日時:平成16年6月11日 10:04〜10:32

場所:国税庁第一会議室

出席者:

国税審議会委員  辻山会長  小林会長代理
   阿刀田委員  今井委員
   大西委員  小川委員
   北村(節)委員  小早川委員
   浜委員  水野委員
   宮崎委員  宮島委員
国税庁  寺澤国税庁長官  
   村上国税庁次長  
   大西審議官  
   鹿戸審議官  
   西江課税部長  
   徳井徴収部長  
   鳥羽調査査察部長  
   坂口総務課長  
   谷口人事課長  
   平沼企画課長  
   寺内酒税課長  
国税不服審判所  富田国税不服審判所次長 

総務課長
 国税庁総務課長の坂口でございます。定刻になりましたので、第6回国税審議会を開催いたします。
 本日は、委員の皆様方には、大変お忙しいところ、御出席いただきましてありがとうございます。
 本会の開催の御連絡をさせていただいた際に、既にお伝えしておりますが、国税審議会の会長をお務めいただいておりました貝塚啓明先生には、昨日、6月10日付で御退任されました。したがいまして、本日は会長及び会長代理をお決めいただくことになりますが、それまでの間、私が議事の進行役を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 本日は、12名の委員の方々に御出席いただくことになっておりまして、ただいま浜先生が渋滞の関係で遅れておられるようでございますけれども、いずれにいたしましても、定足数に達しておりますので、本会は有効に成立いたしております。
 それでは、会長の選任をお願いいたしたいと思います。
 国税審議会令によりまして、会長は委員の皆様の互選により選出していただくこととなっております。どなたか御推薦等ございますでしょうか。

大西委員
 よろしいでしょうか。
 辻山先生を推薦します。

総務課長
 ただいま、辻山委員を会長にという御意見がございましたが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

総務課長
 それでは、辻山委員に会長をお願いすることでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

総務課長
 それでは、辻山会長には会長席にお移りいただきたいと思います。会長から一言ごあいさついただきまして、その後に議事を取り進めていただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

会長
 ただいま御紹介いただきました辻山でございます。私の専門は財務会計でございまして、この審議会では税理士分科会の分科会長を5年ほど務めさせていただいております。税の細かいところまではよく承知しておりませんので、委員の皆様方、それから事務局の方々の御協力を得ながら職務を遂行してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、国税審議会令によりまして、会長がその職務を代理する委員をあらかじめ指名するということになっておりますので、会長代理の指名を行いたいと思います。
 それでは、私のほうから小林委員にお願いしたいと思います。

小林委員
 もし御異存がなければ、お引き受けいたしますが。
 よろしくお願いいたします。

会長
 よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議事を進行させていただきます。
 本日は、お手もとの議題表にございますように、最近の税務行政について、事務局から説明をお願いしたいと思います。
 よろしくお願いいたします。

企画課長
 企画課長の平沼でございます。
 資料にございますように、電子申告・納税システムの状況、それと国税庁レポート2004、この2点について御説明をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、資料1にございます国税電子申告・納税システム(e-Tax)の状況でございます。
 このe-Taxにつきましては、2月の本会の会合の際に御説明をいたしましたとおり、今まで書面で行われておりました所得税、法人税、消費税の申告、あるいは全税目の納税、さらには申請・届出等の手続をインターネットで行えるようにするということでございまして、導入に当たりまして、システムの安定的な稼働を確認しつつ、運用地域でありますとか、対象業務を段階的に拡大してまいったところでございます。
 具体的には、本年の2月2日から名古屋国税局管内におきまして、所得税と個人の消費税申告の運用を開始いたしまして、さらには、その名古屋国税局で3月から法人税申告、法人の消費税申告、全税目の納税、あるいは申請・届出等を利用できるようにしてまいりました。そして、今月6月1日からは、その運用を全国に拡大してきたところでございます。
 先月5月31日まで、そこまではまだ名古屋国税局管内のみでの運用でございますので、名古屋国税局におきまして、e-Taxを利用した申告件数等につきましては、お手もとの資料のところにございますけれども、3番目の白丸のとおりでございますが、3,502件。うち、所得税2,493件、個人消費税490件、法人税につきましては291件、法人消費税228件というふうになっております。
 こういう形で、ちょっと行きつ戻りつしますが、導入プロセスといたしましては、2番目の白丸にございますように3の6月から全国に拡大というところまでまいったというふうなところになっております。
 このe-Taxの導入に当たりまして、これを取り巻く環境の中で一つ重要な問題として電子証明書という問題がございまして、これは民間でももちろん提供されておりますが、一番安価なものであります公的個人認証が、e-Taxが運用を開始した2月2日の4日前の1月29日にスタートするといった、そういった基盤の整備等が同時並行的に進められていくというふうな状況にございましたけれども、税理士会等の関係団体、あるいは地方公共団体の協力を得ながら、その普及に努めてまいったところでございます。
 それと、このe-Taxを利用するに当たりまして、事前に開始届出を提出していただくことになっておりますが、名古屋国税局管内では昨年の11月から、全国では4月から受付を開始してございますが、その数字といたしまして、お手もとの資料の3番目の白丸の利用件数の右側でございますが、5月31日現在で1万6,492件の提出をいただいておるところでございます。
 今後の取組といたしまして、このe-Taxにつきましては、わざわざ所轄の税務署でありますとか金融機関の窓口に来ていただく必要がないという形で、その利点を今PRしているところでございますが、民間の会社で、今現在、そのe-Taxに対応した会計ソフトがそれぞれ発売が既にされております。これを利用していただきますと、経理あるいは決算処理、申告データの作成、それから受付システム、私どもへのシステムへの送信といった一連の作業が電子的にペーパーレスで処理できるというふうなことになります。
 これによりまして、納税者の方々、あるいは私ども国税サイドにとりましても、事務の省力化、ペーパーレス化が期待できますので、私どもとしてはより多くの方々に利用していただきたいというふうに考えております。
 資料の4番目の白丸にございますけれども、このe-Taxという事業につきましては、政府全体といたしまして、平成16年度における予算のプロセスとしまして、予算執行の弾力化を行って、その効率化を図っていきまして、その効果を予算に反映するというモデル事業というふうな位置づけ、9府省で10事業が指定されておりますが、e-Taxがその一つのモデル事業として指定されております。
 それで下の段にe-Taxの政策目標というふうにございますが、その目標のうち、1の全国拡大というのは、6月1日から達成はいたしておりますが、2の利用者の満足度(CS)の評価の向上につきましては、現在といいますか、4月1日から4月30日まで1カ月間、名古屋国税局管内で開始届出を出していただいた方々を対象にアンケート調査を行いました。今現在、その取りまとめの作業中でございます。それを近々公表してまいりたいというふうに考えておりまして、来年になりますと、全国にこれが拡大されますので、同じような調査をさせていただきまして、その評価の向上を図っていきたいというふうに考えております。
 そういった評価の向上を図るためにも、今後、取り組む課題といたしましては、例えば、今現在、システムの安定的稼働のために一定の受付時間を設定してございます。午前9時から午後6時までという形になっておりますが、こういったものの延長、あるいは今現在、別途、郵送が必要になっております一部添付書類の取扱いの簡素化がどのぐらいできるかと、そういった問題につきまして、更に利便性の向上を図っていきたいというふうに考えております。
 18年度の利用件数といたしまして、130万件というふうな目安を作っておりますが、これに少しでも近づくために引き続き私どもは努力をしてまいりたいと思いますし、関係団体の方々や地方公共団体の協力を得つつ頑張ってまいりたいというふうに考えております。
 e-Taxについては、以上でございます。
 2番目の資料といいますか、テーマでございますが、お手もとに色刷りの小冊子がございますが、「国税庁レポート2004」というものがございます。これは国税庁といたしまして、今までも私どもの税務行政の説明資料といたしまして、例えば、「日本における税務行政」などを作成してまいりましたけれども、改めまして、私どもの税務行政が納税者である国民の皆様から負託されたものという認識の下で、現在の税務行政の状況あるいは今後の取組について、もっと分かりやすく説明をして、説明責任を果たしていくというふうな形で改めて作ったものでございます。
 ちょっと表紙をあけていただきまして、目次を御覧いただきたいと思いますけれども、右側に目次がございますけれども、従来の資料は、ややもすると税目ごとの記述に陥りがちだったわけでございますが、今回は納税者とのかかわりという形を切り口といたしまして、例えば、1番目の納税者サービス、広報・相談・情報提供の中では、説明会でありますとか事前照会への回答、あるいは2番目の、同じ納税者サービス、確定申告における利便性の向上の中では、自書申告の推進、e-Tax、3番目の的確な指導と調査というところにつきましては、的確な指導の実施、悪質な納税者に対する厳正な対応、さらには色刷りの真ん中辺りでございますけれども、権利救済という中では、権利救済の現在の状況という項目を改めて設けるなど、できるだけその納税者の方の視点に立ち、なおかつ、なるべく分かりやすいものをというふうに心がけてございます。
 また、目次には出ておりませんけれども、今までは余り取り上げてこなかった事項につきましても囲みという形で、肩の凝らないような形で取り上げているものがございます。税務調査の実際の現場での進め方につきまして囲みで書いておりますとか、あるいは、納税者の方々のいろんな不満への対応についても囲みを載せております。
 ちょっと具体的に御覧いただきたいと思いますが、例えば、ちょっと16ページを御覧いただければと思いますが、16ページの右下では、肩の凝らない形で話題提供のような形で税金豆辞典ということで、確定申告というのはどういう意味でしょうかということで、昔、申告納税制度が導入された当時は予定申告という制度もございまして、それに対応する形で確定申告というのがありましたことから確定申告という言葉を使っておりますというふうな紹介もさせていただいております。
 あるいは恐縮ですが、19ページを御覧いただきますと、申告納税制度という、左側のところでございますが、先ほど申し上げましたように、実際の税務調査での状況につきまして「税務調査について」ということで、例えば、基本的にはあらかじめ調査日時などを通知しておりまして、事前通知は、所得税の調査では大体8割ぐらい、法人税では9割ぐらい通知を行っておりますとか、2段目では、調査結果に対する税務署の対応についてなるべく分かりやすく書かせていただいております。
 さらには、右側の20ページを御覧いただきますと、延滞税と加算税の違いでありますとか、それがどのぐらいでありますというふうなことも載せさせていただいております。
 さらに、30ページを御覧いただければと思いますけれども、30ページはまた同じように税金豆辞典としまして、青色申告というのはなぜ青色申告というかといいますと、2説ございまして、アメリカのblue returnのblueというのを採ったという説と、もう一つはクリーンなイメージで青色を採ったという説がありますという形で、やや話題提供的に載せさせていただいております。
 次の、もう一枚めくっていただきますと権利救済のページになりますけれども、権利救済のところにつきましては、なるべく分かりやすい表示ということと、先ほど申し上げましたように、これをめくっていただいて34ページになりますと、権利救済の状況ということで、どのぐらいの割合で取消率がありますといったものも積極的に取り上げさせていただいております。その同じページの下のところでは、同じように囲みで納税者の様々な不満への対応ということで、どういうふうな対応をしておるかということについて述べさせていただいております。
 このような形で、なるべく分かりやすくということを心がけまして、作成したものでございます。
 なお、ちょっと表紙を御覧いただきますと、今回はこれは屋久島の縄文杉を写真として使わさせていただいております。この縄文杉は、数千年あるいは昔は7,200年というふうにも言われていたようでございますが、いずれにせよ数千年の長い歴史の重さを感じさせるものとして、私ども、国民の皆様から負託された税務行政の重さ、そういったものを今後も営々と積み重ねていくというふうな、そんなイメージも何となく事務方では思いを込めて載せさせていただいております。
 この冊子は来週月曜日、6月14日に国税庁のホームページに掲載をさせていただきまして、この増刷ができ次第、有識者の方々、あるいはマスコミの関係の方々、全国に二千数百名いらっしゃいます国税モニターの方々、そういった方々に配布をさせていただきたいというふうに考えておりますし、また、追って英文版も作成をしてまいりたいというふうに考えております。
 私から2点、御説明をさせていただきました。

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