小鞠酒税課長
事前にお配りしたものと内容が変わっていますので、説明させていただけますか。
奥村座長
そうですか。22ページの3からはあらかじめお送りしているのと改定が加わっているということですので、どこか適当なところでいったん切って、そこまでを検討するというようにしていただけますか。
亀井酒税企画官
それでは、22ページの3.のところです。取り急ぎ、読み上げさせていただきます。
「当懇談会では、各界の有識者からのヒアリングの内容や海外での調査状況を踏まえ、社会的な要請への今後の対応の方向性として次のとおりと考えている。まず、酒類販売業に係る規制について、諸外国では、免許制、届出制や、専売制等となっており、ドイツにおいては、酒類販売についての特段の営業規制はないなど、規制の有無・手法が非常に多岐にわたっている。また、免許制を採用している場合でも、警察目的や厚生目的から酒類販売の社会的な管理を行うものが多く、具体的な規制内容も、国・地域の歴史や酒類に対する考え方等を反映し、多様なものとなっている。したがって、国際的な整合性のある制度は見いだし難いと考える。
一方、我が国の免許制度は、酒税の保全という財政目的による規制であり、社会的な要請への対応については、免許制度による規制のみでは十分に対応することは難しいと考えられる。このように、諸外国の免許制度上の規制をそのまま我が国の現行の免許制度に取り入れることは適当ではなく、諸外国で実施されている規制のうち我が国でも必要と考えられるものについては、免許以外での対応も含め、検討の対象としていくべきである。
なお、社会的な要請に対応するための規制については、必要最小限の内容にとどめるべきで、過度な規制は好ましくないとの意見があった。
ここでは、今後の具体的な施策を社会的な要請のうち最も重要な課題の一つと考えられる「未成年者飲酒防止への取組」と「適正飲酒の推進」のテーマで整理した。以下の具体的な施策については、今後、行政、業界等において早急な実施を望むものであり、早急な対応が困難なものについても、今後のあるべき方向性として実現に向けた着実な取組を期待するものである。」
奥村座長
いったんそこまでで内容を見ていただきましょうか。
ドイツにおいては何も規制がありませんみたいに書いてありますけれども、正確に言いますと、ドイツにおいては酒だけの規制はないけれども、商売のやり方、店を開ける時間等については何らかの制限がありましたよね。
亀井酒税企画官
そうですね。
寺沢氏
閉店時刻についての規制があります。
奥村座長
それはどういう規制ですか。
寺沢氏
すべての小売店に対して、特に牛乳とか毎日必要な業種以外は閉店時刻が何時までと決められています。
奥村座長
国の規制ですか。それとも、州の規制ですか。
寺沢氏
国ですね。
奥村座長
国が決めている。それを入れておかないと、真夜中でも酒を売るのかと思えてしまいますので、それを入れたらどうでしょうか。
亀井酒税企画官
はい。
奥村座長
全般に網をかけているのですよね。その中に当然お酒も含まれているため、したがって、ある時間帯は酒を売ることができないという制限をしているのですね。寺沢先生、場所についてもそうですか。時間帯だけですか。曜日についてはいかがでしょう。日曜日は開けてはいけないとかということはありますか。
寺沢氏
曜日によって時間帯が決まっています。まあ、これは教会に行くべしということで、たしか土日が規制の対象の日だと思います。少しずつ変わっていますので、正確な情報はありません。そういうものがあるということは事実です。
奥村座長
場所の規制はありませんか。
寺沢氏
空港とかそういう場所には制限はありませんが、具体的にどことどこがというところまでは分かりません。
奥村座長
空港は夜中やっていてもいいという意味でしょう。お酒とかあるいは子供に教育上好ましくないビジネスは学校から何メートル離れてみたいなことは規制していないのでしょうかね。
寺沢氏
それは詳しく分かりませんけども、あまり聞いていませんね。
山下氏
ここで言っているのは免許制、届出制、専売制というのが並んでいますから、一種の参入規制です。そういうものについて言えばドイツもないと、そういう形の整理にした方がいいと思います。
奥村座長
そうですね、分かりました。
山下氏
あと細かい売り方の規制は各国でいろんなものがありますから、ドイツだけ具体的な行為規制を書くとバランスを失うような気がします
奥村座長
はい、そうですね。「酒類販売業に係る規制について」と、あらゆる規制を主語にしてしまっているので、今、山下先生がおっしゃったように、ここは免許制、届出制、専売制という参入規制についてはという主語にしていただければ、このままドイツではありませんということでよろしいのですが、念のためその後ろに、参入規制等以外の営業時間規制については云々というところも入ってきた方がいいかもしれませんね。
岡本氏
これは先ほども言いましたが、専売制(アメリカ、カナダ)とやるとやっぱりまずいのではないですか。ですから、先ほどのところと全く同じ文言ですけれども、要するに書くのであればきちんと説明しないといけないということになりますね。そうすると、これもここではそういう並びからいけばドイツだけが突出してくるのもおかしいので、具体的に、名前、国名を挙げて記載した方が良いのではないでしょうか。
奥村座長
分かりました。それではもう一遍、整理して、場合によっては表か何かをその下に付けてというようなことにしていただけますか。
田嶼氏
この22ページのドイツに関する文言は21ページのドイツにおける広告に関する規制の記載と少し合わないような感じもするのですがいかがでしょうか。つまり、広告に関しては自主規制ではありますけれども、内容については何らかの規制はかかっているわけで、このことが少し気になりました。
奥村座長
そうですね。規制の種類と現状について、もう一遍再整理していただきまして、とても1つの表にはまとめられないぐらいの内容となってしまうのであれば、国の名前を特定化するのは、ここの箇所では避けましょうかというようなことも踏まえて、整理し直してください。
下から5行目に何々との意見があったとありますが、この「必要最小限の内容にとどめるべき」、これは全員が賛成です。それから、次の「過度な規制は好ましくない」、これも全員が賛成です。問題は過度とは何かとか、最小限とは何かという箇所ですね。
田嶼氏
これはおかしいですね。
奥村座長
あるいは、何かここに少し手を加える必要があると思います。
寺沢氏
22ページの下から4行目の部分ですけれども、「『未成年者飲酒防止への取組』と、それから『適正飲酒の推進』のテーマで整理した」とありますが、この2つのテーマで整理したという理由とか根拠を少し書いた方がいいかなと思います。
奥村座長
それは最初の裏表紙の記載では読み取れなかったですかね。「はじめに」というところの、この懇談会の検討課題というところで社会的な要請に絞って検討しようというところです。
寺沢氏
なるほどね。私自身はこの問題に取り組むのに、例えば長期的に非常に効果が出るということを考えるとすると、未成年者の飲酒防止ということに最重点の対応をした方が、成果が大きいというふうに見ているのですよね。販売業者からの規制をいろいろやっていても、買う方にそういう意識が出てこない限り、やっぱり実効は伴わないと思う。そういうふうなことから未成年者の飲酒防止を重点課題として取り組むというふうな筋書きで取り上げた方がいいのではないかなと思います。
奥村座長
先ほど、水谷先生や本間先生がおっしゃっていたのと同じようなお話ですよね。
寺沢氏
そうですね。そういうふうに思います。だから、それを一言でここでも入れた方がいいのではないでしょうか。
奥村座長
今、寺沢先生がおっしゃったことが結論であれば、まさにそれを懇談会の意見として出して、きれいごとはやめましょうということですかね。幾ら販売業者がやっていますと言ったって実態はないのだからという意見にして、では、どうしますかというふうに持っていくのですが、初めから何をアジェンダにしてやりますかということで、結論を先に入れてしまうと、検討する前に結論が出てきてしまったみたいになってしまいますね。
寺沢氏
そうですね。
奥村座長
一応アジェンダとしては社会的要請に絞った上で、そこの中でこういうテーマを取り上げましたという流れにして、では何が言いたいのというところは、もし今おっしゃったところが結論であれば、そちらへ持っていったらどうでしょうか。
寺沢氏
そうですね、分かりました。
奥村座長
ただ、「適正飲酒の推進」という日本語はどうですか。何だかこのくらいのお酒ならもっと飲みなさいと言っているように見えなくもありませんが、内容は適正飲酒の範囲内でないと飲んでは駄目だよというような指導をしようというようになっています。ですから2番目のテーマは日本語を少し工夫した方がいいかもしれませんね。
須磨氏
すみません、あと「着実な取組を期待するものである」と最後にまとめていますが、これは逃げているような感じがしないでもないので、例えば未成年者の飲酒防止への取組を全体でやるべきだと、そのときに酒類販売業の観点ではどういうアプローチで今後施策を立てていくかと、全体でやるべきであるけれども、この懇談会ではそれについてまず、宣言するみたいな形でできればいいのではないですか。
奥村座長
今の御発言はよく分かりましたので、また終わりの結論の方で何か出てきたときに、もう一遍今の言葉遣いを工夫しましょう。
次の23ページの(1)の方へ移りましょう。
本間氏
恐れ入ります。今の「適正飲酒の推進」というのを「適正飲酒への指導」とするのはいかがでしょうか。
奥村座長
案として「適正飲酒への指導」というのはどうかという御指摘をいただきました。
それでは、23ページの上半分を読んでいただけますでしょうか。
亀井酒税企画官
「未成年者飲酒防止への取組」。「未成年者飲酒防止対策については、平成12年の未成年者飲酒禁止法改正による罰則の強化、平成15年の酒税法改正による未成年者飲酒禁止法違反の罰金刑を受けたことがないことの酒類販売業免許の付与要件への追加等により、法制度面での一定の整備が行われているが、同法違反に係る取締り・罰則をさらに強化すべきとの声が強い。未成年者自身の処罰については、未成年者飲酒禁止法違反は福祉犯と位置付けられているので困難であるとの指摘もあるが、未成年者による酒類購入の禁止、購入目的に関わらない未成年者への酒類販売の一律禁止、酒類購入者の年齢確認の義務化など、未成年者飲酒禁止法の改正について幅広く検討を行うべきとの意見があった。
当面の具体的な対応としては、以下のとおり、行政、酒類業界、学校、家庭や地域での取組を複合的に展開し、総合的な対策を推進していくべきである。
特に、未成年者や酒類の消費者と直に接する酒類小売店については、社会的な要請への対応の重要な担い手として、その役割・責務は非常に大きい。小売酒販組合の活動等を通じるなど、社会的な要請に積極的に対応していくことが望ましい。」
奥村座長
では、そこまでで止めてください。今、御議論いただいている内容の延長線上の内容になっていますので、再度御覧いただけますでしょうか。
まず上から4行目に「強化すべきとの声が強い」と、これは懇談会のメンバーの声が強いということでいいですか。
亀井酒税企画官
はい。そういうふうに書きました。
田嶼氏
「強化すべきとの声が強い」ということもそうですが、その後の行の「指摘もあるが」とか、最後の「意見があった」というのはすべて主語がはっきりしていないと思うのですがいかがでしょうか。
奥村座長
事務局のお考えでは、全部懇談会のメンバーが主語になっているようです。
田嶼氏
それはもう当然のこととしてなのですか。
奥村座長
この文章は、仮にまとめただけですので、これは表現が強過ぎるとか、あるいはこんなことは当然だから「意見があった」という文言はなくていいのだというようなことは御意見としては結構ですが、「当懇談会は」というのが全ての文章の主語としてかかっている感じで、一応内容をチェックしていただけますか。
田嶼氏
はい。
水谷氏
長い文章ですね。一度読んだだけでは頭に入り切りませんね。
奥村座長
初めから4行はぶっ続けになってしまっていますからね。
小宮氏
「福祉犯と位置付けられているので困難であるとの指摘もあるが」というふうに続いていますけども、ここの「が」の後が、実は福祉犯と位置付けられていることに対するリアクションというのではなくて、相変わらず福祉犯とした延長線上での施策になっています。つまり、先ほど水谷先生を初めとして御指摘があったように、むしろ福祉犯というのは、大人は罰せられるけども子供は罰しないのだと、あくまでもこの法律は子供を保護するためであるので、保護対象である子供を罰することは論理矛盾だという前提でずっと来ているわけですよね。ですから「指摘もあるが」と続けるのであれば、そうはいってもやはり子供に対する一定の規制、あるいは行動制限、そういうものも必要であるというようにつながっていかないと「が」の意味が逆説としての意味を持たない。
では、どういう根拠で保護対象である子供に対しての規制をかけるのだということになると、やはりそれがこの後半に出てきます地域社会の住民の不安感であるとか、そういう秩序維持と秩序違反に対する予防とか、そういうような別の保護法益を出さないと、論理矛盾に陥ってしまいますので、ここに、「そうはいってもやはり地域社会の平穏を維持するためにはある程度の規制も必要ではないか」とか、そういう形で続かないと、相変わらず福祉犯の延長線上の内容となってしまい、文章的にはおかしくなってくると思います。
奥村座長
今の小宮先生の意見を踏まえた上で検討したいと思いますが、ほかの先生方の御意見、まずは文章が4行ぶっ続けになっているのですけど、どこかで頭の整理をしやすいように切っていただいて、懇談会としては「同法違反に係る取締り・罰則をさらに強化すべき」というところですが、同法というのは平成12年の改正と平成15年の改正の両方にかかっているのですか。
亀井酒税企画官
平成15年に酒税法を改正していますけれども、その前提が未成年者飲酒禁止法にありますので、平成12年の改正を重点的に考えてこの文章を作りました。
奥村座長
そうすると平成12年の未成年者飲酒禁止法の罰則をさらに強化するということは、例を挙げるとどういうことが考えられますか。
亀井酒税企画官
それが「指摘もあるが」の後にずっと書いてございます。
奥村座長
取締りと罰則をさらに強化するのですね。
亀井酒税企画官
はい。
奥村座長
取締りは分かりますが、罰則はどういう罰則だったですか。
前田課長補佐
科料から50万円以下の罰金に改正しました。
奥村座長
金額をもっと上げろということですか。
前田課長補佐
そうですね。
田嶼氏
こういう流れがあるけれども、この方向でさらに取締りや罰則をさらに推進していった方がいいという総論が述べられているのではないかと思っていたのですが、違いますか。
奥村座長
平成12年の罰則というのは金額だけですか。金額以外の罰則はないのですか。
前田課長補佐
平成12年の改正では、科料から罰金になりました。年齢確認やその他必要な措置を講ずるものとするというものが入ったのが平成13年の改正です。
奥村座長
取締りの強化は異論がないと思いますが、罰則もこうして入れておいてよろしいでしょうか。「強化すべきである」としてしまうのはいかがですか。反対の方がいらっしゃれば、「との声が強い」でもいいとは思いますが、そこまでは言わない方がいいですか。
前田課長補佐
罰則の強化ということで、例えば、販売した者に対する罰金50万円を引き上げるという話と、それから親が制止しなかった場 合は、今は、科料になっていますけれども、それを強化するという話と、年齢確認について、今は、罰則がないが、罰則を設けるかという観点もあります。
奥村座長
そうしたら、「取締り・罰則の強化を検討すべきである」でいいですか。できるだけ意見が多いものを採用したいので、「同法違反に係る取締り・罰則の強化を検討すべきである」でよろしいでしょうか。
岡本氏
今の最初の文章は長いので、少しでもスリム化することで2行目、「受けたことがないこと」という部分、「受けていないこと」ではいけないですか。
奥村座長
そうですね、ここは文章が長いし、受け身になっていたりしていますので、できるだけ短く工夫して修文してください。
あと、次の未成年者自身の処罰については福祉犯云々のところですが、「福祉犯と位置付けられているのは」、ここはもう事実でそのままでいいですよね。
亀井酒税企画官
警察庁の方から、そういう御説明がありました。
奥村座長
じゃあ、「いる」でいったん切っていいですか。
亀井酒税企画官
はい。
奥村座長
「福祉犯と位置付けられている」というところで丸にしていただいて、さて、だから何だというところの文章ですね。「しかし」でよろしいですか。
小宮氏
今のところは「処罰については困難である」まで続けないと意味が通じませんよね。
奥村座長
そうですね。「未成年者については」でいいですか、処罰を主語にしてしまうと分かりにくくなりますね。
田嶼氏
処罰が困難なのではないですか。
小宮氏
福祉犯だから処罰が困難となっているのです。
奥村座長
強化については検討すべきであるが、未成年者自身の処罰は困難である。
水谷氏
ただ、その大前提ですけれども、福祉犯だから困難だということについて、別にこの懇談会ではそれに賛同する必要はありませんよね。それよりも重要なことがある。例えば、お酒だけじゃなくて麻薬なんかについても承知の上で売っているのに、見つかったら何とか言い逃れをして罪を免れるなどというのは、やっぱり不届きだと僕は思います。この刑法ですから管轄は法務省ですか。そういう考え方がいけないのだと、懇談会の意見として、はっきりと申し上げた方がいいのではないでしょうか。そういう福祉犯だからという考え方もあるでしょうけれども、実はこういう面がありましてという具合にはっきりと物を申した方がいいのではないかと、こういう具合に思います。
奥村座長
今の、水谷先生の意見も踏まえて考えますと、「未成年者自身の処罰」という主語を「未成年者については福祉犯と位置付けられている。」としまして、それで、「しかし、当懇談会はこういう点を考えていただきたい」みたいなニュアンスで続ければいいですよね。
小鞠酒税課長
はい。
奥村座長
いったん作って、また次回見ていただいて、また御訂正いただくということにしたいと思いますが、岡本先生よろしいですか。では、まず「未成年者については」というところで「位置付けられている」で丸にしまして、「しかし、未成年者による酒類購入の」の次に「幅広く検討を行うべきである」でいいですか。「との意見があった」となっていますが、検討することについて、異論はありませんね。それとも「改正」としますか。「未成年者飲酒禁止法の改正」とまで言いますか。
小宮氏
もし、やるのだったら「改正」にしないといけませんね。
奥村座長
「改正の可否について幅広く検討を行うべきである」でよろしいでしょうか。
小宮氏
ここも先ほど申しましたように、要するに福祉犯の延長線上での対応策ですから、非常に弱いですよね。先生方から御指摘のように、未成年者自身の行動規制をするのだということをきちんと書かないと、結局同じ延長線上で年齢確認の義務違反というのが相変わらず福祉犯の枠組みでできることですよね。
奥村座長
でも、「福祉犯で位置付けられている」と丸でとめてしまって、その後に、「しかし」と続きますから、そのこと自体の検討も踏まえてというニュアンスで次の文章を入れたい。
小宮氏
「しかし」とするのであれば、もっと「福祉犯といえども」というふうに、年齢確認義務違反も、福祉犯も同じ枠組みとしてアピールしないと弱いですよね。
小鞠酒税課長
表現は工夫します。皆さんの御趣旨としては、警察庁の説明では福祉犯なので、未成年者自身の処罰はできないという説明を受けたことは事実だけれども、当懇談会としては別の法益から、やっぱり未成年者自身の処罰もすべきであると考える。
小宮氏
そうです。
小鞠酒税課長
そういう論理にすればいいわけですね。それでは、表現を工夫させていただきます。
水谷氏
私どもが意見をいろいろ言いますと、壁にぶち当たりまして、壁の中へ入っていかないというのは一般的な傾向ですね。力の弱いところへ意見を申すということになりがちだと思いますけれども、逆であるべきです。壁の向こうに向かって、より大きいところへ意見をはっきり言っていかないと社会は変わらない。ですからこういったことを契機にして、警察庁であろうが法務省であろうがどんどん言っていけばいい。そして変えさせることが必要だと僕は思います。
奥村座長
山下先生、何か御意見いただけますか。福祉犯のところをどのくらい懇談会として打ち出せるか。
山下氏
多分、刑法学者に言うと相手にされないような、これは法務省も警察も同じような気はしますが、この懇談会の意見としては、今、水谷さんがおっしゃったようなことではあるわけで、やっぱりそれを書くには、なぜそうかという根拠をはっきりと書いておいた方がいいと思います。この酒類の禁止とかその他、それは結論であって、なぜそうかといいますと法益というものについて我々としてどう考えるかというのをきちんと説明しておく必要があると思います。
奥村座長
分かりました。方向付けはそういうことで一度工夫できるかどうか見てくださって、それでもう一遍この言葉遣いは次回に詰めたいと思います。
残った5行はよろしいですね。「小売酒販組合の活動などを通じ」と小売酒販組合だけが登場してきていますが、これはこういうものでしたか。何団体か報告していただきましたが、お客様に接している小売業者の団体はこの小売酒販組合だけですか。
亀井酒税企画官
小売酒販組合だけではなくて、コンビニエンスストアや、スーパーマーケットの方たちの団体もあります。
奥村座長
この小売酒販組合には、コンビニエンスストアとかスーパーマーケットの方は加入していらっしゃらなかったでしょうか。
亀井酒税企画官
小売酒販組合に入っているコンビニの方、それからスーパーの方もいらっしゃいますので、こちらの方に「等」というふうに付けてありますけれども、最初にこちらを持ってきたということです。
奥村座長
実情を伺っていると、新規参入で多いのはコンビニエンスストアやスーパーマーケットですよね。そういうものが出てきたから業界が乱れてきた、副作用が大きいというようなことが起きてきているとすると、そのコンビニエンスストアやスーパーマーケットの団体などについて、むしろ小売酒販組合と並べていただいた方がいいのではないですか。
亀井酒税企画官
分かりました。考えます。
奥村座長
の方へ移っていただけますか。
須磨氏
3行ほど気になるところがあるのですが、この「特に」というところですが、この書振りだと、酒類小売店については、社会的な要請への対応の重要な担い手としての役割・責務は特に大きいというように読めます。要するに、たくさんあるお酒に関する社会的要請の中で、何についてどう対応してもらうかという観点ですよね。これを読むと、先ほどの先生方のお話にあった、本当はもっとトータルとして対応するべきだけど、今とりあえず対応するのはここだというのと少しニュアンスが違うと思います。
奥村座長
そうですね。
須磨氏
その辺も考えていただければなと思います。
奥村座長
はい、分かりました。
むしろ下3行と、その上の2行を逆転していただいた方がいいのではないですか。そうすると、須磨先生のおっしゃるニュアンスの違いが解消されませんか。