消費税(個人)の申告について運用を開始し、3月には法人税、消費税(法人)の申告、納税、申請・届出等の一部について運用を拡大し、6月には運用地域を全国に拡大しました。そして、9月には利用可能な申請・届出等の手続きを追加するなど、システムの安定的な稼働を確認しつつ段階的に利用者や対象業務を拡大してきました。また、11月には納税者利便の向上の観点から、これまで利用者等の方々からご要望の多かった受付時間の拡大を行いました。更に、平成17年(2005年)4月には酒税、印紙税の申告についてもサービスを開始したところです。
 e-Taxにより、申告、申請・届出等の手続きが自宅やオフィスに居ながらインターネットを利用して送信できるようになっただけでなく、金融機関や税務署の窓口に現金と納付書を持参しなければならなかった納付の手続きについても、自宅やオフィスからインターネットバンキングを利用して行えるようになりました。なお、e-Taxは、納税者の権利・義務に大きな影響を与えるものであり、税務情報という個人情報が含まれているため、納税者の信頼を得られるようシステムの安全性について引き続き最善の策を実施していきます。
 e-Taxの利用にあたっては、本人確認を厳格に行うため、事前に開始届出書を提出する必要があること、適正な課税の観点から第三者の作成した証明書については書面の原本を税務署に別途送付する必要があることなど、まだまだ納税者にご満足いただける水準に達していない部分もあります。今後、より多くの納税者に利用していただくため、システムの安全性にも配慮しながら、更なるシステムの機能や運用の改善に取り組むとともに、普及のための広報を通じて、利用の定着を図っていきたいと考えています1

図4 e-Tax開始届出書提出件数
e-Tax開始届出書提出件数のグラフ

図5 e-Taxを利用した申告等の件数
e-Taxを利用した申告等の件数のグラフ

● 確定申告書等作成コーナー

「確定申告書等作成コーナー」は、国税庁のホームページ上で、申告書や決算書等を作成できるシステムです。パソコンの画面上に示された手順に従って入力すれば、所得や税額が自動的に計算された申告書等が作成できます。パソコンに接続したカラープリンターで印刷すると、申告書としてそのまま提出できます。提出については、税務署に直接提出することも、送付することもできます。また、e-Taxへのデータ引継機能もあり、作成した申告書をe-Taxで提出することも可能です。
 平成14年分(2002年分)の確定申告期に導入して以来、アクセス件数は年々増加しており、平成16年分(2004年分)の確定申告期では、約1,024万件となりました。
 このシステムは、自宅での自書申告の促進に資するだけでなく、e-Taxへのデータ引継機能を備えていることから、e-Taxの利用への足がかりになると考えられます。
 「確定申告書等作成コーナー」が更に使いやすいものとなるよう、引き続き、利用者からの要望に基づいた改善を行い、より多くの納税者に利用していただけるシステムにしていきたいと考えています。

図6 申告書作成コーナー利用件数
申告書作成コーナー利用件数のグラフ


  1. 1 金融機関等のシステムや認証基盤の整備及び普及を前提として、国税庁では、e-Taxの普及の目安として、平成18年度(2006年度)における利用件数が、おおむ130万件(目安)になることを政策目標に掲げています。

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