会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、委員の方々から御意見、御質問等ございましたら、どうぞ御自由にお出しいただきたいと思います。

小林委員
 もしどなたもなければ私が。

会長
 どうぞ、お願いします。

小林委員
 e-Taxのお話がございましたが、それで納税者の満足度というのを今調べていらっしゃるということですが、やっぱり一番大事なのは、個人情報が保護されているかどうかということなのですが、こちらにもその旨書いてございましたけども、具体的には例えばどんなことをなさっていらっしゃるのでしょうか。

企画課長
 電子申告システム自体は、これ自体は受付のシステムでございまして、納税者の情報自体は今現在ございますKSKというシステムに入る形になっております。したがいまして、まずこの受付システムとして重要なのは、例えば、インターネットで連絡しているところの暗号化のレベルを非常に上げるという形で外部からの侵入を防ぐというふうなことを考えてございます。
 そして、その後、KSKシステムに移した後は、KSKシステムは基本的に外と切れておりますので、電子申告で申告をされても、KSKシステムに入れば、インターネットで入ってくるというふうなことはないようなシステムになってございます。
 そういう形で、極力、受付システムは受付システムとして割り切ってそこでのセキュリティを確保した上で、きちんと切り離した世界に移して保全していくというふうなシステムというふうに構築してございます。

小林委員
 どうもありがとうございました。

会長
 そのほかございますでしょうか。いかがでしょうか。

崎委員
 この電子申告のメリットですね、メリットで先ほどお話があったのは、わざわざ税務署に行かなくて済むと、それからペーパーレス、確かにそのとおりなのですが、ここで申告するのはいわば申告書だけで当然附属書類とか、附属のいわば帳簿とかそういうものは入ってないわけですよね。したがって、メリットと言えば非常に少ないという感じがするわけですね。
 それと、第2点として、当然、電子証明をもらって付けなければいけないわけですね。したがって、この電子証明はどういう証明になっているか分かりませんが、恐らく公開鍵とか非公開鍵合わせて解読できるとこういう電子証明書なのですかね。その電子証明書を取得し維持するには、これは当然有料ですよね、そうですね。したがいまして、ただ税務署に行かなくて済むということと、その申告書そのものがペーパーレスになるというだけのメリットで、それだけの金をかけるメリットがどうも納税者にないような気がします。
 もちろん国税庁側で非常にメリットがあるのですけども、いわゆる税務署側のメリットだけでこれを強引に進めるのは何か問題があるんじゃないかという感じがするのですが、その点いかがですか。

企画課長
 まず添付書類等の関係でございますが、今現在、各種の御本人が作成いただく添付書類、各種の決算書、そういったものについては、大ざっぱに申し上げれば99.9%は電子化して送っていただけるようになっております。
 ごく例外的に、例えば、酒類業者の方の地図とかこういったものはなかなか様式の電子化ができませんので、そういったものはできておりませんが、いずれにせよ、本人が作成される各種の書類については、電子的に申告書とともに送れるようになっております。
 ただ、できないものの代表例といたしまして、例えば医療費の領収書でありますとか源泉徴収票、これはまだできておりません。これは御本人の作成でないものですから、そういった問題がございます。それで、先ほど申し上げましたように、これは私どもの今後の大きな課題といたしまして、これをどのように解決していくのかということは、是非前向きに取り組んでいきたいと思います。したがいまして、添付書類の中で、御本人のものはまずできているというふうに御認識いただければありがたいと思います。
 そういう中では、例えば、個人の方の還付の中で医療費のという場合は、どうしても今現在は、郵送等していただく必要がございますが、例えば第三者作成の添付書類が少ない法人の申告でありますとか、そういう中ではそれなりのメリットもあると思いますし、特に、反復継続するような手続、源泉の関係でありますとか消費税の関係、こういったものについては、納税者の方々にとってもメリットがあるのではないかと思いますが、問題がないというふうには思っておりませんので、そこは是非前向きに取り組んでいきたいというふうに考えております。
 それとあと、電子証明書につきましては、公的な証明書が一番の普及版というふうに考えてございますが、これは手続としては3年間有効なもののために500円というふうな手数料になっております。ただ、これはICカードを読み込む必要がございますので、今、カードリーダーが5,000円とかそのぐらいになっておりますので、初期投資としてそのぐらいの費用が必要かなということはございます。
 ただ、これはもっと普及していけば、いわゆるいろんな量販店の中で廉価版が出ていけば、もう少し安価に購入できるのではないかというふうな期待もしておりますし、今、そのような動きも出ているというふうに承知しております。
 以上でございます。

次長
 それでこれ電子政府ですから、すべての役所が全部オンライン化するわけです。したがって、電子証明書を取っていただきますと、国税の申告だけではなくて、あらゆる、法務省の手続とか全部ありますので、何も当方だけのシステムではないということを御理解いただきたいと思います。

崎委員
 分かりました。もう一点、確かに企業がほかの関係で電子化していれば、その国税の申告も電子化するということで移行しやすいということですね。
 それから、次の質問は、まず税理士にお願いしている企業がほとんどですよね。だから、この税理士が代理申告する場合の証明書というのは、いわば申告者本人の証明書のほかに税理士のいわば電子証明も必要と、こういう取扱いらしいのですが、例えば大企業の場合に、法人の場合は御承知のように法務局でもって証明書発行してますよね。ところがあの証明書というのは、これ一般の取引にも証明書として使われるのですから、当然、会社の代表者としてはそういうものをやたらに、実印と同じ、実印と印鑑証明を合わせたようなものですから、やたらにこれは部下には渡せない状態ですよね。そういうものでもっていわゆる確定申告されるとすれば途中で悪用されるのはもちろん、内部的に悪用される可能性があるので、なかなかそれを使おうとしないのですね。その場合に、そういうものを使わずに例えば、税理士の証明書だけで申告が認められないのかどうかということなのですが。

企画課長
 お答えいたします。
 今現在、書面におきましても、おっしゃるように代表者としての署名、押印、それとそれがもちろん税理士が入っておれば、税理士としての署名、押印が必要でございます。したがいまして、電子申告についても同様の形になります。
 ただ、そのやり方としては、顧問先と税理士のやり方のバリエーションが幾つかあると思いますが、恐らくノーマルなやり方といたしましては、税理士の方が各種の書類を作り上げて税理士自身が証明書を一緒に添付してその企業なり、顧問先、個人の場合もございますが、に送って、そこで御自身がこれで正しいと思ったときにそれに電子証明書を添付していただければ、それで税理士と御本人の署名、いわゆる書面で言えば、署名、押印ができてくるという形になりますので、そのやり方といたしましては、顧問先が税理士に対して電子証明書を放り投げるように自由に使ってくれという形というのは、それはやろうと思えばできますけれども、ノーマルなやり方としては余りそういうことはないだろうと思いますし、基本的なやり方としては、やはり自分で確認した上で電子証明書を添付するという形になるのではないかというふうに考えております。

崎委員
 まあそのとおりだと思うのですが、電子証明書というのは、結局フロッピーに入ってるわけですね。会社の社長が直接それをいじるわけではないですよね。もし印鑑証明書といわば資格証明書ですか、通常の取引では。それを委任状に添付してやるわけだから、これは必ず代表者が確認して、それで決裁するわけですね、委任状なりを。ところが、要するに電子証明書、電子の中に入っている、しかも電子証明書というのは、それを本来入れて恐らく何か操作をすると思うのですね。そういう意味では従来の悪用とかそういうことに関しては、恐らく代表者はなかなか信用できないと思うのですよね。だからそこが問題なのですね。
 つまり、電子証明書というのは、いわば印鑑証明書と資格証明書を合体しているのと同じような効用があるわけですよね。しかも内容が社長は分からない。それを部下に預けてそれじゃ申告してくださいと、こういうふうなことがなかなか要求するのは無理なのかなと。
 もちろん税理士を信用していれば税理士のそういう印鑑証明書だけでやるのであれば、それは恐らく税理士との信頼関係だけの問題ですから簡単にはいくのではないかという感じはするわけですが。いかがですかね。

会長
 予定の時刻も近づいてきたので、ちょっと一言、短く簡単に、もし回答があればお願いします。

企画課長
 そこはこれからのIT社会の中で企業の責任者がどの程度御自身のセキュリティなり、そういったものを考えていくかという姿勢にもよるかと思います。
 ただ、制度的にもきちんとそこのチェックはした上で添付をしてくださいということだと思います。

崎委員
 よく分かりました。

会長
 御意見もまだ残っていると思いますけれども、本日の予定の時刻が、ほぼ予定の時刻にまいりましたので、大変恐縮ですが、本日はこの辺りにさせていただきたいと思います。
 なお、本日の議事要旨及び議事録の公開につきましては、国税審議会議事規則にのっとりまして、まず簡潔な内容のものを議事要旨として公表し、議事録は後日、完成次第公表させていただくことになっております。
 議事録につきましては、公表前に皆様の御発言内容に誤りがないかどうか確認させていただきたいと思いますけれども、議事要旨につきましては、会長一任ということでお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

会長
 それでは、本日は大変短いのですけれども、これをもちまして、第6回国税審議会を閉会させていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

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